●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●JAXA、小惑星「リュウグウ」帰還試料の分析結果を公表

2022-01-07 10:02:22 | 宇宙探査機

 「はやぶさ2」により帰還した「リュウグウ」試料の初期記載に関する宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究論文が、イギリスのオンラインジャーナル「Nature Astronomy」誌にに掲載された。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2020年12月に小惑星探査機「はやぶさ2」によりC型地球近傍小惑星「リュウグウ」の表層2箇所から計5.4gの試料を持ち帰った。

 始原的な隕石を分析することから、地球を生命惑星とした太陽系形成期のプロセスを理解する努力がなされてきた。また、C型小惑星は、炭素に富む小天体であることが望遠鏡観測から推定され、始原的な隕石の母天体であると考えられてきたが、これまで物的証拠はなかった。
 
 持ち帰られた試料のサイズ・重量・可視/近赤外反射スペクトル分析を進めた結果、帰還試料は現地での撮像観測から知ることができた小惑星全体の特徴を反映しており、水・有機物に富む始原的な特徴を持つことが明らかになった。

 既知の隕石と比較すると、最も太陽の組成と近い始原的な隕石と似ているが、より暗く、比重が小さいという特徴を持つことが分かった。「はやぶさ2」は、その由来が明快であり、かつ、太陽系初期の情報を雄弁にもたらす試料を帰還させたと言うことができよう。

 2021年6月に開始された初期分析では、より詳細な分析が行われており、試料が太陽系形成論を進展させる潜在能力がより明らかになることが期待される。

 初期記載の結果をまとめると、帰還したリュウグウ試料はリュウグウ表層試料の代表的な試料であり、可視・近赤外スペクトルの特徴や顕微鏡観察の結果から高温包有物が見られない点などから既知の隕石ではCIコンドライトに最も似ているが、密度が小さいこと、反射率が低い点では異なっていることが明らかになった。今後、引き続いて行われるより詳細な分析、すなわち、初期分析・2次キュレーション分析、公募分析に対して参照となる情報を提供することが出来た。この初期記載成果は今後の国内外のサンプルリターンミッションに対しても、キュレーションとして初期にどこまでしなければいけないのかということについての標準とすべき、好例となった。<宇宙航空研究開発機構(JAXA)>


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ●宇宙探査●国際宇宙ステーシ... | トップ | ●宇宙探査<新刊情報>●「宇... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

宇宙探査機」カテゴリの最新記事