JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

やっと秋の入り口が見つかった Juste Avant / Jean-Pierre Mas

2010-10-17 16:50:07 | 聞いてますCDおすすめ


中古屋さんで何も解らずに拾って、ビックリするアルバムに行き会うことがあります。
“紅を引いて”という題で記事にしたのは4年も前でした。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20061213

新しいアルバムを気にしていたら、やっと会うことが出来たという感じで届きました。
驚いたことにフランスの超ベテランRomanoおじさんとBenita兄さんをしたがえたピアノトリオ、2曲だけテナーが参加です。

最近音楽を聴くコンディションが悪いので、このアルバム随分前から聞いているのにいまいち心に届きませんでした。
本当に久しぶりのお休みという感じの日、ゆっくりと聴き始めました。
全てMasの曲で、この人は曲とアレンジで前回は驚かされた人です。

1曲目ピアノの音が落ち着いて、つむぐメロディがMasからあふれ出てくるのを感じたのはやっと今日、バックの安定したリズムに乗ってキャンバスにスケッチを描いているようです。
2曲目が表題作でクラシカルな響き、ちょっとアレクサンドロ・ガラティの鳴らし方ににた響き、そういえば曲調もにている、何て素敵な曲なのに、それが解るのに今日までかかってしまいました。
派手さなどまるで関係なく素直に音楽が流れるのが大人なのかもしれません。
3曲目でテナーが入りますが、ちょっとM・ターナー調でかるくはないけど角がとれた落ち着いたフレージングです。
4曲目も曲調は似た感じで、RomanoもBenitaも歳を感じさせないフレッシュさ、で青臭さはもちろんない安定感、これって結構聴きどころかもしれません。
6曲目のテナーも今まで物足りないかなと思っていましたが、抑えた柔らかさがこれMasの希望をしっかり入った芯のある演奏です。
7曲目、新しいことに挑戦したというアルバムではありませんが、それでは4ビートのスタンダードをただ演奏するというのとはまるで違う、Masの大好きな音楽を演っているというのが正解でないでしょうか。
8曲目はちょっとアヴァンで始まって、それがこれも程美しく変わっているのかという曲。
10曲目もガラティに似ていて、そこでイタリアとフランスが微妙に別れているような面白い感じです。
12曲目、しっとりと今まできがつかなっかた冷気みたいなキリッとしたものがやさしさの中に感じて、このアルバムをゆっくり聴いてよかった、良さを見落とすところでした。

中国に何度も行って、そちらはやはり暑いし、季節を感じるような間合いも取れなかった中、このアルバムをゆっくり聴いて急に気がついたのです。
アタフタと走り回っていたウサギが、気がつけば、手に持っていたものの中に不思議の国への入り口カードがあったというような、秋の入り口カードを見つけました。
ここのところ、空港だとか、機中だとか、滞在先のホテルなんかで記事してきましたから、久しぶりに日曜の午後を我が家のパソコンの前、このアルバムを聴きながらこれを書いていること、とても感謝しています。
(やっとアルバムの記事を書くことが出来ました。)


Juste Avant / Jean-Pierre Mas

Jean-Pierre Mas(p)
Michel Benita(b except 2)
Aldo Romano(ds except 2)
Eric Seva(ts on 3,6)

01.Trop De Silence
02.Juste Avant
03.Evidanse
04.Stella by Artois
05.Round About
06.L'espace D'un Cillement
07.Cuando Tu Duermes
08.Le Lapin De Lune
09.Ballade a Hauterives
10.Rouge Sable
11.Soleil Voile
12.A Pleurer
コメント (2)
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