ユリ・ケインは何をやるかわからないピアニストでこの前は古いNYの歩道を歩いているようなアルバムを聴いた。
新しい録音のアルバムが出ているのは知っていたけれど、ダウンロードだけでまわっていてショップでもあわないので聞きたいと思っていました。
「SONIC BOOM」なんていうタイトルだからエレピなんかをひいたアルバムだと勝手に想像していた。
ネットでみるとCDも登場していたので注文、これが2011年のライブの模様でした。
1曲目、出だしで完全に勘違いしていたことが解りました。
Han Benninkとのデュオ、この人もとにかく恐ろしい人でその通り叩いているのです。
2曲目マイナー調のフリーからガンガンとピアノを叩いて続けて3曲め、ブルース調はメロディラインが出来ています。
4曲目良く知る“Round Midnight”を程よく破壊して進行、リズムにのるユリのピアノ技巧が伝わる展開です。
この後もフリーから後半にラグだったり、スウィングだったりの雰囲気をとりいれての演奏で、通して“ Round Midnight”がベースになったフリーインプロヴィゼーションではなかったかと思います。
ユリ・ケインのbedrockというバンドを想定したのが大違いでしたが、流石に怪物と言ってもいい2人、結局最後まで面白く聞いてしまいました。
おまけになりますが、先日のお墓参りのまさに墓地に咲いていた曼珠沙華です。
並べてみると似た感じ、じゃないか。
SONIC BOOM / URI CAINE HAN BENNINK
Drums, Artwork– Han Bennink
Piano– Uri Caine
recorded live at the Bimhuis in Amsterdam 2011.
1. Sonic Boom
2. Grind of Blue
3. Hobo
4. Round Midnight
5. As I Was
6. Furious Urious
7. Upscale
8. True Love
9. Lockdown
今回はフリーの領域の表現ですけど、単なるドシャメシャに終わってなくて、表現幅も広いので、なかなか興味深く聴けました。これならドラムスとのデュオでも会場はわくなあ、と思います。
このドラムが特別個性的な人ですからデュオになったらこうなるのでしょうね。
決して悪くないけれどメロディアスなユリを聞きたいと思っています。