今回動機づけ面接法のセミナーに参加させていただいたこと
に関係して、ちょっと「おっ」と思える出来事がありました。
ダンナは、私がブログを書いていることや、ジャパンマックを支える会に
入会したこと、1回目のステップセミナーに参加したことは知っていますが
いつも無反応だし、このブログを読んだこともありません。
それが今回「動機づけ面接法」のセミナーに参加した日の夜
晩ご飯の時に、初めてダンナのほうから「今日、どうやった?」と
聞いてきたのです。
今回のセミナーは、どちらかというとカウンセラーさんなど
専門職の人を対象にしたお話だったので
どうと聞かれて一言で説明するのは難しくて
「うん、カウンセラーさんとか向けだったから難しかった」
というくらいしか答えられませんでした。
けれど「傾聴」の話をすると、ダンナは介護職なので
「ああ、それは高齢者の話を聞く時も言われるよ」とのこと。
認知症のお年寄りの話を頭ごなしに否定せず
傾聴しながらうまく誘導することが
お年寄りにパニックを起こさせないコツなのだそうです。
依存症が治せる病気ではないと分かってから
私は、自分がダンナをなんとかしようとは思わなくなりました。
ただかつての自分と同じように
今依存症の問題で、生きるか死ぬかの瀬戸際にいるような人
それは本人でも家族でもそうなのですが
そういう人たちに、相談できる場所があるということ
回復に向かえる方法や可能性があることを知ってもらいたい
ただその思いだけで、色々とやっています。
その私の思いを、ダンナも少しづつ理解してくれているのかなと
感じることができたやり取りでした。
そこで動機づけ面接法。
近年依存症だけでなく、様々な心の問題に対応する医療や教育の現場でも
注目されているカウンセリングの方法です。
原井宏明先生という先生が「情報公開」というご自身のサイトの
「薬物依存治療動機づけ」という項目で
より専門的で詳細な解説を公開してくださっています。
でも、これまたかなり難解です。
動機づけ面接の技術として重要なのは
1.開かれた質問 はい、いいえだけで答えるのではなく
クライアントに考えてもらい、自発的に話してもらう
2.認める・ほめる ほめられることでいい関係になる
自信ができて、気持ちが落ち着き
じっくり自由に考えられる余裕ができる
ほめてくれる人の提案は聞き入れやすい
3.反映的傾聴 クライアントの言葉を追いかけながら繰り返す
要点をまとめてくりかえす
4.要約する 要約することで面接を記憶にとどめる
5.チェンジトーク 自分が変わる話をする人は変わる
ただし言い聞かせるのではなく質問をし
自発的なチェンジトークを引き出す
当日は、出席者がふたり一組になっての実技の演習もありました。
私はど素人なので、もう何がなにやらで
特に3番目の「要点をまとめてくりかえす」などは
ほとんど相手の言葉をオウム返しするだけといった
とても情けない状態でしたが
幸い隣の、若いすてきな女性が専門職の方で
箸にも棒にもかからない私を上手にリードしてくださいました。
あとで聞いたところではなんと北海道から参加されたとのこと。
ぜっかく遠路はるばる来られたので
「ぜひ博多山笠を見ていってください」とお勧めしておきました。
依存の問題を抱える人から、自発的に自分の生き方を変えるような
チェンジトークを引き出し、さらにそれを実行にまで誘導することができる
ようなやり取りをするには、やはり十分な知識と経験が必要で
素人、まして家族がつけ刃でチャレンジしてうまくいくとは思えませんが
それでも学ぶところは多かったと思います。
対決や対立ではなく傾聴を
共感をもって 忠告や助言は短く
責任は本人に返す
自発的な思考や行動をうながす
こうした態度や考え方は、治療がどうこうという以前に、人間と人間が
向き合う上で、とても大切なことなのだなと改めて感じました。
昨今の衝撃的な事件の報道を見ると
人間の心というのは、本当に難しく計り知れないと思います。
ただ私は専門家ではないので軽率にはいえませんが、
今回の佐世保の事件は親の社会的な地位や経済状況
家庭環境や生育暦など
どれをとっても今の日本の同年代のこどもがいる
標準的な家庭の状況とはあまりにもかけ離れた
非常に特殊なケースのように感じます。
しかし感受性は強いけれども、心の面では成長の途中である青少年が
こういうインパクトの強い事件に影響される可能性は否定できません。
こういう事件を、親子の間で話題にするのは難しいと思いますが
それでも「寝た子を起こさない」的な、無視するような対応も
かといって、芸能ニュース的な、安直な憶測や結論に逃げる対応も
あまり良いことだとは思えません。
こういう機会に「人はなぜ人を殺してはいけないか」について
子どもさんがどう思っているのかを聞いてみることも必要だと感じます。
ただその場合には、親も親なりの答えを持っていることが大事だと思いますが
その自分の価値観を一方的に押し付ける、教え込もうとするのではなく
「自発的な思考や行動」の大切さという観点から言えば
親も子どもも自分の頭でいろいろ考えるということが大切なのだと思います。
私は「人は自分の力でもとに戻せない、取り返しがつかないことは
絶対にやってはいけない。だから殺人はだめだ」と思っていますが
「それでは戦争はどうなのか」とか、先日から話題になっている
集団的自衛権のように「自分が殺されそうになったら殺してもいいのか」とか
「人が殺されるようなTVや映画、あるいは小説やゲームなどを作ったり
見たりすることの是非、あるいはその意味」と
考え始めたらきりがありません。
私自身、そういう問いに明確に答えられるかといえば否です。
今の社会全体が、善悪の基準がとてもあいまいになってきていますから
「命の大切さ」というような抽象的なスローガンだけでは説得力がありません。
そんな中で、親もこうした社会のありように戸惑いながら
悩み考える一人の人間だということを子どもに知ってもらうには
ある意味貴重な機会ではあるのかもしれません。
また果てしなく話がそれてしまったように見えますが
良い方向に行くか、悪い方向にいくか(両価性)の選択に迷い、悩みながらも
自分の頭で考えて、自分の人生が望ましい方向にいくように
動機づけをして、それを実現できるような行動をすることが
動機づけ面接の大きな目標なので
この方法は、心の問題を解決するためだけではなく
人が生きていく上のあらゆる場面において、有効なのではないかと思います。
に関係して、ちょっと「おっ」と思える出来事がありました。
ダンナは、私がブログを書いていることや、ジャパンマックを支える会に
入会したこと、1回目のステップセミナーに参加したことは知っていますが
いつも無反応だし、このブログを読んだこともありません。
それが今回「動機づけ面接法」のセミナーに参加した日の夜
晩ご飯の時に、初めてダンナのほうから「今日、どうやった?」と
聞いてきたのです。
今回のセミナーは、どちらかというとカウンセラーさんなど
専門職の人を対象にしたお話だったので
どうと聞かれて一言で説明するのは難しくて
「うん、カウンセラーさんとか向けだったから難しかった」
というくらいしか答えられませんでした。
けれど「傾聴」の話をすると、ダンナは介護職なので
「ああ、それは高齢者の話を聞く時も言われるよ」とのこと。
認知症のお年寄りの話を頭ごなしに否定せず
傾聴しながらうまく誘導することが
お年寄りにパニックを起こさせないコツなのだそうです。
依存症が治せる病気ではないと分かってから
私は、自分がダンナをなんとかしようとは思わなくなりました。
ただかつての自分と同じように
今依存症の問題で、生きるか死ぬかの瀬戸際にいるような人
それは本人でも家族でもそうなのですが
そういう人たちに、相談できる場所があるということ
回復に向かえる方法や可能性があることを知ってもらいたい
ただその思いだけで、色々とやっています。
その私の思いを、ダンナも少しづつ理解してくれているのかなと
感じることができたやり取りでした。
そこで動機づけ面接法。
近年依存症だけでなく、様々な心の問題に対応する医療や教育の現場でも
注目されているカウンセリングの方法です。
原井宏明先生という先生が「情報公開」というご自身のサイトの
「薬物依存治療動機づけ」という項目で
より専門的で詳細な解説を公開してくださっています。
でも、これまたかなり難解です。
動機づけ面接の技術として重要なのは
1.開かれた質問 はい、いいえだけで答えるのではなく
クライアントに考えてもらい、自発的に話してもらう
2.認める・ほめる ほめられることでいい関係になる
自信ができて、気持ちが落ち着き
じっくり自由に考えられる余裕ができる
ほめてくれる人の提案は聞き入れやすい
3.反映的傾聴 クライアントの言葉を追いかけながら繰り返す
要点をまとめてくりかえす
4.要約する 要約することで面接を記憶にとどめる
5.チェンジトーク 自分が変わる話をする人は変わる
ただし言い聞かせるのではなく質問をし
自発的なチェンジトークを引き出す
当日は、出席者がふたり一組になっての実技の演習もありました。
私はど素人なので、もう何がなにやらで
特に3番目の「要点をまとめてくりかえす」などは
ほとんど相手の言葉をオウム返しするだけといった
とても情けない状態でしたが
幸い隣の、若いすてきな女性が専門職の方で
箸にも棒にもかからない私を上手にリードしてくださいました。
あとで聞いたところではなんと北海道から参加されたとのこと。
ぜっかく遠路はるばる来られたので
「ぜひ博多山笠を見ていってください」とお勧めしておきました。
依存の問題を抱える人から、自発的に自分の生き方を変えるような
チェンジトークを引き出し、さらにそれを実行にまで誘導することができる
ようなやり取りをするには、やはり十分な知識と経験が必要で
素人、まして家族がつけ刃でチャレンジしてうまくいくとは思えませんが
それでも学ぶところは多かったと思います。
対決や対立ではなく傾聴を
共感をもって 忠告や助言は短く
責任は本人に返す
自発的な思考や行動をうながす
こうした態度や考え方は、治療がどうこうという以前に、人間と人間が
向き合う上で、とても大切なことなのだなと改めて感じました。
昨今の衝撃的な事件の報道を見ると
人間の心というのは、本当に難しく計り知れないと思います。
ただ私は専門家ではないので軽率にはいえませんが、
今回の佐世保の事件は親の社会的な地位や経済状況
家庭環境や生育暦など
どれをとっても今の日本の同年代のこどもがいる
標準的な家庭の状況とはあまりにもかけ離れた
非常に特殊なケースのように感じます。
しかし感受性は強いけれども、心の面では成長の途中である青少年が
こういうインパクトの強い事件に影響される可能性は否定できません。
こういう事件を、親子の間で話題にするのは難しいと思いますが
それでも「寝た子を起こさない」的な、無視するような対応も
かといって、芸能ニュース的な、安直な憶測や結論に逃げる対応も
あまり良いことだとは思えません。
こういう機会に「人はなぜ人を殺してはいけないか」について
子どもさんがどう思っているのかを聞いてみることも必要だと感じます。
ただその場合には、親も親なりの答えを持っていることが大事だと思いますが
その自分の価値観を一方的に押し付ける、教え込もうとするのではなく
「自発的な思考や行動」の大切さという観点から言えば
親も子どもも自分の頭でいろいろ考えるということが大切なのだと思います。
私は「人は自分の力でもとに戻せない、取り返しがつかないことは
絶対にやってはいけない。だから殺人はだめだ」と思っていますが
「それでは戦争はどうなのか」とか、先日から話題になっている
集団的自衛権のように「自分が殺されそうになったら殺してもいいのか」とか
「人が殺されるようなTVや映画、あるいは小説やゲームなどを作ったり
見たりすることの是非、あるいはその意味」と
考え始めたらきりがありません。
私自身、そういう問いに明確に答えられるかといえば否です。
今の社会全体が、善悪の基準がとてもあいまいになってきていますから
「命の大切さ」というような抽象的なスローガンだけでは説得力がありません。
そんな中で、親もこうした社会のありように戸惑いながら
悩み考える一人の人間だということを子どもに知ってもらうには
ある意味貴重な機会ではあるのかもしれません。
また果てしなく話がそれてしまったように見えますが
良い方向に行くか、悪い方向にいくか(両価性)の選択に迷い、悩みながらも
自分の頭で考えて、自分の人生が望ましい方向にいくように
動機づけをして、それを実現できるような行動をすることが
動機づけ面接の大きな目標なので
この方法は、心の問題を解決するためだけではなく
人が生きていく上のあらゆる場面において、有効なのではないかと思います。
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