チェロのCDを買って耳をならそうと、演奏者も良く知らないから中古でいいやと中古屋さんに言ったけれどもう一枚買うと200円引きということで、タンゴを一つ選びました。
棚をみているとピアソラでギドン・クレーメルの名前があるのでこれにしました。
ギドン・クレメールのバイオリンを含め8人の楽器と歌手2人とナレーションにコーラスでオペラ形式の対策でした。
オペラは苦手なので参ったなと思いました。
台本の作者であるオラシオ・フェレールが小悪魔としてナレーションをする曲は
今、その時となった今、イヌホウズキのざわめきが
おまえの沈黙のなかに夜をおくるとき、このアスファルトの毛穴から
おれはおまえの声を呼び寄せよう。その時になった今。
なんてはじまりますからこれは参った、CD2枚全16場です。
ロートレアモンの詩を読んでいるようです。
で長いので細かく書くことはしません。クレメールを聞こうと思って買ったCDでしたが、クレメールもちろん弾いていますが、クレメールも楽団の1人として存在しているという感じ。
この歌劇が作られた1960年代のブエノスアイレスの暗部と反発がそのまま、フェレールの詩とピアソラの楽曲で表わされて、それをそのまま1997年と98年、クレーメルが表現しているという感じで圧巻です。
アルゼンチン政府文化庁の後援でできているこのアルバム、ピアソラファンであれば一度は聴いておきたいアルバムでした。クレーメルがピアソラの最高傑作と言うのも、その激情の雰囲気からもわかるような気もします。(好みは別の問題)
美しさと言うよりは、このジャケのような感じといえば少し伝わるでしょうか。
私は16場の“受胎告知のミロンガ”が聞いたことのあるような感じでこれは好みです。
Maria de Buenos Aires
ディスク:1
1. 第1部 第1場 アレバーレ(合図)
2. 第1部 第2場 マリアのテーマ
3. 第1部 第3a場 おかしなオルガニートへのゆがんだバラード
4. 第1部 第3b場 わたしはマリア
5. 第1部 第4場 少女マリアによるカリエーゴ調のミロンガ
6. 第1部 第5場 フーガと神秘
7. 第1部 第6場 ワルツによる詩
8. 第1部 第7場 罪深いトッカータ
9. 第1部 第8場 下水道の古い盗賊たちの場末の懺悔の歌
ディスク:2
1. 第2部 第9場 マリアの最初の死による葬儀のコントラミロンガ
2. 第2部 第10場 暁のタンガータ
3. 第2部 第11場 街路樹と煙突に寄せる手紙
4. 第2部 第12場 精神分析医たちのマリア
5. 第2部 第13場 詩人で酔った小悪魔のロマンサ
6. 第2部 第14場 アレグロ タンガービレ
7. 第2部 第15場 受胎告知のミロンガ
8. 第2部 第16場 タングス デイ(神のタンゴ)
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