●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●全世界で既に130万人以上の人々が月のオーナーに?

2013-02-20 20:43:12 | 月の土地所有権
 不思議なことに月の土地は既に個人に対し販売されている。月の土地を販売しているのは、アメリカ人のデニス・ホープ氏(現アメリカルナエンバシー社CEO)で、日本では、ルナエンバシージャパン(東京都江東区新木場2-9-7)が代理店となり、2002年3月より本格的に販売が開始され、すでに約15万人がオーナーとなっているという。例えば、月の土地=定価:3,000円、ネット価格:2,700円(税・送料無料)といった具合である。ルナエンバシージャパンのホームページに月の土地の販売の経緯が次の通りに書かれているので紹介しよう。

 月の土地を販売しているのは、アメリカ人のデニス・ホープ氏(現アメリカルナエンバシー社CEO)。同氏は「月は誰のものか?」という疑問を持ち、法律を徹底的に調べました。すると、世界に宇宙に関する法律は1967年に発効した宇宙条約しかないことがわかりました。この宇宙条約では、国家が所有することを禁止しているが、個人が所有してはならないということは言及されていなかったのです。この盲点を突いて合法的に月を販売しようと考えた同氏は、1980年にサンフランシスコの行政機関に出頭し所有権の申し立てを行ったところ、正式にこの申し立ては受理されました。

 これを受けて同氏は、念のため月の権利宣言書を作成、国連、アメリカ合衆国政府、旧ソビエト連邦にこれを提出。この宣言書に対しての異議申し立て等が無かった為、LunarEmbassy.LLC(ルナ・エンバシー社:ネバダ州)を設立、月の土地を販売し、権利書を発行するという「地球圏外の不動産業」を開始しました。

 月の土地はアメリカルナエンバシー社が販売を行っているものです。既にアメリカでは、2人の元大統領を始め、ハリウッドの著名人やNASAの職員も購入しており、全世界でもすでに130万人以上の人々が月のオーナーとなってい ます。日本でも弊社が代理店となった2002年3月より本格的に販売が開始され、既に約15万人の方々がオーナーとなっています。あなたも是非一緒に楽しんで下さい。

 以上がルナエンバシージャパンのホームページに書かれている内容である。全世界で既に130万人以上の人々が月のオーナーとなっていうから驚きだ。今後、月に降り立つ月旅行が実現する時代が到来したら、果たしてどのようなことが起こるのであろうか。(勝 未来)
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●宇宙探査●産総研、月の表と裏の違いをもたらした超巨大衝突の痕跡発見

2013-02-20 20:11:31 | 月の誕生
  月は、常に地球に決まった面のみを見せている。さらに、我々が見ている表の地形と裏の地形が異なっている。これは過去に月に超巨大な隕石が衝突したからではないか、と言われていたが、産業技術総合研究所(産総研)は、月探査衛星「かぐや」のデータを解析し、月への超巨大衝突の痕跡を発見したと次の通り発表した。

 産総研は、月探査衛星「かぐや」が月表面を網羅する約7000万地点で取得した200億点以上の可視赤外線反射率スペクトルのデータをデータマイニング手法を用いて解析し、地球から見た月の表側と裏側の地形の違いの原因と考えられている月への超巨大衝突の痕跡を発見した。

 月には光の反射率が低くクレーターの少ない「海」と呼ばれる領域と、光の反射率が高くクレーターの多い「高地」と呼ばれる領域がある。「海」は地球に面した表側に多く、裏側にはほとんどない。また裏側は表側より標高が高く地殻が厚い。

 この月の表裏の「二分性」は、月の形成初期の超巨大衝突によって表側の「高地」を構成する地殻物質の多くが取り除かれたためではないかと考えられている。

 今回、可視赤外線反射率スペクトルデータに対して、クラス分類というデータマイニング手法を適用し、衝突溶融物に多く含まれる低カルシウム輝石の分布状況を調べた。その結果、月の表側にあるプロセラルム盆地に対応する直径3000 kmもの円状の分布を発見した。これは、超巨大衝突によって生成した衝突溶融物によるものと考えられ、月の形成初期の超巨大衝突を、初めて観測データによって裏付けることができた。

 月はその形成以来ずっと地球の近傍にあったため、月の誕生過程の解明は地球の初期形成史を知ることにもつながる。また、今回の解析手法を地球を周回する人工衛星データに適用することで、鉱物資源探査や環境モニタリングなどへの応用が期待できる。
 
 月の起源について、最も可能性が高いと考えられているのは、地球に巨大な天体が衝突し、そのとき生じた破片が集積して月になったとする巨大衝突説である。

 この説では、できたばかりの月の表面は融けた溶岩の海で覆われている。月の「高地」は、この溶岩の海が冷えて固まる際に浮上・集積してできた岩石で構成されている。一方、「海」は「高地」の形成後に内部から噴出した溶岩が窪地に溜まって形成されたと考えられている。

 暗い領域の「海」は月の表側に広く存在するが、裏側にはほとんど見られない。また過去の月探査から、表と裏では「海」と「高地」の比率だけでなく、地殻の厚さや放射性元素の分布もまったく異なることが明らかになっている。

 この表側と裏側の非対称性は月の「二分性」と呼ばれているが、その成因は明らかになっていない。過去に「表側で発生した巨大な天体衝突が高地の物質を吹き飛ばして、直径3000 kmもの巨大な衝突盆地(プロセラルム盆地)が形成され、その結果として二分性が生じた」という仮説が提案されていたものの、実際に衝突が起こったことを示す物質科学的な証拠は見つかっていなかった。
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●宇宙探査●月の土地や資源についての所有権は今のところ不明確のままだ

2013-02-20 17:29:43 | 月の土地所有権
 現在、各国は競って月探査計画を推進している。これは、表面上は学術調査という建前になっていても、本音は月に存在する資源の獲得競争にあるといっても過言でない。

 米国が1966年にアポロ11号で人類を月に送ったが、アポロ計画が終了すると人々の関心は急速に薄れてしまった。これは、当時、月には水もなく、資源の存在も不明だったからに他ならない。

 ところが、2009年に米NASAが月探査機からブースターを月に打ち込んだ結果を分析すると、月の一部にまとまった水があることが分かった。こうなると、人間が月で生活することも夢物語でなくなる。さらに、月には、核融合発電の燃料と期待されている「ヘリウム3」が存在することがわかっているほか、アルミニュウム、ウラン、チタンがどのくらい存在しているのかの調査が現在進んでいる。

 要するに、将来、月の資源を採取して地球に持ち帰るか、月工場で製造することの可能性がでてきたのである。

 そうなると、月の土地と資源の所有権は誰が持っているのか、という現実的な問題が浮上してくる。

 国連では将来を見据え、1966年に「宇宙条約」が採択された。これは、特定の国が宇宙空間や天体を所有することを禁じたもの。月については別途「月協定」が締結され、月やその天然資源は人類の共同財産とすることが定められ、1984年に発効されている。ところがこの「月協定」の加盟国は13か国に留まり、日本など有力な国は加盟してない。

 つまり、現在、月の土地や資源はもとより、月探査につての国際的なルールもなく、各国が独自に取り組んでいるのが現状となっている。

 こんな中、突然、米NASAが「アポロ計画での着陸地点を『歴史的遺産』として立ち入り禁止地区とすることを検討している」というニュースが飛び込んできた。米NASAでは「法的拘束力はない」としているが、もしこれが実行されると、今後、各国はこぞって月面に降り立った土地を歴史的遺産だと主張して、実質自国の領土としかねない。

 例え、「宇宙条約」や「月協定」が存在していても、ある特定の国が月のある領域を占拠し、自国の領土だと主張すると、実効支配ということで、実質的にその国の領土になりかねない。

 これは、かつて地球上で繰り広げられた大航海時代の自国の領土拡張政策と寸分違わないとも言えよう。

 早急に国連で、1966年に採択された「宇宙条約」の再確認と、1984年に発効された「月協定」への主要国の参加を実現しないと、将来、領土拡張のための宇宙戦争が本当に起こってしまうかもしれないのだ。(勝 未来)
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