THE DEREK TRUCKS BAND / SONGLINES
11月27日、恵比寿のリキッドルームにてデレク・トラックス・バンドのライブを観てまいりました。やっぱりデレク・トラックスは凄かった! とにかくデレクのスライド捌きに目が釘付けでした。なにしろとんでもない速さとキレでネックの上をビュンビュンと滑らせます。そして適格にフレットを捕らえ独創的なフレーズを次々に繰り出す、まさに神業。愛器SGが鳴らす音色がまた良い!
そして多種多様な音楽スタイルを飲み込み消化したバンド・サウンドがデレクの神業を後押しします。ヨンリコ・スコット(ds)、トッド・スモーリー(b)、コフィ・バーブリッジ(key)、カウント・ムブトゥ(per)、そしてフロントを務めるマイク・マティソン(vo)。彼のソウルフルで暖かい歌声がデレクの強烈なギターと対を成すように芳醇な世界を作り上げていました。
さて、ほぼ定刻にスタートしたそのステージはスリーピー・ジョン・エスティス~タジ・マハールの「Leavin' Trunk」から始まりました。いきなり渋すぎる選曲ですが、考えてみればこの曲のタジ・マハール・ヴァージョンでギターを弾くのはジェシ・エド・デイヴィスとライ・クーダーですから、 スライド・ギタリストとして二人の先輩スライド・マスターへのリスペクトを込めた粋な選曲かもしれませんね。
そして「Soul Serenade」や最新作「SONGLINES」からの「I'd Rather Be Blind, Crippled and Crazy」でデレク・トラックス・バンドの世界へ引き込み、続くは早くも「Key to The Highway」。ビッグ・ビルやジャズ・ジラムと言うより、デレク&ドミノスのカヴァーと言ってしまった方が良いかもしれません。間違いなく前半のハイライト。観客も盛り上がりましたし、デレクのスライド・ギターもまるで火を吹くかのごとくでした。続いてアラン・トゥーサンの「Get Out of My Life, Woman」。これは意外な選曲。トゥーサンというよりアルバート・キングかな?
さて、デレク・トラックスはステージ中央の少し後ろに下がった辺りが定位置で、ギター・ソロだからといって特別前へ出て来たりとか、観客にアピールしたりとかは一切しません。それがまた彼の魅力でもあるのですが、そんな佇まいに少々物足りなさを覚え始めた頃、ステージ前方に2脚の椅子が用意されました。
ヴォーカルのマイク・マティソンとデレク・トラックスがそこへ腰掛けると一気に観客との距離が縮まった雰囲気。ここでデレクはギターをドブロとかナショナルとか、そんな感じのオールドなギターにチェンジ。このコーナーでは笑顔をこぼしながら親密な雰囲気でブルース・ナンバーが立て続けに5曲披露されました。ライブで観たときは直ぐにはピンとこない曲も多かったのですが、帰宅後色々なブログを拝見して判明したその5曲は以下の通りのようです。
1. Preachin' Blues
2. Soul of a Man
3. Get What You Deserve
4. 44 Blues
5. Done Got Over
どうですか?この渋さ。1.はサン・ハウス、2.はブラインド・ウィリー・ジョンソンですよ! オリジナルの泥臭さとアクの強さに比べれば、端正すぎる演奏でしたが、オーガニックなジャム・バンド的雰囲気で和みました。そしてギターをストラト系にチェンジしての3.ですが、これは誰の曲でしょうか? ローリン・アンド・タンブリン的なブギ調のナンバーでノリノリでした。4.は元々はルーズベルト・サイクスで知られるバレルハウス・ピアノ・ブルースの古典ですね。コフィの選曲かな? 5.はギター・スリム? ちょっと違った気もしましたけど…。前半の「Get Out of My Life, Woman」と言い案外ニューオーリンズが好きなんですかね?
この後はいよいよコンサートも終盤。ワルツ的なリズムが刺激的な「I Know」。そして愛嬌たっぷりのカウント・ムブトゥのパーカッジョン・ソロ。さらにコフィのフルートが聴けた「Mahjoun」を挟んでアグレッシヴなジャズ・アレンジが秀逸な「Greensleeves」へ。この辺りはジャム・バンドの面目躍如なスリリングなプレイの応酬。そして本編ラストは待ってましたの「Anyday」! デレク&ドミノスの名曲ですね。デュアン・オールマンの後継者としてだけではなく、エリック・クラプトンに認められた男としての付加価値まで付いたジャストな選曲。これは盛り上がりました!
アンコールは「Gonna Move」と「Freddie's Dead」。最後はカーティス・メイフィールドで締めました。1時間40分程度でしたでしょうか。ちょっと短い気もしましたが、十分堪能させていただきました。フロアではさらなるアンコールを望むお客さん達が相当粘っていましたが、残念ながらそれはかないませんでした。
いやはやそれにしても渋い選曲。オリジナル曲はほとんど演らずブルースのカヴァーが目立ちました。しかも他の日のライブではそれぞれで大幅に曲目を変えてるようで、マニアは全て見に行かなくては始まらないし終われない感じかも。
*既に記憶が曖昧なので、曲目等間違っていましたらごめんなさい。
*写真は現在の最新作「SONGLINES」。素晴らしい作品ですが、この日のライブではほとんど演奏されませんでした。このアルバムを必死に予習していた私の立場は…。DVD「SONGLINES LIVE」がカップリングされたお得なセットも発売されてるようです。
11月27日、恵比寿のリキッドルームにてデレク・トラックス・バンドのライブを観てまいりました。やっぱりデレク・トラックスは凄かった! とにかくデレクのスライド捌きに目が釘付けでした。なにしろとんでもない速さとキレでネックの上をビュンビュンと滑らせます。そして適格にフレットを捕らえ独創的なフレーズを次々に繰り出す、まさに神業。愛器SGが鳴らす音色がまた良い!
そして多種多様な音楽スタイルを飲み込み消化したバンド・サウンドがデレクの神業を後押しします。ヨンリコ・スコット(ds)、トッド・スモーリー(b)、コフィ・バーブリッジ(key)、カウント・ムブトゥ(per)、そしてフロントを務めるマイク・マティソン(vo)。彼のソウルフルで暖かい歌声がデレクの強烈なギターと対を成すように芳醇な世界を作り上げていました。
さて、ほぼ定刻にスタートしたそのステージはスリーピー・ジョン・エスティス~タジ・マハールの「Leavin' Trunk」から始まりました。いきなり渋すぎる選曲ですが、考えてみればこの曲のタジ・マハール・ヴァージョンでギターを弾くのはジェシ・エド・デイヴィスとライ・クーダーですから、 スライド・ギタリストとして二人の先輩スライド・マスターへのリスペクトを込めた粋な選曲かもしれませんね。
そして「Soul Serenade」や最新作「SONGLINES」からの「I'd Rather Be Blind, Crippled and Crazy」でデレク・トラックス・バンドの世界へ引き込み、続くは早くも「Key to The Highway」。ビッグ・ビルやジャズ・ジラムと言うより、デレク&ドミノスのカヴァーと言ってしまった方が良いかもしれません。間違いなく前半のハイライト。観客も盛り上がりましたし、デレクのスライド・ギターもまるで火を吹くかのごとくでした。続いてアラン・トゥーサンの「Get Out of My Life, Woman」。これは意外な選曲。トゥーサンというよりアルバート・キングかな?
さて、デレク・トラックスはステージ中央の少し後ろに下がった辺りが定位置で、ギター・ソロだからといって特別前へ出て来たりとか、観客にアピールしたりとかは一切しません。それがまた彼の魅力でもあるのですが、そんな佇まいに少々物足りなさを覚え始めた頃、ステージ前方に2脚の椅子が用意されました。
ヴォーカルのマイク・マティソンとデレク・トラックスがそこへ腰掛けると一気に観客との距離が縮まった雰囲気。ここでデレクはギターをドブロとかナショナルとか、そんな感じのオールドなギターにチェンジ。このコーナーでは笑顔をこぼしながら親密な雰囲気でブルース・ナンバーが立て続けに5曲披露されました。ライブで観たときは直ぐにはピンとこない曲も多かったのですが、帰宅後色々なブログを拝見して判明したその5曲は以下の通りのようです。
1. Preachin' Blues
2. Soul of a Man
3. Get What You Deserve
4. 44 Blues
5. Done Got Over
どうですか?この渋さ。1.はサン・ハウス、2.はブラインド・ウィリー・ジョンソンですよ! オリジナルの泥臭さとアクの強さに比べれば、端正すぎる演奏でしたが、オーガニックなジャム・バンド的雰囲気で和みました。そしてギターをストラト系にチェンジしての3.ですが、これは誰の曲でしょうか? ローリン・アンド・タンブリン的なブギ調のナンバーでノリノリでした。4.は元々はルーズベルト・サイクスで知られるバレルハウス・ピアノ・ブルースの古典ですね。コフィの選曲かな? 5.はギター・スリム? ちょっと違った気もしましたけど…。前半の「Get Out of My Life, Woman」と言い案外ニューオーリンズが好きなんですかね?
この後はいよいよコンサートも終盤。ワルツ的なリズムが刺激的な「I Know」。そして愛嬌たっぷりのカウント・ムブトゥのパーカッジョン・ソロ。さらにコフィのフルートが聴けた「Mahjoun」を挟んでアグレッシヴなジャズ・アレンジが秀逸な「Greensleeves」へ。この辺りはジャム・バンドの面目躍如なスリリングなプレイの応酬。そして本編ラストは待ってましたの「Anyday」! デレク&ドミノスの名曲ですね。デュアン・オールマンの後継者としてだけではなく、エリック・クラプトンに認められた男としての付加価値まで付いたジャストな選曲。これは盛り上がりました!
アンコールは「Gonna Move」と「Freddie's Dead」。最後はカーティス・メイフィールドで締めました。1時間40分程度でしたでしょうか。ちょっと短い気もしましたが、十分堪能させていただきました。フロアではさらなるアンコールを望むお客さん達が相当粘っていましたが、残念ながらそれはかないませんでした。
いやはやそれにしても渋い選曲。オリジナル曲はほとんど演らずブルースのカヴァーが目立ちました。しかも他の日のライブではそれぞれで大幅に曲目を変えてるようで、マニアは全て見に行かなくては始まらないし終われない感じかも。
*既に記憶が曖昧なので、曲目等間違っていましたらごめんなさい。
*写真は現在の最新作「SONGLINES」。素晴らしい作品ですが、この日のライブではほとんど演奏されませんでした。このアルバムを必死に予習していた私の立場は…。DVD「SONGLINES LIVE」がカップリングされたお得なセットも発売されてるようです。
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