宇宙航空研究開発機構(JAXA)、量子科学技術研究開発機構、早稲田大学の研究グループは、月面の縦孔地形を利用することで宇宙放射線による被ばく線量が月表面の10%以下となり、地上における職業被ばくの基準値以下にまで低減できることをシミュレーションにより明らかにした。
同究グループでは、将来の月面有人滞在を見据え、日本の月周回衛星「かぐや」(SELENE)によって発見された縦孔地形を放射線防護空間として利用することに着目した。
火成活動により作られる溶岩洞のような地下空間へと繋がる可能性が高い縦孔は、直径・深さ共に数十メートルに及ぶ。
溶岩洞は宇宙放射線の遮蔽に有用であることは知られていたが、その現実的な入り口となる縦孔の放射線環境についてはこれまで十分には知られていなかった。
同研究では最新の放射線科学研究に基づく数値シミュレーションによって月表面と縦孔内の放射線環境を調査し、それらを比較することで縦孔による放射線防護効果を評価した。
その結果、月表面では年間約420mSvと地球上に比べて200倍も過酷な環境だが、縦孔によって被ばく量は月表面の10%以下(年間約19~24mSv縦孔底面)まで低減され、地上における職業被ばく基準値(5年間で100mSv)以下の放射線環境が得られる可能性が高いことを明らかにした。
同成果は、有人月探査や将来の恒久的な月有人滞在に向けて、新たに遮蔽材を持ち込むことなく、月に安全な放射線防護空間を確保できることを示した重要な知見。(宇宙航空研究開発機構<JAXA>)
同究グループでは、将来の月面有人滞在を見据え、日本の月周回衛星「かぐや」(SELENE)によって発見された縦孔地形を放射線防護空間として利用することに着目した。
火成活動により作られる溶岩洞のような地下空間へと繋がる可能性が高い縦孔は、直径・深さ共に数十メートルに及ぶ。
溶岩洞は宇宙放射線の遮蔽に有用であることは知られていたが、その現実的な入り口となる縦孔の放射線環境についてはこれまで十分には知られていなかった。
同研究では最新の放射線科学研究に基づく数値シミュレーションによって月表面と縦孔内の放射線環境を調査し、それらを比較することで縦孔による放射線防護効果を評価した。
その結果、月表面では年間約420mSvと地球上に比べて200倍も過酷な環境だが、縦孔によって被ばく量は月表面の10%以下(年間約19~24mSv縦孔底面)まで低減され、地上における職業被ばく基準値(5年間で100mSv)以下の放射線環境が得られる可能性が高いことを明らかにした。
同成果は、有人月探査や将来の恒久的な月有人滞在に向けて、新たに遮蔽材を持ち込むことなく、月に安全な放射線防護空間を確保できることを示した重要な知見。(宇宙航空研究開発機構<JAXA>)