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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

ささやかな生きがい

2015-09-07 15:17:22 | 社会・生活
ここへきてまた「本読みたい病」と「映画観たい病」が
重症化しています。

その理由の一つは、やはり頭の片隅に
何となく自分の残り時間という意識があるからだろうと思います。
もう一つはやはり伊藤計劃さんの影響です。
伊藤さんのおかげで、ずいぶん本や映画の趣味が変わりました。
黒沢清監督の「回路」とか、リドリー・スコット監督の
「ブレードランナー」とか、伊藤さんが高評価な映画で
私も大好きというものがあって、すごく嬉しかったです。

そして、もう一つは、家族が貸してくれた「ほんとねこ」
という漫画。作者はスズシロさんという書店員さんで
優しいダンナさんと2匹の猫ちゃんとの生活を
ブログの漫画に描いておられたのが、書籍化されたものです。
私の家族や知人はみんな、とにかく猫に関するものを
身近に置けば、私の免疫力がアップするだろうと
思っているふしがあって、猫グッズを送ってくれたり
猫の写真や、猫が出てくる本やらを持ってきてくれます。
本当にありがたいことです。

その書店員のスズシロさんが大の本好きで、映画好きで
ゲームも好きという方なんですけど
一度に何冊もの本を同時に読めるというつわものです。
こういう方は、本屋さんで働く適性があると思います。
私のように、本も映画も好き嫌いが激しく
もの凄く好みが偏っている人間は、本は好きでも本屋には向きません。
実は20代の頃に、一度本屋に就職しましたが、3ヶ月で辞めました。

そのスズシロさんの漫画「ほんとねこ」を読んでいて
心の底から「ああ、やっぱり本っていいよなぁ」と
改めて思ってしまったわけです。

家にテレビがなかった見返りに
物心ついた時から、映画と本はすぐ身近にありました。
そして映画や本の中には、自分と同じ感じ方、考え方をする人が
たくさんいました。実生活では、話しても理解してもらえないか
言ってもドン引きされそうな話も、本の中には幾らでもあります。
伊藤さんのブログの中に「文庫本だけが友だちの高校生なんて
そんなもの」という自嘲的な一節がありましたが
私もまさにその口だった一人です。

近年若者のコミュ障(コミュニケーション障害)とか
友だちがいない、自分の気持ちを正直に話せる人がいないというのは
よく聞く話ですが、実は本や映画の中には同類がいっぱいいます。
私にしても、自分の身近にいる人で、自分と趣味が一緒という人には
60年生きてきて、いまだかつて一人も出会ったことがないのですが
本や映画の中だったら結構見つかります。

最近映画のブロガーさんの記事を読むことが増えました。
アクション映画が大好きな方、特撮映画のマニアらしき方
中には私と同じ、ごくごく普通の主婦で
ホラー映画とゴア(残虐)描写のある映画が大好きという
すごくシンパシーを感じてしまうブロガーさんもおられます。
自分と趣味が同じでなくとも、読んでいるだけで楽しいです。

何よりも、あくまでも人に迷惑をかけない範囲で
自分の生きがいと思えるものを持つこと
心から楽しいと思える瞬間があること
それが長い目で見たら
生きていく上での理想であり幸せのように思えます。

やはり伊藤さんのブログに
「金曜日に胸開いて火曜日に退院。びっくりです。
痛くて横になることもできないのに。左腕で何かを
支えると悲鳴をあげたくなるのに。
というわけで家の布団に座り込んで、ひたすら「24」を
見ることにしました」
まさに鬼です。自分にこの真似ができるかなと思います。
まあそんなことをするのは馬鹿だと思う方も多いでしょうが
でも憧れます。

今後病状が変化して、治療やお薬の変更ということになるにしても
せめてぎりぎりまで本が読めるということが、唯一の願いです。
実は前の病院で最後に提示された注射のホルモン剤は
治療費が高額だったこともありますが
副作用に白内障があったのでスタコラ逃げました。
残り時間が限られているなら、せめて自分の好きなものたちと
幸せな時間を過ごしていきたいです。

というわけで注文していた「死神の浮力」が
アマゾンから到着しました。
秋の夜長はやっぱり読書が最高です。

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