●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●月はどのようにしてつくられたのであろうか?

2013-04-10 14:35:27 | 月の誕生
 月はどのようにしてつくられたのであろうか。これまでいろいろな説が立てられてきたが、現在までのところ、①分裂説(親子説)②双子説(兄弟説)③捕獲説(他人説)④巨大衝突説(ジャイアントインパクト説)―の4つの説が有力な説と言われており、中でも最近になって提唱された巨大衝突説が最も注目を集めている。(資料:「人類の夢を育む天体『月』―月探査機かぐやの成果に立ちて―」(長谷部信行・桜井邦朋編/恒星社厚生閣刊)

 ①分裂説(親子説)=1880年に提唱された説で、高速回転する地球の外側部分(マントル部分)が、遠心力によって、分裂して月をつくったとする説。このような分裂を起こすには、地球-月系の現在の2倍の角速度が必要となる。

 ②双子説(兄弟説)=地球と月とがほぼ同じ場所で連星形成のように同時に形成・成長したとする説。この場合、月は地球と同程度の金属核を持ち、月を大規模に溶融させた熱源の説明が難しい。

 ③捕獲説(他人説)=たまたま地球軌道近くを通りかかった月が、地球の重力によって捕獲されたとする説。この説は、地球に接近してきた月の運動エネルギーを失う根拠、月が地球と同じ酸素同位体組成を持つ理由などの説明が付き難い。

 ④巨大衝突説(ジャイアントインパクト説)=地球に火星質量(地球質量の1/10程度)の天体が斜めに衝突し、衝突天体のマントル物質が地球周辺にばらまかれ、円盤を形成し、この円盤が集積して月が出来たとする説。この説は、これまでの3つの説に較べ説得力はあるが、月の公転面が地球の公転面に対して水平になるような衝突角度は低確率という問題点も併せ持つ。
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