ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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クレア&リーズンズ@丸の内コットンクラブ

2010-08-25 18:45:46 | ルーツ・ロック
CLARE AND THE REASONS / LIVE IN AMSTERDAM

8月19日、丸の内コットンクラブにてクレア&ザ・リーズンズ。私が観たのはこの日の 2ndショー。

早めに行ったのでかなり早い整理番号をゲット。一番前でも観れるぐらいでしたが、ちょっと見上げる感じになりそうだったので、中央の前から4列目辺りの席に着きました。目の前のステージには、クレア&ザ・リーズンらしく、幻想的に木の枝のような飾り付けが施されています。そして開演予定時刻を少し過ぎた頃、メンバーがステージに登場。

1曲目は最新作「ARROW」から「You Got Time」。エレクトロニカなループに乗せてクレアのウィスパー・ヴォイスがしっとりと響きます。クレアは首からウォッシュボードを提げてる。そして徐々にメンバーの奏でる音が重なっていく。それがコットンクラブの空気に静かに浸透していく感じ。生で聴くクレアの歌声はCDで聴く以上に繊細且つトロトロで、不思議に広がるアンサンブルと相まって1曲目からもううっとりでした。

さて、コットンクラブのサイトに掲載されているプロフィールを拝借しますと、今回の編成はこんな感じ。

Clare Muldaur Manchon(g,vo,kazoo,whistle,per)
Olivier Manchon(g,vo,vln,per,b,hrn)
Bob Hart(g,vo,per,b,key,cl)
Jon Cottle(g,vo,per,b,key,vc)

名前を見ても分かります通り、Olivier Manchonはクレアの旦那様。Bob Hartは前回の来日にも来ていたメンバー。Jon Cottleは新メンバーですかね? で、なにはともあれこの担当楽器の多彩さ! クレアは1曲目はウォッシュボードでしたが、他の曲ではギターを弾きながらフットペダルでタンバリンを叩いたり。主にキーボードを弾くBob Hartも足では小さなバスドラを叩いてましたし、Jon Cottleもギターにベースにチェロにと芸達者。さらにOlivier Manchonに至っては、一体いくつの楽器を使ったのか見当もつかない程。だからと言ってガチャガチャした感じにはならず、あくまでも幻想的な静けさを持った室内楽な雰囲気なのですから、さすがにオルタナティブ “チェンバー” ポップ楽団と評されるだけのことはあります。

続いて最新作から「All the Wine」。前作に比べて最新作「ARROW」ってビートルズっぽいなと思っていたんですけど、この曲もそんな1曲。メロディーがポール・マッカートニーっぽいんですよね。クレアのトロけるような歌声がまた良いんですよ!続いて「Rodi」。この曲ではベースを弾いていたOlivier Manchonが間奏になると片手で鉄琴、もう片方の手で縦笛を吹くと言う離れ業を。続く「Ooh You Hurt Me So」はJon Cottleの弾くビートルズっぽいエレキ・ギターが良いアクセントになってましたね。この辺のポップ・センスもクレア&リーズンズの面白いところ。

そしてこの日のハイライトは「Our Team Is Grand」でしょうね。スリリングな曲展開を流れるように進む美しい曲なんですが、ライヴですとその展開にもう少しメリハリがつくので、まるでミニオペラのような雰囲気に。特にOlivier Manchonのヴァイオリンが曲の場面場面を見事に彩っていましたね。クレアのファルセットがかった柔らかい歌声にも引き込まれました。そして最後はメンバー全員でカズーの合奏。う~ん、素晴らしい!!

私の大好きな「Pluto」も素敵でした。まずはエレクトリックでスペイシーな味付けが施されたスロー・テンポの「Pluton」から始まり、少しテンポを上げて「Pluto」へ。これはまさに極上でしたね。この曲は良い曲ですよね~。生で聴くとまた格別。クレアの美声に包み込まれるかのようでした。

本編最後はたしか「You Getting Me」だったかな?他にも何曲か演ったと思いますが、もう記憶の彼方です。すいません…。「Wake Up (You Sleepy Head) 」なんかも演ってたかも?あとOlivier Manchonがバンジョーを弾いた曲もありましたね~。そしてアンコールは「Love Can Be A Crime」。これはもう絶品でした!!クレアの歌が!! 前作「THE MOVIE」収録のスロー・ナンバーですが、クレア&リーズンズ特有の可愛らしさと静けさとポップさに溢れていて、生で聴くとこれがまた素晴らしいのなんの! ただただ聴き入ってしまいました。そしてラストは「That's All 」。最新作の中でも特に印象的な曲ですね。ここではOlivier Manchonが小型のチューバ? 何て言うんですかね? フレンチホルンですか?よく分かりませんけど、とにかくチェンバー”・ポップ楽団の面目躍如なアンサンブルでした。

それにしても、やはり流石はジェフ・マルダーの娘さんですよね~。オールド・タイムな感性を独特のセンスでワン&オンリーな世界に纏め上げています。楽曲も秀逸ですし、シンガーとしてももちろん魅力的。そして何よりもバンドとして醸す空気感が良いですね。今後の活躍にますます期待がかかります。

今回はコットンクラブの「Live & Martini」という、ミュージック・チャージ無料(テーブル・チャージ1,000円+飲食代)のイベントだったため、正味60分という短いライヴでしたが、このお値段でこの内容なら大満足です! 終演後にはサイン会もありましたし。私も本人持ち込みのレアなライヴ盤「LIVE IN AMSTERDAM」(写真)があったので、購入してサインを頂きました。相変わらず「サンキュー」しか言えない私ですが、バンドの皆さん、気さくな良い方達でした。


*写真はサインを頂いた「LIVE IN AMSTERDAM」。2010年6月25日アムステルダムでのライヴを収めたもののようです。最近のライヴなので、収録曲も私が観たものと似ています。「You Got Time」「Ooh You Hurt Me So」「Our Team Is Grand」「Pluton/Pluto」「That's All」「Love Can Be A Crime」など、印象的だった曲はだいたい収録されているので嬉しいです。しかもヴァン・ダイク・パークスとの共演による「He Needs Me」というスペシャルな曲も入ってたり。この曲がまた良いんですよ! クレアのロリータ・ヴォイスに絡むヴァン・ダイクのピアノが! しかもクレア&リーズンズは9月からヴァン・ダイクと北米をツアーするみたいですし。羨ましい~。


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