M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

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2015年7月メアリー・ポピンズ/ミュージックマン観劇記 その3

2015-08-04 00:00:02 | Michael 15 Music Man 他
観劇記その3、いよいよ「ミュージックマン編 in Minneapolis」です。(写真は、7/21の終演後に劇場のロビーで撮ったMichael君〔マイケル・グルーバー〕です。)

7/19日曜日の朝10時、B&Bにお願いしておいたタクシーに乗って、ミネアポリスのダウンタウンへと向かいました。 Michael君(マイケル・グルーバー)が出演中のガスリー劇場のすぐそばにあるAloft Minneapolisに予約を入れていました。若者向けのスタイリッシュなホテルとのことで、ナズは若者ではぜんぜんないんですが、何せ、劇場に一番近いので、ここにしたんです。交通の流れがよかったので、10時半にはホテルに着いてしまいました。早速、中に入ってみると、ガラスの多い造りで、外からの光がよく入るロビーには、プールバーもあり、小ぶりながらカフェテリア風の売店では、ミネラルウォーター、ソフトドリンク、サラダ、スナック、コーヒー、そして朝食などの食事時間には、温かいバーガーやサンドイッチをホットプレイトに並べてくれて、それを買うこともできるというサービスぶり。
フロントは、壁際ではなく、売店の前に円筒形のブースになっていて、売店のレジも兼任していました。事情を話すと、快く荷物を預かってくれました♪ガスリー劇場への行き方を尋ねると、裏口から出ると近いと教えてくれ、左へ行って、道路に出たら右に行くと、すぐ目の前だから絶対に見逃さないと、教えてくれました。
フロントの人が言った通りで、道路に出た時点で、もうガスリー劇場の黒っぽいモダンな建物が見えていて、この劇場へ行くためにあるようなホテルだな~と思いました。

ボックスオフィスに行ってみると、11時からだったので、しばらく建物の写真を撮ったりして、11時少し前にボックスオフィスの前に戻りました。すでに2人の人が並んでいたので、その後ろに並んで待っていると、突然、何か生温かい濡れたものが、ナズのふくらはぎのあたりにさわったので、振り向いてみると、白い可愛い小犬を連れたきれいな女性の方が立っていて、その小犬がナズの足を舐めていたのでした。
「ごめんなさい」とその女性。「いいえ~、犬、大好きだから大丈夫です♪ 可愛いですね~!」とナズ。とても人懐っこいワンちゃんで、ナズが撫でてあげようとかがむと、そのナズの顔を舐めようとして、しっぽを振りながら飛びついて来ました。
「か~わいい~♪ と~っても、か~わいい~♪(Sooooooo Cuuuute!)」を連発しながら、顔を舐めさせ放題で、ワンちゃんを撫でているナズを、女性が、クスクス笑いながら、優しく見ていましたよ。
実は、なんと、この女性、あとでトニーさんに教えてもらったんですが、「The Music Man」の主演女優、マリアン・パルー役のステーシー・ボノさんだったんです!
この日の午後、楽屋で、トニーさんが、彼女に「今日、日本から友達が見に来てくれるんだよ」と話したところ、不思議そうに首を傾げたステーシーさんが、「そのお友達、女性の人?もしかして、今朝、ボックスオフィスにチケットを取りに来ていたかしら?」と質問したそうなんです。トニーさんが、「たぶん、行ったと思うけど、なぜ?」と聞くと、「今朝、ボックスオフィスで、日本人らしい女性が並んでて、私の犬を、可愛いって言いながら、撫でてくれたのよ。それが、その人じゃないかしら。」とステーシーさん。「その人、『と~っても、か~わいい~♪(Sooooooo Cuuuute!)』って言ってた?(可愛いものを見た時のナズの口癖なんです〔笑〕)」とトニーさん。「ええ、そうね。確か、そう言ってたわ。」とトレーシーさん。「じゃあ、間違いない!それ、ナズだ!(笑)」・・・というやりとりがあったんだそうで(笑)
後日、楽屋口であらためてステーシーさんとお会いした時に、「あの時は、どうも~!」って笑い合ったんですが、あんなところで、まだ一度もショーを見る前にキャスト、それも主演女優さんとお会いできちゃってたなんて、ホント、びっくりでした! 何度も見に行ってると、思わぬ出来事に遭遇しちゃうものですね。いい思い出になりました。

さて、朝の時点では、まさかその女性が主演女優さんとは思いませんから、自分の番になったナズは、今回見る、6回分のチケット全部を引き取らせてもらい、劇場のある4階へと上がっていきました。
こちらの劇場の建物は、1階にボックスオフィス、お土産やちょっとしたお菓子等を売っている売店、食事もできるバー・レストラン、楽屋口などがあり、2~3階は、関係者以外立ち入れません。なので、お客さんは、エスカレーターかお客さんも使えるエレベーター(2~3階には停まらない)で、4階へ上がっていきます。
4階で降りると、フロアの両側に劇場が1つずつあり、その片方で「The Music Man」を上演していました。4階には、開場を待っている時やインターミッションの時のために、お客さんが座れるようにソファがいくつも置いてあり、バー・ブースが2つほどあって、開場から終演までの間は、ここで飲み物やスナックを提供しています。
このフロアからスロープになった廊下を上がっていくと、5階になり、その正面には、ガイドブックにも載っている有名な展望台「Endless Bridge」があります。ミシシッピー川のほとりに建っている劇場の建物から、川の方に向かって、橋のような形の展望台が突き出しています。普通よりだいぶ長く延びたテラス・・・という感じでしょうか。ここからの眺めは、格別で、ショーのインターミッションの時に、ここへ来て、景色を楽しんでいるお客さんも多いんですよ。5階にも、レストランがあり、また展望台の入り口には、ドリンクやスナックを売っている小さな売店があります。売店・レストラン・展望台は、ショーをやっていない時間帯でも営業していますが、ショーがお休みの月曜日は、1階のレストランは営業していますが、それ以外はやっていないので、ご注意下さい。

まだ開場時間まで2時間近くあったので、フロアは、ガラガラで誰もいませんでした。持ってきていたタブレットで、6枚のチケットの写真や、劇場入り口の写真を撮り、Facebookにアップして、「今、劇場!チケット、ピックアップできたよ~!」と書くと、その直後からバラバラと、もうじきステージで会える俳優のお友達も含めて大勢が「いいね」をクリックしてくれて、リアルタイム・コミュニケーション、楽しかったです♪

あまりおなかも空いていなかったので、売店で買ったスナックでお昼を済ませ、Endless Bridgeからの眺めを楽しんだりして時間をつぶしたナズ、開場時間になったので、劇場へと向かいました。

「The Music Man」を上演しているWurtele Thrust Stageは、ちょっと変わった造りをしています。下記の写真は、その座席表なんですが、まず、ステージそのものが普通の四角い形ではなく、おにぎりのような、変形六角形をしています。そして、普通は、ステージが客席よりだいぶ高くなっているんですが、このステージは、かなり低く、客席との境の部分は、全て3段の階段のような造りになっています。



また座席表の通路の4のステージ寄りの少し広くなったところは、歌舞伎の舞台の花道のように、ステージが廊下のように延びていて、そのまま上部の客席の下を抜け、舞台裏へ続いています。座席表の通路2のところも、花道ではないのですが、いったん客席のフロアに降りると、その先が観客は入ってはいけない下りの階段になっていて、キャストは、そこを通って、舞台裏に行けます。
ステージ下には、歌舞伎舞台と同じように奈落があるようで、ステージには大きな開口があり、かなり大きなセットが、せり上がったりせり下がったりできます。

この劇場も、チャンハッセン・ディナー・シアターズ(CDT)のメインステージと同じく、幕がなく、常にステージや背景等が客席から見えるようになっています。CDTでは、客席がディナーを楽しむ場所でもあるためか、上演中以外は客席内でも写真撮影をしてかまわないのですが、こちらでは、客席内では一切の撮影が禁止されていました。

面白いのは、通常、指揮者は、オーケストラと一緒に客席からは見えない位置にいて、キャストは、モニターを使って指揮者の指示を見ながら演じるのですが、ここは、ステージの客席寄りの中央に、四角く穴が開いてて、指揮者は、開演時間になると、いったんステージに出て来て、その穴に入り、上半身を出したまま、ずっと指揮をしていることになるんです。指揮者の周りは、セットの一部の金属フェンスとベンチで囲まれていたので、ちょっとオリに入れられてしまっているみたいに見えました(笑)
そして、座席は、ブロック毎ではなく、どの通路から入ればいいか・・・という形で表示されていて、例えば、この日のマチネのナズの席は、「Aisle 1、Row B、Seat 101 (通路1のB列の101番)」でしたよ。ただ、通路は、各ブロックの両側にあるので、表示された通路から入っても、実際には、反対側の通路からのほうが近かった・・・なんて場合もあるようですが。

この通路1のB列の101番は、舞台に向かって、左側の端っこ、通路のすぐ横の前から2列目の席でした。叫びやすくはあるんですが(笑)、ショーを、真横から見ることになるので、初めて見るには、あまりいい席とは言えないですね。
今回、けっこう早めにチケットを購入したんですが、もうだいぶ売れてしまっていて、前寄りかだいぶ後ろの席しか残っていなくて、前寄りで、なるべく端っこの席を選びました。選ぶ余地がほとんどなかったけど、それでも、6回見るうちの3回は、最前列の中央付近となかなかいい席が取れ、他の3回は、舞台に向かって左端が2回、反対の右寄りが1回、いずれも、前から2~3列目と、そんなに悪くない席でした。
見る位置が変わると、それまでの位置では見過ごしていた動きとかが見えたりして、あちこちから見るのも、なかなか楽しいです。

上演開始の予定時刻を数分過ぎて、開演になりました。最初に舞台に登場したのは、音楽監督で、指揮者を務めるアンドリュー・クックさんで、CDTのほうでも音楽監督をされることが多く、ナズは、「Jesus Christ Superstar」を見に行った時、クックさんとお会いする機会があり、お友達になることができました。
クックさんの指揮で、オーバーチュアーの演奏が始まりました。今風のミュージカルでは、上演前のオーバーチュアーがないスタイルがほとんどなので、ミュージカル全盛期の古き良き時代の作品らしい、美しいオーバーチュアーにちょっと感激してしまいました。
オーバーチュアーの間に、ステージのかなり広い部分が開いて、奈落から列車のセットがせり上がって来ました。外枠などはなく、奥に窓がある壁の部分があって、その手前に、網棚と向かい合ったボックス型の座席が3席、すでに俳優さん達は、セットの中に座っていました。以前の記事でご紹介した写真のシーンで、全員、旅のセールスマン達なのですが、やはり、白い帽子と水色のスーツが、Michael君でした。
「発車します~!」と車掌が呼びかける中、2人のセールスマンが列車に乗り込んできました。その内の1人、白と赤のストライプのジャケットを着ているのが、トニーさんでした。今回、トニーさんは、ダンスキャプテンを務めていて、何かと忙しかったようです。トニーさんのインタビューをご紹介した記事があるんですが、それは、こちらからごらんいただけます。
真横に近い位置から見ているナズからは、やや見づらくはあったんですが、列車が発車すると、セールスマン役の俳優さん達は、からだを揺らして、列車の動きを表現します。タイミングを合わせて、からだを揺らしたり、跳ね上がったりするので、まるで本当に列車が動いているように見えました。
またこのシーンには音楽は流れず、俳優さん達が、列車の動きに会わせてリズミカルに台詞を言うという、今で言う、ラップになっているんです。1950年代に作られたミュージカルに、もうラップが取り入れられていたなんて、当時としては革新的な作品だったでしょうね。

「商品を売って金を稼ぐんだ!ボタンやフック、綿製品、いろんなものを!でも、縄張りは、わきまえておかなきゃいけない!(Rock Island)」と話すセールスマン達。列車の左端では、3人のセールスマン達がカードゲームをしていました。
やがて、Michael君演じるセールマンが、「ヒルという男を知ってるか?」と仲間達に尋ねました。聞いたことがないといぶかしがる仲間に、「ヒルは、プロフェッサー・ハロルド・ヒルと名乗っているセールスマンで、あちこちの町で、トロンボーン、ドラム。ピッコロ等の楽器や、バンドのユニフォームを売っている、いわばミュージックマンだ」と教えました。すると、会ったことはないが、ヒルを知っているというチャーリーというセールスマンが、「ヒルは、縄張りをわきまえない、他のセールスマン仲間をトラブルに巻き込むヤツだ!」と憤ります。楽器や制服を売りつけるために、ヒルは、各地でプロフェッサーの自分が指導するからと、少年バンドを作るように町の人々に持ちかけるのですが、実際には音符一つ読めない詐欺師で、商品が届いて代金を回収すると、指導などしないで逃げ出すという商売をしていて、ヒルの被害にあった町を訪問したセールスマンは、ヒルの同類だと思われて、町の人々から袋だたきの目に遭うのだと、息巻くチャーリー。クスクス笑うセールス仲間達に、「こんな目に遭えば、笑っていられないだろうよ!」とチャーリーが帽子を脱いで見せると、大きなはげ跡が3つも残っているのでした。
そうこうする内に、列車は、アイオワの田舎町、リバー・シティに到着しました。こんな田舎町じゃ、さすがのプロフェッサー・ヒルも、何もできないだろうと話し合うセールスマン達を後目に、ずっと観客席に背を向けてカードゲームをしていたセールスマンが立ち上がり、「諸君!アイオワがどんなところか、一つ試してみることにするよ」と言って、降りて行きます。チャーリーが素性を知らないと言うと、「隠すつもりはないさ」と自分の鞄をみんなに見せます。すると、そこには大きく「プロフェッサー・ハロルド・ヒル」の文字がありました!彼こそが、話題の主、ミュージックマンだったのです。飛びかかろうとするチャーリーを後目に列車を降りたヒル。列車のセットは、奈落へと下りていきました。

通りかかる町の人に話しかけるヒルでしたが、「ここは、アイオウェイ(Iowaのラストの『a(エイ)』と『way』を引っかけて、アイオワ式)、よそ者には冬のように冷たい土地だ(Iowa Stubborn)」と、全く相手にされませんでした。
そこに通りかかったのは、かつての詐欺師仲間で、今はこの町の住人のマーセラスでした。ここは平和過ぎて、ヒルの得意とする音楽詐欺には向かないという彼に、「だったら、問題をでっち上げればいい」とヒル。ちょうど、この町に初めてのビリヤード台が運び込まれて来たと知り、プールバーができれば、少年達が不良になると町の人に吹きこみ始めます。(Ya Got Trouble)真に受けて、不安がる町の住民達の中には、先ほどまでセールスマンを演じていたMichael君とトニーさんの姿もありましたよ。住民役の時は、Michael君は、口ひげを付けていました。
マーセラスから、音楽詐欺のカギになる音楽教師が、図書館で司書も兼任している女性のマリアン・パルーだと聞いたヒルは、マーセラスに協力を頼み、自分は、音楽教師を探しに行くのでした。

仕事を終えて家路を急ぐマリアンを見つけたヒルは、何とかうち解けようとしますが、他の町の住人同様、全く相手にされません。このマリアンを演じているのが、その朝、ボックスオフィスでナズが出会ったステーシーさんでした。ご本人は、栗色の巻き毛のロングヘアをそのまま垂らして、カラフルなTシャツにミニスカートと、若々しく、フレンドリーな感じの方なんですが、このマリアンは、堅物で頑固、友達も少ないちょっとオールドミスという設定で、髪もきっちりと結い上げていて、全く別人のように見えました。
町中をヒルに追いかけ回されて、やっと家に帰り着いたマリアン。家では、アマリリスという少女が、先生のマリアンの帰宅を町ながら、ピアノのレッスン中でした。このアマリリスちゃん、トニーさん演じる町の住人の娘という設定になっていて、子役なので、2人の女の子が交代で演じているんですが、1人はアジア系の女の子で、優しくて子供好きなトニーさん、「僕に、アジア系の娘ができたんだよ♪」と嬉しそうに話してくれました♪
「ヒルにつけ回された!」と母親に訴えるマリアンでしたが、オールドミスの娘が心配な母親は、「いっそおしゃべりしてくればよかったのに!」という始末(笑)
アマリリスのレッスン中に、マリアンの年の離れた弟、ウィンスロップが帰宅しました。内気で、家族とも一言二言の会話しかしないウィンスロップでしたが、アマリリスは、彼のことが好きで、パーティに誘いますが、ウィンスロップは乗り気ではありません。「S」の音が「Th」の音になってしまうウィンスロップは、アマリリスの名前を呼びたくないのですが、母にたしなめられて仕方なく呼びかけますが、思わず笑ってしまったアマリリスの態度に傷ついて、走り去ってしまうのでした。
毎晩、ウィンスロップに思いが通じるよう呼びかけるのに、少しも通じないと泣き始めるアマリリスに、「きっとどこかに、あなたを待っている人がいるのよ。誰だかまだわからないなら、『誰かさん』って呼びかけるといいわ。」(Goodnight, My Someone)と慰めるマリアンでした。

7月4日の独立記念日のセレモニーに、町の人々が集まっていました。派手好きでノリのいい町長夫人は、奇抜な衣装に身を包んでのパフォーマンスに大乗り気です。
夫の町長は、やたら言い間違いが多い人で、その上、彼が演説を始めようとすると、必ず邪魔が入って、先へ進めません。もともと仲の悪い学校の役員達は、けんかを始めるし、町長の長女とつき合っていて、町長に嫌われているトミーは、ネズミ花火を放って町長夫人を驚かせ、取り押さえられてしまう始末で、セレモニーは、大混乱です。
そんな中、ヒルが、「町にビリヤード台が運び込まれたと聞いたぞ!」と声を上げました。彼の声につられるように、町民が、「子供達が不良になる!その件が片づくまで、セレモニーは、おあずけだ!」と声を上げます。
これこそ、ヒルが待っていた瞬間でした。上着を裏返して、バンドリーダーのユニフォームに早変わり、演説台の上に乗って、少年バンドを作る素晴らしさを力説しました。(Seventy-Six Trombones)すっかり乗り気になった町民達に押され、町長も、ヒルの話を聞くことにしました。しかし、身元証明書を提示するように言うのは忘れませんでした。

詐欺師ではあるものの、極悪人というわけではないヒルは、家庭環境がよくないせいで色眼鏡で見られているトミーを放っておけず、いたずらのせいで保安官に連れて行かれそうなところを助けてやります。しかし、彼の更正の助けになるだろうと、通りかかった少女、ゼニータのエスコートをさせるのですが、生憎なことに、彼女こそ、トミーがつき合っている町長の長女だったのでした。
町長の命を受けて、学校役員達が、身分証明書を受け取ろうと迫りますが、詐欺師のヒルは、気にも留めません。彼にかかれば、長年、仲の悪かった役員達も、たちまちコーラスに夢中になって、仲良くなってしまう有様。(Ice Cream – Sincere)
アカペラで見事なハーモニーを披露してくれる4人の役員達ですが、Michael君とトニーさんは、彼らの代役も担当していて、Michael君は、テナーの役、そして小柄なトニーさんは、何と大柄でちょっと太った一番低音の人の担当で、あとでおしゃべりした時にその話を聞いて、「体格がぜんぜん違うじゃない!?」とナズが言ったら、トニーさんは、「そうなんだよ」とクスクス笑っていました。あと、Michael君は、セールスマンのチャーリーの役の代役にもなっているようです。

堅物の音楽教師、マリアンだけは、相変わらず、疑いのまなざしで見ていると、旧友のマーセラスに訴えるヒルでしたが、それほど品行方正ってわけでもなさそうだと聞かされて、好都合だとほくそ笑みます。(The Sadder But Wiser Girl)
ホテルへ戻ろうとするヒルを、町の夫人達が尋ねてきました。夫が疑っているから・・・とヒルを警戒する町長夫人を、うまくおだてて社交会のダンスの指導役に祭り上げて信用させてしまうヒルでしたが、マリアンのことを聞いてみると、「難しい本を読んでお高くとまって、町の社交活動に参加しない!」(Picka-a-Little, Talk-a-Little)と、よく思われていないことがわかりました。
身元証明書を受け取りに来たものの、またしてもヒルにごまかされた学校役員達は、婦人達の歌に、見事なコーラスを重ねます。(Good Night, Ladies)

何とかマリアンに取り入ろうと、彼女が働く図書館へやってきたヒル、「借りたいものを借りて、とっとと帰って!」というマリアンに、「僕が借りたいのは、図書館員の君だよ。」と誘惑の魔の手を伸ばすのでした。(Marian the Librarian)とまどいながらも、あながち悪い気はしないマリアンでしたが、頬にキスをされ、ヒルをひっぱたこうとして、図書館に来ていたトミーをひっぱたいてしまうのでした。
図書館ではうまくいかなかったヒルは、何とマリアンの家にまで押し掛けてきます。母親のパルー夫人の心はつかんだものの、マリアンは、彼の素性を疑ったままでした。彼がインディアナで音楽の勉強をして学位を取ったということばを信じません。ヒルが立ち去ったあと、弟のウィンスロップに、図書館に行って、インディアナの大学の記録の本を借りてくるように頼むのでした。
優しい言葉をかけてくれるヒルに見向きもしない娘に「いったいお前は、何を待っているの?」と問いかける母に、「英雄じゃなくていい、優しくて、正直で、控えめで、私と、このアイオワで暮らしてくれる、そんな人を待っているの」(My White Knight)と答えるマリアンでした。

インディアナの大学の記録を調べたマリアンは、とうとうヒルの履歴がインチキであることを見つけ、町長に記録を読んでくれるように頼みますが、なかなか読んでもらえません。そこに、楽器を積んだワゴンが到着し、初めて手にする楽器に、子供達は大喜びです。あの無口だった弟までが、楽器を手にして、嬉しそうにしゃべりまくる姿に、マリアンも、母親も、嬉しさのあまりことばが出ないほどでした。
正直者というわけではないけれど、子供達をかばったり、喜ばせたりする優しいところもあるんだとヒルを見直したマリアンは、本を読んでみようと言う町長に、証拠の書かれているページをそっと破り取ってから渡すのでした。
「君にも、ぜひ、アイスクリーム社交会の集まりに参加してもらいたんだ」というヒルの言葉に、とまどいつつも、微笑みながらうなずくマリアン。それを見て、我が意を得たとばかりに、にやりと笑うヒルでした。

と、ここで、第一幕が終了です。20分間の休憩のあと、後半が始まるわけですが、またまた長くなってしまいましたので、第二幕は、その4でご紹介しますね~! 一生懸命書きますので、読んでいただけたら、嬉しいです♪


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