宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、研究を進める月面でのモビリティ「有人与圧ローバ」の実現に向けて、JAXA、およびタカラトミー、ソニーグループ、同志社大学の4者の共同開発による変形型月面ロボットを用いて、アイスペース(ispace)が実施予定の月着陸ミッションを活用した月面でのデータ取得を行うことを決定した。
月面でのデータ取得は、変形型月面ロボット1機をispaceの月着陸船により月面に輸送し(2022年打上げ予定)、月面を走行させてレゴリスの挙動や月面での画像データ等を月着陸船経由で地上に送信する。
取得したデータを用いて、有人与圧ローバの自己位置推定アルゴリズムの評価や走行性能へのレゴリスの影響評価等に反映する予定。
変形型月面ロボットは、JAXA宇宙探査イノベーションハブの研究提案公募(RFP)の枠組みの下、2016年よりJAXAおよびタカラトミーが筐体の共同研究を開始し、その後、2019年にソニーが、2021年に同志社大学が加わり、4者で共同開発を進めているもの。
タカラトミーおよび同志社大学の有する筐体の小型化技術、ソニーの有する制御技術、そしてJAXAの有する宇宙環境下での開発技術・知見を活かした、過酷な月面環境で稼働可能な超小型・超軽量の自走型ロボット。月面到着後に走行用の形状に変形することにより、月着陸船搭載時の容積を小さくできる特徴があり、今後の月面探査ミッションで活躍することが期待されている。