「宇宙エレベーター」をご存じであろうか。静止衛星から地球の方向に向けて、カーボンナノチューブのケーブルを延ばし、地球まで繋ぐ。そのケーブルにエレベーターを固定し、人や物資を静止衛星へ運ぶ。こんな夢のようなシステムなのである。その夢を現実にするため、既に宇宙エレベーター協会が発足しており、具体化に向けてのチャレンジがスタートしている。ここでは同協会の資料から宇宙エレベーターの概要を見てみよう。
宇 宙エレベーターの原理は、静止衛星と同様である。静止衛星から地上に向けてテザー(ワイヤーやリボン状の紐)をたらし、このテザーをどんどん伸ばして地上 に近づけていく。ただ、そのままだとテザーの重さで全体の重心が地球に近くなってきて落ちてきてしまうので、地球と反対側にもテザーを伸ばしてい くことにする。いつも全体の重心が上手く釣り合うように両方に伸ばし続けると、最後には地球に伸ばしたテザーは地上に届く。
1991年に日本のNECの飯島博士がカーボンナノチューブ(CNT)を発見したことで、宇 宙エレベーターの実現の可能性が出てきた。CNTは理論上、宇宙エレベーターを 建設するのに必要な軽さと強さを持っているからだ。強度のあるCNTの量産は、現在、世界中の研究機関で研究されており、今後、引っ張り強度の高いテザーの材料を作り出 すことは可能だ。
現在のロケットはその重量のほとんどが燃料である。打上げ前のスペースシャトルが29tの貨物を低軌道に打ち上げるのに用いる燃料は1,900t、その効率 は1.5%ほど。輸送コストは低軌道に1キロ170万円ほどとなり、日本のH2Aの場合では貨物1キロあたり105万円といわれている。
一説によると最初の宇宙エレベーターの 建設に必要なコストは1兆円と言われている。宇宙エレベーターのモデルでは、モーターを使って上昇する ことになっているので、ロケット燃料等の準備が不要で、20tほどの貨物を頻繁に上昇させることが可能。仮に年間50回ほどの上昇が行えたとすると、1 キロあたり1万円、年間100回だと5,000円と、ファーストクラスで一人が太平洋を横断するのと同じくらいになってくる。2機目、3機目、4機目という具合に建設 コストを削減すると、どこかで頭打ちになるとしても、1キロあたり約1,000円程度まで下がってくる可能性がある。
以上が宇宙エレベーター協会が描くシナリオの概要である。宇宙エレベーターによって静止衛星まで行き、静止衛星から月を目指す、というような時代が将来到来するのであろうか。興味深いチャレンジではある。
宇 宙エレベーターの原理は、静止衛星と同様である。静止衛星から地上に向けてテザー(ワイヤーやリボン状の紐)をたらし、このテザーをどんどん伸ばして地上 に近づけていく。ただ、そのままだとテザーの重さで全体の重心が地球に近くなってきて落ちてきてしまうので、地球と反対側にもテザーを伸ばしてい くことにする。いつも全体の重心が上手く釣り合うように両方に伸ばし続けると、最後には地球に伸ばしたテザーは地上に届く。
1991年に日本のNECの飯島博士がカーボンナノチューブ(CNT)を発見したことで、宇 宙エレベーターの実現の可能性が出てきた。CNTは理論上、宇宙エレベーターを 建設するのに必要な軽さと強さを持っているからだ。強度のあるCNTの量産は、現在、世界中の研究機関で研究されており、今後、引っ張り強度の高いテザーの材料を作り出 すことは可能だ。
現在のロケットはその重量のほとんどが燃料である。打上げ前のスペースシャトルが29tの貨物を低軌道に打ち上げるのに用いる燃料は1,900t、その効率 は1.5%ほど。輸送コストは低軌道に1キロ170万円ほどとなり、日本のH2Aの場合では貨物1キロあたり105万円といわれている。
一説によると最初の宇宙エレベーターの 建設に必要なコストは1兆円と言われている。宇宙エレベーターのモデルでは、モーターを使って上昇する ことになっているので、ロケット燃料等の準備が不要で、20tほどの貨物を頻繁に上昇させることが可能。仮に年間50回ほどの上昇が行えたとすると、1 キロあたり1万円、年間100回だと5,000円と、ファーストクラスで一人が太平洋を横断するのと同じくらいになってくる。2機目、3機目、4機目という具合に建設 コストを削減すると、どこかで頭打ちになるとしても、1キロあたり約1,000円程度まで下がってくる可能性がある。
以上が宇宙エレベーター協会が描くシナリオの概要である。宇宙エレベーターによって静止衛星まで行き、静止衛星から月を目指す、というような時代が将来到来するのであろうか。興味深いチャレンジではある。