国立天文台、東京大学、総合研究大学院大学などの研究者と大学院生からなる研究グループは、すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC)を用いた観測で、約120億光年かなたの宇宙に、銀河団の祖先「原始銀河団」を200個近く発見した。
これは従来の10倍もの発見数。これらの原始銀河団の質量を測定した結果は、その後成長して現在の銀河団になるという仮説とうまく一致する。
さらに、これらの原始銀河団領域中にはクェーサーがほとんど存在しないことから、銀河同士の合体がクェーサー活動を引き起こすという従来の仮説に大きな疑問を呈する結果も得られた。
今回、HSCによって得られた大規模なサンプルを用いることで、遠方宇宙においても原始銀河団の特徴を初めて統計的に明らかにすることができた。