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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

依存症の治療と回復

2014-10-26 07:57:39 | 依存症
アマゾンで500円ちょっとで売られていたので
とうとう「猿の惑星創世記(ジェネシス)」のDVDをゲットしました。
いくら病気とはいえ、毎日2時間映画を見るわけにもいかないので
家事の合間の休憩時間に、分割してリピートしています。
「一体猿の何がそんなに」とさすがに家族もだんだん
無反応になってきましたが、伊藤計劃さんの小説といい
私が一生懸命プッシュしても、なかなか一般には受け入れてもらえません。

というわけで、毎日エイプ(チンパンジー)やゴリラや
オランウータンが飛び跳ねている私の頭の中はさておいて
先日も夕方のローカルのニュースで
薬物依存症の問題が取り上げられていました。
この問題に関しては、さすがの厚生労働省も本腰を入れざるをえないようで
厚生労働省のHPでも、薬物依存症については
治療の方法や、相談機関、治療施設、家族の問題にいたるまで
かなりていねいな説明が公開されています。

放送の中でも取り上げられていましたが

九州で薬物依存症の専門的な治療ができるのは

肥前国立医療センターと福岡の雁ノ巣病院の2ヶ所のようです。

雁ノ巣病院は、ギャンブル依存症の治療の時も紹介しましたが
アルコール依存症の治療に長い歴史と実績があり
現在はギャンブルや薬物依存の治療にも取り組まれている医療機関です。

ただしどの依存症でもそうなのですが
依存症は、脳内物質のドーパミンとかセロトニンなどの
分泌の仕方に異常がおきて、その変化はもとには戻らないので
現在のところは、投薬とか注射などといった医療行為はあまり有効ではなく
完治するということはない病気です。
(アルコール依存症の治療で、補助的に抗酒剤が使われたりはします)

ですから依存症の治療というのは
「今日一日はアルコール(あるいはギャンブルや薬物)をやらない」
という、その一日を死ぬまで続けていくことが回復です。
どの依存症でも、回復し続けるために有効な方法は
自助グループと呼ばれる
同じ依存症の問題を抱える人たちとのミーティングが基本になります。

これは専門的な入院治療を行なう病院でも
ジャパンマックのような入所型、あるいは通所型のリハビリテーション施設でも
あるいはAA,GA,NAといった、それぞれの依存症の人たちの自助グループでも同じです。

依存症に対応できる病院とリハビリテーション施設と自助グループは
互いに連携もしていて
病院でカウンセリングを受けながら自助グループのミーティングに出るとか
昼はリハビリ施設でミーティングや、清掃、運動、調理など
正常な日常生活を取り戻す訓練に参加しながら
夜はやはり地域の自助グループに参加をするというように
どういう治療の道を選択しても
最終的には依存症の人たちの自助グループにつながり
ミーティングに参加し続けていくことが回復の基本になります。

私が前にも、まずは正確な知識がある専門機関に相談してほしいと
繰り返し書いたのは、何も予備知識なしに
自助グループに参加した場合
「なぜ自助グループに参加することが回復になるのか」
「12ステップとは何か」といったことを
誰かが最初にていねいに説明してくれるわけではないので
「何だかよく分からない」ということになる可能性があると思えたからです。

前に子どものネット依存のところで書きましたが
ネット依存から回復する方法について
親が指示をするよりも、やはり病院の先生やカウンセラーさんが
助言をしてくれるほうが数段受け入れやすいように思えます。

これは大人の依存症の場合でも
家族がミーティングに参加するように勧めても
依存症の人がそれを素直に受け入れることはまずありません。

そして家族もまた依存症の人を自分が何とかしようという気持ちからは離れて
やはりギャマノンのような自助グループに参加して
共依存であれば、その自分自身の心の病を回復すること
あるいは依存症の人に振り回されないで生きる
自分のための自分らしい生き方を取り戻すことが一番大事なことなのです。


そこのところをちゃんと本人や家族に納得のできる説明をして
それぞれが自助グループのミーティングに参加できるように
回復への橋渡しをしてくれる専門機関やリハビリ施設が
少しでも増えることを願っています。

以前九州北部の依存症に対応してくれる病院をいくつか紹介しましたが

その他に  北九州の八幡厚生病院 093-691-3344 が
ギャンブル依存症とアルコール依存症に

また福岡の 倉光病院   092-811-1821
      千鳥橋病院  092-641-2761

はアルコール依存症に対応していただける医療機関です。

薬物依存症のニュースの中でも、日本の依存症に対する治療体制の遅れ
について指摘されていました。

この前の「ギャンブル依存症問題を考える会」代表者の田中さんのお話の中でも
今日本で数少ない「ネット依存」の相談に対応できる
久里浜医療センターは、すでに3ヶ月の予約待ち状態だと言われていました。
しつこいようですが、依存症はどの依存症でも
その性質も、症状も、回復に至る道筋も
大きな意味では共通しています。

専門的にはクロスアディクションと呼ばれる
ある依存症の問題が止まったら、別の依存症が出てきたりする割合も多いです。
ですからアルコール、ギャンブル、薬物に、大人のネット依存420万人を足せば
依存症の人がすでに1000万人を軽く超えている現状で
行政も、医療も、私たちひとりひとりも
それぞれが別々の問題だという認識、向き合い方ではなく
依存症という大きな一つの問題
極端な言い方をすれば、人間の心が直面している危機としてとらえてもらいたいと
心から願っています。





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