石破新内閣が発足 野党各党は対決姿勢強める
自民党の石破総裁は10月1日、第102代の総理大臣に選出され、夜に石破内閣が正式に発足しました。
論戦を経て今月9日に衆議院を解散し、27日に投開票を行う日程で衆議院選挙を行う方針です。
これに対し野党側は予算委員会も含めて十分な論戦を行うよう反発していて、与野党の対決色が強まっています。
野党各党の10月1日の動きをお伝えしています。
立民 野田代表「衆院解散は『臭いものにふた』 議論を 」
立憲民主党の野田代表は、記者団に対し「石破総理大臣にはリスペクトの念を持ってきたので『おめでとう』とエールを送るのが礼儀だと思っていたが、『ルールを守る自民党』と言いながら、自分が言ってきたことを守っていない。
議論から逃げてしまうことに深い失望を覚えている」と述べました。
そのうえで「内閣の助言と承認に基づく天皇の国事行為を定めた憲法7条による解散について、フライングで発言したことは憲法上の疑義もあるのではないか。
憲法を軽視し、無視する行為に出ること自体、信じられない。
国民の政治への信頼を取り戻すための臨時国会にしなくてはならず、政治改革を議論せず、衆議院を解散することは、『臭いものにふたをする』としか思えない。
議論しようと言い続ける」と述べました。
維新 馬場代表「一度も議論せず解散『敵前逃亡内閣』」
日本維新の会の馬場代表は、記者会見で「内閣の顔ぶれはそろったが、一度も議論をしないまま解散するとなると、戦う前から逃げる『敵前逃亡内閣』がぴったりの名称だ。
総理大臣に選出される前から、衆議院の解散時期を明言したのは言語道断だ。
石破総理大臣が言ってきたことが簡単にひっくり返るのではないか」と述べました。
その上で、衆議院選挙に向けた野党間の連携について「事実上、非常に厳しい。ただ、自民党がなし崩し的に『裏金議員』を公認すれば国民の怒りは集中する。
そういう選挙区で野党を一本化するために、新たに名乗りを挙げた人が出た場合、ほかの党が『立てない協力』をすることを考える余地はある」と述べました。
共産 田村委員長「争点や『裏金』を隠し 論戦から逃げている」
共産党の田村委員長は、記者団に対し「石破総理大臣は、自身で予算委員会の開催について発言しておきながら、手のひら返しで会期を9日間とした。
争点や『裏金』を隠すもので、論戦から逃げている。
私たちとの議論を回避している姿をあらわにしていると言わざるを得ない」と述べました。
そのうえで「石破総理大臣は『アジア版NATO』を掲げており、軍事突出内閣になるのではないか。
軍事同盟強化の先に平和はない」と述べました。
また、収支報告書に不記載があった自民党議員の小選挙区で野党側が候補者を一本化する可能性について「次の衆議院選挙は『軍事突出内閣』と正面から対決するものにしなければならず、安保法制の廃止や集団的自衛権の行使容認の閣議決定の撤回などが共闘の原点だ。
一本化は困難ではあるが、地域の事情を踏まえた対応になる」と述べました。
国民 玉木代表「『議論から逃げる内閣』極めて残念」
国民民主党の玉木代表は記者団に対し「早速、議論から逃げる内閣になっていて極めて残念だ。
議論をしっかりするのが石破総理大臣の持ち味だと思うが、それを避けたら『あんこの入っていないまんじゅう』で大切なものが抜けてしまっている。
しっかりと国会で議論してもらいたいし、われわれも堂々たる論戦を挑んでいきたい」と述べました。
その上で衆議院選挙に向けた野党間の連携について「立憲民主党の野田代表から、われわれに一切話がないので、どのような考えで、どの選挙区を調整すると言っているのか、丁寧に話を聞かないとわからない」と述べました。
れいわ 山本代表「総裁選で言ったことを もう手のひら返し」
れいわ新選組の山本代表はNHKの番組のインタビューで「総裁選挙で言ったことを、もう手のひら返ししてしまっている。
国民にきちんとわかるようにしてから選挙に臨むというようなことを言っていたが、残念ながらさっさと選挙を行うことになった。
旧統一教会の問題や『裏金』に関しても、選挙が終われば『みそぎは済んだ』という話にされるのは間違いない」と述べました。
その上で「臨時国会では二重の災害で苦しんでいる能登半島の皆さんに向けた補正予算案を成立させることをしっかり求めていく。
衆議院選挙に向けては、私たちは衆議院で3議席を持っているが、それを倍以上にしていく」と述べました。
社民 福島党首「『うそつき内閣』を打倒する」
社民党の福島党首は記者会見で「石破総理大臣は、しっかり議論してどういう内閣なのかを示すべきだ。
総裁選挙が終わってすぐ間髪入れずに衆議院選挙を行うのはおかしく、今まで言っていたことと、今やっていることが全く違う『うそつき内閣』だ。
石破総理大臣が言っていたことを、どんどん変えていくのであれば本当に何も信用できなくなる。
『うそつき内閣』を打倒するために頑張っていく」と述べました。
れいわ 大石共同代表 壇上で“裏金隠しの解散やめろ”の紙掲げる
1日の衆議院本会議では、総理大臣指名選挙の投票にあたり、れいわ新選組の大石共同代表が壇上で「能登の補正予算を」とか「裏金隠しの解散やめろ」と書かれた紙を掲げました。
これについて額賀衆議院議長は「物品を掲げる行為は禁止です。
降壇してください」などと求めましたが、大石氏は従わず、額賀議長が衛視に降壇させるよう命じました。
大石氏は衛視に抱えられながら壇上から降ろされ、その後、投票を行いました。
本会議のあと、大石氏は記者団に対し「石破総裁が総理大臣に指名される前に、事実上、衆議院の解散を表明したことは国会軽視だ。
国会の中で少数政党が取りうるあらがいであり、意思表明を行った」と述べました。
「日本のために全身全霊で」石破新内閣きょう発足…第102代総理大臣に選出 初入閣は13人 新内閣発足後、早々に選挙戦へ
自民党の石破総裁は、1日午後、国会で第102代首相に指名され、新しい内閣を発足させます。
石破総裁は、首相就任を受けて9日に衆議院を解散し、27日投開票の日程で衆議院選挙を行う方針です。
国会では午後、衆参両院の本会議で首相指名選挙が行われ、石破総裁が第102代首相に指名されます。
石破総裁は、直ちに組閣作業に着手し、皇居での認証式を経て、新内閣が発足します。
新内閣発足を前に石破総裁は、「国民に正面から向き合い誠心誠意語る、逃げないで実行する内閣にする」と話しました。
新内閣は、自民党総裁選で戦った林官房長官が続投、加藤元官房長官は財務相に起用されます。
女性閣僚は、子ども政策担当相として初入閣する三原じゅん子氏、文科相の阿部俊子氏など2人。
また、初入閣は、環境相の浅尾慶一郎氏、経済安全保障担当相の城内実氏、デジタル相の平将明氏など13人となります。
子ども政策相に内定・三原じゅん子氏:
(Q.お気持ちを一言)ごめんね、まだ決まってない。
環境相に内定・浅尾慶一郎氏:
しっかりと頑張っていきたい。ご支援いただいた皆さまに、心から感謝を申し上げたい。
石破総裁は9月30日の会見で、衆議院選挙を「27日投開票」の日程で行う方針を表明しました。
9日に衆議院を解散する方針で、新内閣は発足早々、選挙戦に突入することになります。