4月27日、代官山LOOPにて、アーロン・アバナシーを観てまいりました。
クリーヴランド出身のR&Bシンガー/マルチ・アーティストのアーロン・アバナシー。昨年12月にソロ名義としては初のフル・アルバム「MONOLOGUE」をリリースすると、日本でも「プリンス〜ディアンジェロの系譜を継ぐ新星」と賞されるなど、各所で話題を集めたアーロン・アバナシー。ですが初アルバムは、アブ&ザ・ソウルジャーナーズ名義による05年の自主制作盤「Lyrically Inclined 1.3: The Odyssey」まで遡り、その後も、アブ・ザ・コンフィダント、ナット・ターナーといった名義で活動し、スラム・ヴィレッジやブラック・ミルズのバックでも手腕を発揮するなど、マニアには知られる存在でした。
そんなアーロン・アバナシーの初来日公演。バックメンバーは Tak Tanaka(Gt.)、Zak Croxall(Ba.)、Jay Stixx(Dr.) の3人。ミュージックディレクターを日本人ギタリストのTak Tanaka が務めているので、他の2人も彼が集めたメンバーかも知れません。ちなみに Tak Tanaka は、JUJU とか、ナオ・ヨシオカのバックなんかを務めているギタリストだそうで、ニューオーリンズ・ファンには、2015年にブークー・グルーヴが来日した際、急病で来れなくなったダーウィン ’Big D’ パーキンズの代役を務めたギタリスト、と言えば、あ〜、あの人!! と思い出してくれるでしょうか?
さて、ハネたベースラインに導かれるように登場したアーロン・アバナシー。キーボードを弾くかと思いきや、そのまま立ったままで歌い始める。曲は「Son Of Larry」。最新作「MONOLOGUE」の1曲目に収録されている、ピアノが印象的な曲ですが、ほぼ、ベースラインのみをバックに歌う。メロウな原曲よりも、シャープにスピードアップしたリズムを、さらに前のめりに切れ込むようなアーロンの歌唱が強力。陽性のユニークな性質で、極々ナチュラルに歌っているようで、その鋭角的なタイム感覚は、まさしく黒人にしかあり得ないリズム感。いや、黒人シンガーでもここまでのキレはなかなか聴けない。もう冒頭からゾクゾクしっぱなし。探るようにドラムとギターが入り、バンド感が出てきたところで、ようやくアーロンも鍵盤を叩く。一気に盛り上がる会場。そして切れ目無しに「Kiss Yah」へ。歌い始める前に”Kiss Yah!"って言ってくれたから分ったものの、アレンジの違い以上に、アーロンの歌の崩し方が半端無い。「Son Of Larry」もそうですけど、もうほとんどフィーリングだけで歌ってるような雰囲気。それでいて雑な感じや流している風はまったく感じられず、ただただ、その歌声のキレと圧力、そしてメロウネスに圧倒されっぱなし。その後も「Kissing You」、「Favorite Girl」、「Call On Me」、「Can I Be Your Lover」などをBPM速めにファンキーに繋いでいく。ロバータ・フラックの「Feel Like Makin Love」とか、JODECI の「Come And Talk To Me」などのカヴァーや、ジャジーなソロ&スキャットなんかを挟みつつ、ドラム及びベースのブレイクを触媒にして繋いでいく。そんな展開がおよそ30分に渡って繰り広げられる。その間、アーロンの歌唱はフリーキーにブラック・フィーリングを巻き散らし、Tak Tanaka のギターを中心にしたバックの演奏も、タイト且つバウンシーでありながら、うっとりする程スイートで、まったくもって痺れまくりでした。
一息ついた後は、待ってましたのスロー「I Want You Again」。いや〜、これ絶品でしたね。前半戦とはまた違い、どっぷりと歌うアーロンが素晴らしかった。切ないファルセットからシャウト気味に感情を燃やすような歌唱は、胸に突き刺さるようでしたね。こういうディープなフィーリングはやはりライヴならではですね。そういう濃密さでは続く「A Quarter After Morning」はさらに圧巻でした。印象的なリフに変幻自在に絡みつつ情感を爆発させるようなアーロンの歌声にも痺れましたし、終盤のTak Tanaka のギター・ソロも格好良かった!
そして最後は「I Need To Know」から「In Love」。壮大且つドラマチックに昂揚するこの2曲は感動的でした。オーガニックな円やかさの中にソウルフルなヴァイヴを感じさせる演奏もさることながら、スウィート&メロウな空気をジワジワと満たしていくような、エモーショナルこの上ないアーロンの歌唱は流石でしたね。最後まで鋭角的なキレは損なわずに、それでいてしっとりとしたフィーリングを醸しつつ、激情のシャウトを決める。凄いシンガーです!
もちろんこれで終わりではありません。アンコールはアップテンポのラテン調ナンバー(曲名は分かりませんでした…)。ドラムソロや、アーロンの鍵盤ソロも格好良かった!そして最後は「I See You」。ミドルなテンポに乗ったアーロンのソウルフルな歌声、最高でした。
独特のファンクネスとニューソウル的なヴァイヴ。硬軟織り交ぜながら、古さと新しさを縦横無尽に行き来する、レトロ・ソウルの片鱗を見せながらも圧倒的に現行のリアルを感じさせる、そんなアーロン・アバナシーのステージでした。
この日のセットリストはこんな感じだったかな。
01. Son Of Larry
02. Kiss Yah
03. Kissing You
04. Favorite Girl
05. Feel Like Makin Love
06. Call On Me
07. Come And Talk To Me
08. Can I Be Your Lover
09. I Want You Again
10. A Quarter After Morning
11. I Need To Know
12. In Love
-------------------------------------------
13. ???(もの凄くアップテンポなラテン調の曲でした)
14. I See You
既に記憶が曖昧ですので、間違っていましたらごめんなさいね。特に、1〜8曲目は切れ目無しで演奏されたので、もしかしたら、抜けがあるかもしれません。アーロン・アバナシーはかなり崩して歌うので、曲が変わったかどうか分かりづらかったり、サビまで行ってやっと曲が判明したり、って感じだったので…。
クリーヴランド出身のR&Bシンガー/マルチ・アーティストのアーロン・アバナシー。昨年12月にソロ名義としては初のフル・アルバム「MONOLOGUE」をリリースすると、日本でも「プリンス〜ディアンジェロの系譜を継ぐ新星」と賞されるなど、各所で話題を集めたアーロン・アバナシー。ですが初アルバムは、アブ&ザ・ソウルジャーナーズ名義による05年の自主制作盤「Lyrically Inclined 1.3: The Odyssey」まで遡り、その後も、アブ・ザ・コンフィダント、ナット・ターナーといった名義で活動し、スラム・ヴィレッジやブラック・ミルズのバックでも手腕を発揮するなど、マニアには知られる存在でした。
そんなアーロン・アバナシーの初来日公演。バックメンバーは Tak Tanaka(Gt.)、Zak Croxall(Ba.)、Jay Stixx(Dr.) の3人。ミュージックディレクターを日本人ギタリストのTak Tanaka が務めているので、他の2人も彼が集めたメンバーかも知れません。ちなみに Tak Tanaka は、JUJU とか、ナオ・ヨシオカのバックなんかを務めているギタリストだそうで、ニューオーリンズ・ファンには、2015年にブークー・グルーヴが来日した際、急病で来れなくなったダーウィン ’Big D’ パーキンズの代役を務めたギタリスト、と言えば、あ〜、あの人!! と思い出してくれるでしょうか?
さて、ハネたベースラインに導かれるように登場したアーロン・アバナシー。キーボードを弾くかと思いきや、そのまま立ったままで歌い始める。曲は「Son Of Larry」。最新作「MONOLOGUE」の1曲目に収録されている、ピアノが印象的な曲ですが、ほぼ、ベースラインのみをバックに歌う。メロウな原曲よりも、シャープにスピードアップしたリズムを、さらに前のめりに切れ込むようなアーロンの歌唱が強力。陽性のユニークな性質で、極々ナチュラルに歌っているようで、その鋭角的なタイム感覚は、まさしく黒人にしかあり得ないリズム感。いや、黒人シンガーでもここまでのキレはなかなか聴けない。もう冒頭からゾクゾクしっぱなし。探るようにドラムとギターが入り、バンド感が出てきたところで、ようやくアーロンも鍵盤を叩く。一気に盛り上がる会場。そして切れ目無しに「Kiss Yah」へ。歌い始める前に”Kiss Yah!"って言ってくれたから分ったものの、アレンジの違い以上に、アーロンの歌の崩し方が半端無い。「Son Of Larry」もそうですけど、もうほとんどフィーリングだけで歌ってるような雰囲気。それでいて雑な感じや流している風はまったく感じられず、ただただ、その歌声のキレと圧力、そしてメロウネスに圧倒されっぱなし。その後も「Kissing You」、「Favorite Girl」、「Call On Me」、「Can I Be Your Lover」などをBPM速めにファンキーに繋いでいく。ロバータ・フラックの「Feel Like Makin Love」とか、JODECI の「Come And Talk To Me」などのカヴァーや、ジャジーなソロ&スキャットなんかを挟みつつ、ドラム及びベースのブレイクを触媒にして繋いでいく。そんな展開がおよそ30分に渡って繰り広げられる。その間、アーロンの歌唱はフリーキーにブラック・フィーリングを巻き散らし、Tak Tanaka のギターを中心にしたバックの演奏も、タイト且つバウンシーでありながら、うっとりする程スイートで、まったくもって痺れまくりでした。
一息ついた後は、待ってましたのスロー「I Want You Again」。いや〜、これ絶品でしたね。前半戦とはまた違い、どっぷりと歌うアーロンが素晴らしかった。切ないファルセットからシャウト気味に感情を燃やすような歌唱は、胸に突き刺さるようでしたね。こういうディープなフィーリングはやはりライヴならではですね。そういう濃密さでは続く「A Quarter After Morning」はさらに圧巻でした。印象的なリフに変幻自在に絡みつつ情感を爆発させるようなアーロンの歌声にも痺れましたし、終盤のTak Tanaka のギター・ソロも格好良かった!
そして最後は「I Need To Know」から「In Love」。壮大且つドラマチックに昂揚するこの2曲は感動的でした。オーガニックな円やかさの中にソウルフルなヴァイヴを感じさせる演奏もさることながら、スウィート&メロウな空気をジワジワと満たしていくような、エモーショナルこの上ないアーロンの歌唱は流石でしたね。最後まで鋭角的なキレは損なわずに、それでいてしっとりとしたフィーリングを醸しつつ、激情のシャウトを決める。凄いシンガーです!
もちろんこれで終わりではありません。アンコールはアップテンポのラテン調ナンバー(曲名は分かりませんでした…)。ドラムソロや、アーロンの鍵盤ソロも格好良かった!そして最後は「I See You」。ミドルなテンポに乗ったアーロンのソウルフルな歌声、最高でした。
独特のファンクネスとニューソウル的なヴァイヴ。硬軟織り交ぜながら、古さと新しさを縦横無尽に行き来する、レトロ・ソウルの片鱗を見せながらも圧倒的に現行のリアルを感じさせる、そんなアーロン・アバナシーのステージでした。
この日のセットリストはこんな感じだったかな。
01. Son Of Larry
02. Kiss Yah
03. Kissing You
04. Favorite Girl
05. Feel Like Makin Love
06. Call On Me
07. Come And Talk To Me
08. Can I Be Your Lover
09. I Want You Again
10. A Quarter After Morning
11. I Need To Know
12. In Love
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13. ???(もの凄くアップテンポなラテン調の曲でした)
14. I See You
既に記憶が曖昧ですので、間違っていましたらごめんなさいね。特に、1〜8曲目は切れ目無しで演奏されたので、もしかしたら、抜けがあるかもしれません。アーロン・アバナシーはかなり崩して歌うので、曲が変わったかどうか分かりづらかったり、サビまで行ってやっと曲が判明したり、って感じだったので…。
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