JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

ホーム・タウンがあることを知る Highway Rider / Brad Mehldau 

2010-03-27 22:14:15 | 聞いてますCDいいと思う


幾人かのミュージシャン(結構いるな)の新譜がとても気になります。
コンテンポラリーなジャズ・ピアノに革新を続けるブラッド・メルドーはその一人で、ジョン・ブライオンとのコラボレーションによる、全曲オリジナルの作品がでました。室内管弦楽団をバックにジョシュア・レッドマンがラインを作るという注目作です。
アルバムはゆったりとした感じで始り、即興のソロの連続というよりは、良くアレンジされた連作のようです。
2曲目、いかにもメルドーの曲という感じで、振り返る昨日があり、足元を見つめる今日があり、まだ開かれない明日があるというような演奏で、曲名はすべてメルドーのホームページに書かれている散文詩の一節になっています。
アルバムに人生を全て映すことは不可能でしょうが、そんなちょっと辛気臭さとHightway Riderというアメリカらしさの兼ね合いがこのアルバムではないでしょうか。
JAZZとして聴くより、POPの流れとして聴いていると凄くいいねというような聞き方です。
4曲目“Highway Rider ”ちょっと沈んだピアノが美しく、とてもジャズ的な演奏、トリオはメルドートリオでしっかりした人たちが、このようなことをするととても美しい形の演奏になるのです。
ジョン・ブライオンとのコラボは2002年の「ラルゴ」に引き続いてですが、この年月で歩いたメルドーの距離を感じて、私はこちらの方がずっとあっています。
このアルバムを聴いていて思い出したのが、フランク・シナトラがPOPSのBOB GAUDIOとJAKE HOLMESの曲を歌った「Watertown」というアルバムです。こちらもアメリカのホーム・タウンでの人生を歌ったトータルアルバム、町を出て行くもの、そして帰る所あることを、アメリカ人は強く意識するようです。
メルドーの2枚組み2枚目は演奏がジャズ感まして、3曲目ジョシュアが吟遊詩人みたいにメロディを綴ります。4曲目はバラードのドラミングに、目を見張ります。
でもこのアルバムの狙いは細かいテクニックではないですよね。
思い浮かんだシナトラのアルバム「ウォーター・タウン」のジャケットはこのようなものです。
このタウンから人生をはじめて又帰ってくるのです。




LPのジャケットにはこんな写真があり、まるでダイアリーなのです。



メルドーのアルバムからは離れてしまいましたが、帰ることが出きるホーム・タウンを持っているのですね。

Highway Rider / Brad Mehldau 

Brad Mehldau(P,Pump Organ,Syn,Orchestral Bells)
Joshua Redman(Ts,Ss)Disc One2,5,7 Disc Two1,2,3,5,8
Larry Grenadier(B)
Jeff Ballard(Ds,Per)Disc One1,2,5 Disc Two1,2,4,6,8
Matt Chamberlain(Ds,Per)Disc One2,3,4 Disc Two1,2,3,8
Orchestra(Dan Coleman,Conductor )
Rec. February 16-28, May 12-19, 2009, CA (Nonesuch 518655)

Disc 1
1 John Boy
2 Don't Be Sad
3 At the Tollbooth
4 Highway Rider
5 The Falcon Will Fly Again
6 Now You Must Climb Alone
Disc 2
7 Walking the Peak
8 We'll Cross the River Together
9 Capriccio
10 Sky Turning Grey (For Elliott Smith)
11 Into the City
12 Old West
13 Come with Me
14 Always Departing
15 Always Returning

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7 コメント

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なるほど。。 (すずっく)
2010-03-28 18:23:18
ホームタウンですか。
心のよりどころと、かんがえると、メルドー的には興味深いです。

わたしは、気に入ってます。最近ストレートに熱いアルバムで盛り上がったんで、タイミングよかったこともあるかなあ。
嵌りましたか (monaka)
2010-03-29 18:43:57
スズックさん、こんにちはmonakaです。
メルドーのアルバム実はJAZZをしっかりしているのが好きですが、変わったアルバムつくりましたね。
捕らえ方はおおむね良好ですが、長い目でみてJAZZとしては残らないかも知れませんね。
前向きな音楽 (すずっく)
2010-04-04 19:48:45
こんばんは。
とらばありがとでした。
昨日は、実家で、今日は高速飛ばして、富山です。
立山は綺麗だけど、桜はまだつぼみです。

このアルバムは清くただしいジャズファンだけでなく、好みがすごく分かれるかもしれませんね。
でも、なんだか面白かったなあ。
とらばとどきますよーに!
いろいろあって (monaka)
2010-04-04 21:28:22
スズックさん、3月に続いて4月のはじめも忙しいですね。
私もとりたくないような仕事がでもとらなければいけないのが確定せず、いらいらしている毎日です。
このアルバム、音楽を聴いていく中でめぐり会う変わったポジションにあるもので、それも楽しいのですね。
TBさせていただきます (910)
2010-04-18 15:45:06
ジャズからは大きくはみ出してしまいましたが、個人的にはこれぞ「ブラッド・メルドー」の音楽である、というようなアルバムを出してくれた気がしています。

ただ、こういう大作をだしてしまうと、次はどこへ行ってしまうんだろうという不安もあったりしますが。まあ、彼のことでしょうから、期待は裏切らないと思いますけれど。
どこで残るのでしょう (monaka)
2010-04-18 20:41:13
910さん、こんにちは、monakaです。
音楽的にどこに入れたらいいのか、どこで残るのか疑問のアルバムですね。えてしてこの手のアルバムは時間と伴に忘れられること多いですね。
それも仕方ない、この後はしっかりとしたピアノ・トリオでしょう。
TBありがとうございました。
TBさせて頂きます。 (中年音楽狂)
2010-04-22 00:30:47
monakaさん,こんばんは。

このアルバムは評価するのに,非常に時間が掛ってしまいました。これはMehldauの作編曲家としての一面が強く打ち出されているため,インプロヴァイザーとしてのMehldau,あるいはJoshuaはかなり控えめにうつるというのが私の解釈です。

まぁ正しいかどうかは別にして,ライブでの演奏ぶりを見てみたいですね。

TBさせて頂きます。

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