ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

デリック・ホッジ@ブルーノート東京

2014-01-13 21:41:26 | ジャズ
1月11日、ブルーノート東京にてデリック・ホッジのライヴを観てまいりました。私が観たのはこの日の1stショー。

新時代のジャズを鳴らす男ロバート・グラスパーのバンド、エクスペリメントのメンバーであり、ジル・スコット、マックスウェル、テレンス・ブランチャード、モス・デフ、コモン等と共演を重ねる、その界隈における現在最重要ベーシスト、デリック・ホッジ。

近年、ロバート・グラスパー・エクスペリメントのメンバーとして来日を重ねる彼ですが、今回は自身のバンドを率いて登場。しかも昨年、初ソロ作「LIVE TODAY」を発表し、益々注目を浴びる最中での来日公演です。

「The Real」で始まった彼らのステージ。ベース、ドラムス、トランペット、そして2セットのキーボードが織りなす新感覚のジャズ・サウンド。いやジャズと言うより最新鋭のブラック・ミュージックと行った方が良いのでしょうか? やはりベースが格好良い!どっしりとボトムを支えつつ、鋭角的な切り口で楽曲をリードしていくその低音ラインは、まるで音楽の動脈のようでした。そしてドラムスのマーク・コレンバーグ。彼も現在エクスペリメントのメンバーとして活躍している注目株。デリックとのコンビネーションはもちろん、リズムの刻み方やスネアの入れ方など独特のタイム感でヒップなグルーヴを叩き出します。

この2人のリズム・セクションを全面に出しつつ、話題のトランペット奏者キーヨン・ハロルドがアーバン且つクールな音色を与え、2人のキーボード奏者がジャジー・ソウルな彩を加える。彼ら5人によるバンド・サウンドは、まるでアルバム「LIVE TODAY」で聴かせるクリエイティヴな世界観を、よりタイトなライヴ・ミュージックとしてアップデートしたかのよう。続く「Boro March」はハード且つエクスペリメンタルな曲展開が圧巻。あくまでもクールでありながら躍動的なその音空間。創造力豊かなベース・ラインがリードするそのサウンドは、まさにヒップホップ世代の黒人ジャズが生んだある種のベース・ミュージックと言えるかもしれません。

で、何故かデリックは開始早々から靴を脱いでいましたね。(靴下は履いていましたけど)。いつもそういうスタイルなんでしょうか?そしてリズムを感じるように身体を揺らしながら、ベースを弾く姿も印象的。決して激しくはないのですが、その動きからも彼独特のグルーヴを感じさせるよう。そして曲によって5弦ベースと4弦ベースを弾き分けていました。それにしてもあのベース! 良い音してましたね~。太い芯のある音色が腹に響いて気持ち良かったです。

前半はファンキーな曲で攻めてきましたが、後半はメロディアスでアンビエントな曲中心。浮遊感のあるトランペットとキーボードの音色、そして低音から高音を行き来するデリックのベース・ラインに酔いしれる。繊細なメロディーの隙間からリズム・セクションの先鋭的な感覚が見え隠れし、そのコントラストに脳をチクチクと刺激されるよう。デリックのベース・ソロも味わい深かったですし、「Message Of Hope」でのマークのドラムスがまた格好良かった!

アンコール含めておよそ1時間半弱。なんだか脳がリセットされた気分でした。あ~、今度ロバート・グラスパーが来たら見逃さないようにしよう。




コメントを投稿