ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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デヴィッド・T・ウォーカー@丸ビル

2010-12-28 11:43:58 | ソウル、ファンク
DAVID T. WALKER / FOR ALL TIME

12月25日、丸ビルの吹き抜けマルキューブにて、デヴィッド・T. ウォーカーのクリスマス・スペシャル・ライヴを観に行ってきました。もう説明不要ですが、モータウン系を始め数々のソウル作品にエモーショナル且つ甘美なギターで名演を残してきたデヴィッド・T. ウォーカー。その一方で68年の「THE SIDEWALK」以降、最新作「FOR ALL TIME」(写真)まで、15枚ものソロ作をリリースし、特に70年代の「DAVID T. WALKER」、「PRESS ON」あたりは名盤として語り継がれています。そして08年の完全復帰作「THOUGHTS」、09年にはウィンター・ソング・アルバム「WEAR MY LOVE」、そして今年の最新作「FOR ALL TIME」と、近年になって快作を連発し、まさに第2の全盛期を迎えている感じ。日本ではドリームス・カム・トゥルーとの共演でも知られ、“デヴィ爺”の愛称で慕われているようです。


さて、朝から整理券を貰いに並んだかいあって、前から3列目中央の席をゲット。後ろを振り返ると、椅子席後方の立ち見エリアはもちろん、吹き抜けの2F、3F、4Fあたりまでずら~っと人垣が出来ていました。無料ライヴとは言え、デヴィッド・T. って人気あるんですね~。そしてステージ後方でキラキラと輝く巨大クリスマス・ツリー。このツリーをバックにデヴィッド・T. がギターを弾く、考えただけでメロメロですよね。

司会者の紹介でデヴィッド・T. が登場。グレーのスーツでびしっと決めています。そしてトレードマークのお髭の奥に和やかな表情が伺える。バック・バンドは濱田尚哉(Drums)、下野ヒトシ(Bass)、扇谷研人(Keyboards)、という日本人トリオ。1曲目は最新作から「Eleanor Rigby」。いや~、どうやったらビートルズのこの曲がこんなにロマンチックになっちゃうの?って感じのメロウさ。デヴィッド・T. のギターはトロトロに揺れるようでありながら、その1音1音はブルージーにゴツゴツとした肌触りを感じさせる。私はその音色に酔いしれながらも、椅子に座りながら身体をくねくねさせて歌うようにギターを弾くデヴィッド・T. の姿に目が釘付け。

2曲目は18番であるミニー・リパートンのカヴァー「Lovin' You」。もう極上ですよ。デヴィッド・T. はソウル、ブルース、ジャズの狭間を縫うようにフレーズを紡いでいく。そして感情の起伏をそのままギターに乗せるかのように饒舌に歌いかけてくる。こんな風にギターを弾ける人は他にいませんよね~。ホント素晴しい! この曲では途中、立ち上がってソロを弾く場面もあり、いよいよデヴィッド・T. も乗ってきた感じ。

3曲目は「Santa Claus Is Comin' To Town」。クリスマスですからね、何かやるだろうとは思っていましたが、なんとこの曲ではデヴィッド・T. を含むバンド全員が赤いサンタ帽を被って演奏するという趣向。ちょっと照れながら帽子を被るデヴィッド・T. が可愛かったです。そしてレゲエ・アレンジなこの曲の独特な緩さが最高でした。

でもこの日のハイライトは、やっぱ次の曲「The Christmas Song」でしょう。これも色々な人がクリスマス・アルバムで歌っているこの季節の定番ソングですね。確かドリームス・カム・トゥルーもデヴィッド・T. をバックにやってましたよね。しかしこの日のデヴィッド・T.はギター1本でこの曲を披露。これには参りました。あの広い丸ビルの吹き抜けが、一気にクリスマスの夜を迎え、甘く優しい空気に包まれていく感じ。メロウに滲みるようでもあり、キラキラと瞬くようでもあるデヴィッド・T. のギターはまさに神の如くでした。

ゲスト・ヴォーカルにYURIという日本人女性シンガーを向かえて「Silent Night」。彼女、失礼ながら私は初めて聴く方でしたが、これがソウルフルな美声の持ち主で、デヴィッド・T. のギターにサポートされつつ堂々とした歌声を披露してくれました。また彼女の登場で、観客とのコミュニケーションも含めて一気に会場が打ち解けた雰囲気になりましたね。デヴィッド・T. のどこかお茶目なキャラも感じられて、和気あいあいと良い感じになってきました。そして最後はイベントらしく「We Wish You A Merry Christmas」をコール&レスポンスして終了。6曲とは言え、なかなか盛り沢山の楽しいライヴでした。


いや~、それにしてもデヴィッド・T. ウォーカーってやっぱ凄いですね! 実は私、まだ彼のちゃんとしたソロ公演は観たことがないんです。唯一観たのは去年、マリーナ・ショウのバックで来日した時でした。その時にデヴィッド・T. ウォーカーのギターに感激し、次は必ず彼のソロライヴを観に行こうと心に誓ったはずだったのですが、なんだかんだでまだ行かず終い。そしてこのイベントを観て、また心新たに、次の来日公演こそは絶対に観に行くぞ!と心に誓った次第であります。


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