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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

依存せずに生きることのできる人生

2016-04-03 17:09:56 | 依存症
前回から書いている「SMARPP24」(以後スマープと書きます)
の第7回に「依存症ってどんな病気?」という章があります。

そこでは「依存症の7つの特徴」が次のようにまとめられています。
スマープの内容は、アルコールと薬物の依存症が対象ではありますが
ギャンブル依存症にもかなりの部分が当てはまります。

① 一次性の病気です

② 慢性の病気です

③ 進行性の病気です

④ 死亡率の高い病気です

⑤ 性格が変化します

⑥ 依存対象が容易に他のものへと移行します

⑦ 人を巻き込む病気です

それぞれの説明まで書くと、またまた長くなりますので省略しますが
①の「アルコール・薬物依存症の原因は、アルコールや薬物を使った
ことにあるのであって、意志や性格ではありません。またトラウマや
ストレスがあっても、アルコールや薬物を使わなければ、アルコール・
薬物依存症にはなりません。これが「一次性」という言葉の意味です」
という項目は、これまで、あまり見かけなかった見解です。

そこで、今勉強しているクラフトと、このスマープで
どういう部分が、これまでの依存症治療から変化しているかというと
依存症の治療、あるいは支援の継続性

家族の回復
というところにより重点が置かれるようになっています。

これまではとにかく「止める」ことが重要とされていました。
もちろん「止める」ことは、基本中の基本ではあるのですが
そこだけが強調されると、特に依存症者の思考に陥った人は
「止めなければならない」という強いプレッシャーや
強いストレスに陥り、スリップすると「もうだめだ」と絶望します。

また「どうすれば止められるか」という止め方に
思考が捉われますから、止めたいという気持ちはあっても
とにかくギャンブルならギャンブルのことが常に頭から離れません。
「ギャンブルを止めるための○○」「ギャンブルをやる代わりの○○」
というように、実は常にギャンブルを中心とする考え方になっています。
ここが自分ひとりで止めようとする時の一番の難しさであり
だからこそ依存症からの回復を助ける仲間や援助者が必要なのです。

クラフトやスマープは、依存症の治療にあたる人たちの
臨床経験などをベースにした、新しい考え方が盛り込まれていますが
これは従来からある、依存症から回復するためのノウハウと歴史を持った
自助グループでのミーティングや
その基礎になる12ステップの考え方を否定するものでは、もちろんありません。
ですから、自助グループか、スマープか、あるいはクラフトか
といった二者択一でとらえるものではないと思います。

スマープの中では、アルコール依存症から回復するための
三本柱というのが紹介されています。

三本柱とは「抗酒剤」「通院」「自助グループ」です。

また回復するために必要なものとして
「信頼」「正直さ」「仲間」が挙げられています。
「薬物やアルコールを使いたい」あるいは「悪いと分かっているのに
使ってしまった」ことを正直に打ち明けられる
あるいは「自分の抱えている問題」を相談できる仲間や
援助者がいるのが、自助グループや
マックのような、依存症の相談機関です。

依存症は「止める」ことだけが重要なのではなく
「止め続ける」ことが、とても大切です。
社会の中で、あるいは日常生活の中で
ずっと薬物や、アルコールや、ギャンブルをやらず
そういう依存対象のことを考えずに
平穏で、しかも充実した一日を送れるようになれるかどうか。
依存せずに生きることのできる人生を送るためには
「治療と回復の継続」が一番大切なことなのです。

スマープや、家族であればクラフトのような
自分でできるセルフワークのプログラムにしろ
自助グループでのミーティングの参加にしろ
専門的な医療機関での治療にしろ
まずは「これはできそうだ」と思えるものに取り組んでみる。
一人でやってうまくいかなければ幾つかを組み合わせてみる。
依存症のことをよく知っている人に助けてもらう。

もとより結果がすぐに出るというものではありません。
やはり時間はかかります。

それでも、回復しよう、回復したいという気持ちを持ち続け
何らかの、回復するための努力を続けていけば
そこから回復の可能性は見えてくるものなのではないかと思えます。

 


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