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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

BSプレミアム「ドラッグってなんだ」(1)

2014-12-21 16:29:50 | 薬物依存症
昨日の昼、何気なくケーブルを見ていたら
NHKのBSの「関口宏のそもそも」という番組の再放送で「ドラッグってなんだ」という
テーマの話があっていた。別にチェックしていた番組でもなかったし
番組タイトルのイメージがわりと軽いノリということもあって
最初はただ何となく見ていた。

けれど実はものすごく内容が濃いことがわかって
途中からはメモと筆記用具を手に、大切なところをメモったが
それでも全体をカバーすることができず、できることなら
もう一回ていねいに見たいと思ったくらいだ。

番組で紹介されていたのは
 1 ドラッグの歴史
 2 アメリカでなぜドラッグがこれほど広がったか
 3 薬物依存症のメカニズム
 4 現在のアメリカなどの薬物の対策
 5 薬物依存症の治療とそのメカニズム
 6 ダルクの活動の紹介 など

まずドラッグの歴史はとても古く、古代エジプトにまでさかのぼり
そもそもは生薬の成分を病気の治療に用いるという目的のために
研究され、作りだされたものであるというところからして驚きだった。

つまりドラッグはもともとは科学者たちが、鎮痛や結核の治療薬として
阿片やコカなどの植物の成分を変化させて作りだしたもので
初期には万能薬として推奨されたものが
後にヘロインでは900万人、コカインでは1700万人の
依存症患者を生み出すことになった。

次にアメリカで急激にドラッグが広まったのは
ベトナム戦争が契機で、戦地へ派遣された若者たちが
日々死の恐怖に向かい合う極限状況の中で
その恐怖を忘れ気持ちを高揚させるために
日常的にマリファナや大麻などを用いた
それが戦争が終わった後も、大量の薬物依存症者を生み出す結果になった。

さらに現在アメリカで「最も危険なドラッグ」と言われる覚せい剤は
日本が発祥で、太平洋戦争以前から「ヒロポン」などの商品名で
一瞬で疲労が取れ、気分が高揚する手軽な強壮剤として
広く一般で用いられ普及していたという話には愕然とした。

これらのドラッグの中で、あるものは
人間の脳で分泌される脳内物質と化学構造がよく似ている。
動物としての人間の自然のメカニズムを無視して
人工的にそれを人体に注入することで
脳は取り返しのつかないダメージを受ける。
人間の脳の構造や機能は、まだ分かっていないことのほうが
圧倒的に多い。いや、もしかしたら永久に分らないかも知れない。
だから壊れても治療できる有効な方法がない。

このようにドラッグは、一度でも使用したら間違いなく依存症になるという意味で
もっとも危険で深刻なものなのだが
アルコールもギャンブルも、ネットでも、他の依存症でも最後には
脳はほぼ同じような状態になるから、その危険性は同じなのだと思う。

この番組も、一度で書ききれるような内容ではないので
続きは次に書きたいと思う。
しかし、どれだけ即効性があるとはいえ
取り返しのつかない多大な副作用が出現してから
その薬が実は危険なものだとわかるという経緯も
医療では用いられなくなった後も、大きな利益をもたらすものとして
水面下で違法に流通し、犠牲者、被害者を増やしていく現状も
すべての人間がそうだというつもりはないが
人間はやはりとても残酷で愚かな生き物だと思う。


番組の中で語られた「毒性のない万能薬はない」という言葉が
自分がガンという不治の病に向き合っている身としては
また少し違った意味合いで胸に落ちたのでもあった。






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