いつもお読み下さりありがとうございます。
今まで野菜の力について、抗酸化力、免疫力の面から書きました。
今回は、解毒力について書いていきます。
解毒・・最近ではデトックスともいいますね。
もともと提唱されたのは1960~1970年代のアメリカと言われています。
誰のためかというと、戦争で使用した化学兵器の影響を受けた兵士たちのためだったそうな。
そのうち、兵士たちだけではなく、一般人の中にも毒物の影響があることが発覚し、各界にて毒抜きが広まったとのこと。
【定義】
体の中の毒素を捕まえて、外に排出すること
体に溜めこんでしまった有害物質や毒素を解毒・排出し、それぞれの体が本来持つ力を取り戻し、
身体の機能が正常になり、新陳代謝も上げることで、健康な体は美しい肌を取り戻す
【体内へのルート】
1)食べ物・・・食物連鎖によって濃縮されたもの(特に魚介類)が更に大型魚に濃縮→人間
食品添加物や残留農薬→人間 アスパムテールは特に情緒障害などを引き起こす危険な物質です。
2)呼吸・・・・・私たちは1日に15,000リットルの空気を体の中に取り込んでいます。
絨毯の接着剤や衣類の防虫剤、排気ガスなどなど。
水生生物における放射性物質の挙動について(独立行政法人 水産総合研究センター)
http://www.fra.affrc.go.jp/eq/Nuclear_accident_effects/digest.pdf
コウナゴやシラスなどのセシウム含有率はどんどん低下していますが、茨城、福島沖のヒラメなどの低魚類の汚染度は変わりません。
非常に見易いPDFなので是非リンクもご覧下さい。
【毒素の要因例】
水銀・・・・・・・・まぐろ、かじきなどの大型魚や深海魚、歯の詰め物、予防接種のワクチン
うつ状態、皮膚炎、眠気、しびれ、情緒不安定
鉛 ・・・・・・・・・水道水、缶詰、たばこ、ガソリン
貧血、不安感、めまい、骨や筋肉の痛み、頭痛
アルミニウム・・調理器具、アルミ缶、アルミホイル、歯磨き粉
食欲不振、息切れ、筋肉痛、けいれん、胃腸障害
カドミウム・・・・排気ガス、喫煙
脱毛、貧血、食欲不振、疲労、血圧上昇、神経過敏
ヒ素・・・・・・・・・残留農薬(殺虫剤、除草剤)
疲労、手足の灼熱感、胃腸障害
ダイオキシン・・ゴミ焼却炉、化学工場の排煙
生殖障害、肝機能障害、癌
アセトアルデヒド・建築材、塗料、OA機器、衣類の防虫剤
シックハウス症候群、子宮内膜症
そしてこれらを出すためにやはり食べ物が重要になってきます。
出したいものを3つに分けて出し方を説明します。
1)重金属(水銀・鉛・カドミウム・ヒ素)
これらは代謝酵素の働きを鈍らせ、便秘・むくみ・肥満のほか、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関係
肝臓・腎臓なぞの臓器、骨に蓄積。
ヒ素は体内の殆どの組織に蓄積。
血中や腸で毒素を捕まえて出す。
※GABA(ガンマアミノ酪酸)は重金属を取ります。→発芽玄米(これは別途説明します)
また、繊維は重金属を腸から排出するので体内に吸収させない。
覚えておいて頂きたいのは毒を血中で捕まえるのはケルセチンというもので、玉ねぎやにんにくに多く含まれています。
毒を捕まえるケルセチン(を多く含む野菜を順番に)
玉ねぎ ケール ホウレン草 青ねぎ 青じそ ブロッコリー
(全部、無農薬で安全な土地のものに限る)
2)化学物質(ダイオキシン)
分解されにくく、生殖障害、肝機能障害、癌などを発生させる
脂肪に溶け込んで肝臓や皮下脂肪に蓄積される。一旦蓄積されるとなかなか排出されない。
腸で毒素を捕まえて便で出す。
※くっつけて出すクロロフィルと覚えておきましょう。
小松菜 ホウレン草 青じそ ケール ピーマン ブロッコリー 玉ねぎ
3)化学物質(アセトアルデヒドなど)
頭痛、めまい、目や喉の痛みといった『シックハウス症候群』の原因や子宮内膜症との関連も指摘されている。
肝臓で代謝され、汗・尿・便と共に体外へ排出されるが、弱っていると代謝力が低下するため、解毒力を上げる必要がある。
※黒にんにく、ブロッコリー、アスパラ
解毒に際して腸が大事なのがおわかり頂けたでしょうか?
小腸では栄養素を吸収するのですが、これが汚れていると有害物質も出せなくなります。
だから腸をきれいにし、そして善玉菌にも活躍してもらえるように明るく過ごすことも大切です。
また、人体は本当に努力をしており、化学物質の体内での動きについては下記のような順番があります。
吸収 → 分布 → 代謝 → 排泄
1)吸収 化学物質が体内に入る
2)分布 体中に散らばる
3)代謝 毒の強いものから弱いものに変化させる
4)排泄 体外に放出
ここで3)の代謝以降が大切だとおわかり頂けることと思います。
毒性物質の代謝については、2段階あり、最初は肝臓での分子の変形で、次に食べ物によって摂取される酵素によって水溶化され、排泄に至るのです。
そこで、毒物を代謝させる野菜をご紹介します。
アブラナ科とユリ科に分かれます。
アブラナ科 大根・キャベツ・ブロッコリー・白菜・カブ・チンゲン菜
ユリ科 白ネギ・玉ねぎ・にんにく
この中で最も解毒作用が強いものはブロッコリーです。これに含まれるスルフォラファンという物質が無毒化の働きがあります。
尚、焼き魚に大根おろしをかけるのは、大抵皮にお焦げ(酸化物質)が出来る焼き魚の酸化を無害化するからなのです。
昔の人は合理的でした。
免疫力を上げる野菜について書きます。
一般に淡色野菜には繊維などのほかはあまり栄養がないと言われてきました。
でも、やはり白い野菜には白い野菜なりのすごいパワーがあったのです。
簡単にいってしまうと、レタスは体内の悪い細胞をみつけてやっつける力が野菜の中ではNO1なのです。
その前に、免疫系のおさらいを。
免疫というのは白血球の中のマクロファージ、顆粒球、リンパ球の働きのことをいいます。
【図 血液と免疫】
体内にウィルスの侵入などの問題があった場合に、まず最初にマクロファージと顆粒球がかけつけて、ストップをかけます。
※高速道路の事故現場に救急車がかけつけるイメージをしてみてください。
つまり免疫系が速くウィルスなどにかけつけるには、血液がサラサラであることが重要(血液はこのマクロファージと顆粒球の通り道)になります。そこで、日頃から活性酸素を除去したり、脂肪細胞が溜まらないようにしたりすることもいざという時の道を広く開けておく為には大切になってきます。
私たちの体のすごいところは、事故現場にかけつける指示を脳(司令部)からではなく、現場から消防署へ連絡するシステムが出来上がっているということです。
つまり、問題発生現場から直ちに近くの消防署へ連絡がいくのですが、この連絡係りをサイトカインといいます。いわゆる情報伝達物質です。
サイトカインにはいろんな働きがあり、細かく見るとその種類は多数あります。
つまり、事故処理にどれだけの応援が必要か判断するチームであったり、消火器を運ぶ働きだったり、延焼を食い止める働きだったり、現場に必要なだけその数もある、といった感じです。
その中で2つ、特筆すべきものを免疫系の野菜との関連でお知らせできます。
ひとつは、抗癌剤などの後で免疫力を高める薬を免疫増強剤というのですが、これとほぼ同じくらいの量のサイトカインを有する食物があるのです。
バナナ。
バナナの働きは、白血球の働きを非常に高めるのです。
日頃から食べておきたいものですね。
バナナの次がスイカ、パイナップル、ブドウ、ナシ、カキの順。カキはバナナの半分の力です。
もうひとつは、悪い細胞を見つけた際、相手をやっつける働きのある野菜。
これが、レタスなのです。
ちなみに2位は白菜。
3位は小松菜、4位がブロッコリーです。
レタスはダントツ1位です。
炒めても効果は変わらないので、火を使ってこの時期には積極的に多く摂りたい野菜です。
更に老化抑制、鎮静・催眠作用もあるのです。
そんなレタスの力について書いていきます。
そもそもレタスは今の形が原型ではありません。
まずはコチラをご覧下さい。
葉の部分を拡大しました。
これはちしゃといいます。
とても青々とした香りの強い葉っぱです。
勿論、茎も食べることができます。
これがレタスの原種なのです。
これを同じ種類で香りの強い順に並べてみました。
2つずつ並べたところ
4つ並べたもののうち、原種のちしゃの隣にあるのがサンチュです。
お隣の国の葉っぱですね。
それから多くの世代が「レタス」と呼ぶレタス。
次いで新しく出てきたばかりの改良品種。
新しい品種になるにつれて大きくなりますが、香りが薄くなっています。
日本人はこの原種に手を加えて段々上部のみを大きく、そして芸術的なまでに丸くしました。
【レタスの旬について】
今やレタスは一年中スーパーやデパート、八百屋などでレタスが並んでいますが、
本来の旬は4~6月と11月頃です。
但し長野のレタスは“高原レタス”と呼ばれ、夏に旬を迎えます。
主に6月~9月の夏場に出荷されます。
【主な効用】
レタスは、全体の95%が水分ですが、
βカロチン、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、
鉄分、食物繊維などの栄養素をまんべんなく含んでいます。
●高血圧の予防・改善
●骨粗しょう症の予防
●貧血の予防・改善
●不眠症の改善
また、ビタミンEの“抗酸化作用”から
細胞の老化防止・動脈硬化予防の働きも。
つまり、肌を若々しく保つように働きます。
また、レタスをたくさん食べると眠くなると言われますが、
ラクチュコピコリンというポリフェノールの一種が含まれているからです。
これは軽い“鎮静・催眠効果”があるため、
不眠症の改善やストレス緩和に有効に作用します。
※睡眠薬のような効果はありません。
【調理と組み合わせのコツ】
ビタミンEが豊富な豆類やナッツ、
食物繊維たっぷりの海藻やきのこ等の組み合わせで、
本来レタスの持つ栄養価を、更にパワーアップさせることができます。
また、βカロチンやビタミンCの多い緑黄色野菜と組み合わせると、
抗酸化作用が高まります!!
炒め物やスープにすると甘みが増し
かさもグッと減るので、たくさんの量を食べることができます。
【生活の知恵】
レタスのビタミンは収穫後ドンドン低下し、冷蔵庫に入れておいても、ビタミンCは、約1週間で収穫時の半分以下になってしまいます。
そこでやはり買ったら出来るだけ早く食べ切ることが大切です。
また、レタスは、鉄に触れると切り口が変色したり、苦みが増してしまいます。
出来るだけ食べる直前に、洗ってから手でちぎって食べましょう。
※ちぎってから洗うとビタミンCが逃げ出してしまいます。