ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ジェフ・ラング@渋谷タワーレコード

2014-10-17 16:31:34 | インストアイベント

10月13日、渋谷タワーレコードにてオーストラリアが誇るギターの魔術師、ジェフ・ラングのインストア・ライヴを観てまいりました。

開演前、スタッフが舞台をセッティングする中、ギターを一本背負ってやってきたジェフ・ラングの姿は魔術師と言うより職人な風情。2枚のボードにぎっしり並べられたエフェクターの数や、自らPA卓の摘みを確認したり、スピーカーの位置を指示したりと、たかが数曲のインストアとは言えジェフの本気が伺われてワクワクしましたね。そしていよいよケースからギターを取り出す。ワイゼンボーン・スタイルのラップ・スティール!! 正直、一番見たかったやつ! そしてジェフがそれを爪弾き、スライドバーを滑らせる。その音色のふくよかなこと!そしてシャープなこと! ギターからは2本のシールドが伸び、それそれが多彩なエフェクターを経由しているのだと思うのですが、正直、どうなっているのかさっぱり分かりません。アコースティックな音色と歪んだ音色がまるで逆回転のように交差する。セッティングに時間がかかったものの、実際に音を出したのは僅かでしたね。「Two Worlds」の出だしを確認して終了な感じ。そしてジェフは開演時間までの間、ストア内でCDを物色していたようです。


さて、ジェフは何のCDを買ったのか?それはよく分かりませんが、いよいよインストア・ライヴの時間。私はもちろんかぶり付き。拍手で迎えられ「こんにちは!」と挨拶した後「Two Worlds」でスタート。膝の上に乗せられたギターから奏でられる美しいアコースティック・サウンド。その後ろで歪んだフィードバック音が鳴り続けている。一人の演奏とは思えない神秘的な雰囲気と、インド的なフレーズを散りばめるスライド・ギターの妙技はやはり魔術師。繊細な歌声にも引き込まれます。続いて最新作「I LIVE IN MY HEAD A LOT THESE DAYS」の1曲目を飾る「Watch Me Go」。バンドをバックにしたCDヴァージョンも格好良いですが、弾き語りで聴くこの曲も魅力的。足踏みによるリズムや、ボディーをパーカッション代わりにしていたのも印象的でした。さらに最新作から「I Want To Run But My Legs Won't Stand」、「Gunshot Nights」と続く。前者ではドローンのようになり続ける低音とトリッピーなスライドギターの絡みに酔いしれ、後者ではブルージな曲調にいよいよ歪んだ音色でのスライドギターが唸りを上げる。堪りませんね~。

そしてこの日のハイライトはトム・ウェイツのカヴァー「Whistle Down the Wind」。真摯な歌声もさることながら、哀愁溢れるスライド・ギターが素晴らしかった!こんな演奏を目の前で観れるなんて、ほんと幸せでしたね。そしてラストは「12 Thousamd Miles」。これも圧巻でした。これぞジェフ・ラング!と言いたいエキセントリックなブルース・ロックを聴かせてくれました。こういう曲でのジェフのスライド捌きはまさに神がかってますね。めくるめくフレーズに圧倒されながら視線は手元に釘付け。スライドバーを滑らしながら後ろの指でチョーキングしたりしてましたからね!

終演後はお楽しみのサイン会。私も最新作にサインを頂き、ツーショットの写真も撮って頂きました。下の写真がそのサインを頂いた最新作。このアルバム、一発で圧倒されるような派手な曲こそ入っていませんが、“円熟”とはまた違う、ジェフ・ラングならではの到達点とも言えそうな、完成度の高い1枚です。


JEFF LANG / I LIVE IN MY HEAD A LOT THESE DAYS


この日のセットリスト↓
01. Two Worlds
02. Watch Me Go
03. I Want To Run But My Legs Won't Stand
04. Gunshot Nights
05. Whistle Down the Wind
06. 12 Thousamd Miles



http://www.youtube.com/watch?v=3KUVLUpP6QY
↑YouTubeで見つけた、ジェフ・ラングによるトム・ウェイツの名盤「BONE MACHINE」全曲カヴァーライヴ。アクの強い作品を、弾き語りだけで多彩な表現で聴かせる彼はやはり鬼才。「Whistle Down the Wind」は1時間5分過ぎぐらいから。残念ながらワイゼンボーンではなくエレキ・ギターの弾き語り…。ワイゼンボーンは「Jesus Gonna Be Here」などで使っています。




VA/ LET IT SLIDE!
つい先日、こんなコンピ盤がリリースされました。オーストラリアのルーツ・シーンが一気に聴ける、しかもスライド・ギターに特化したユニークな企画盤「LET IT SLIDE!」。目玉はジェフ・ラングとジョン・バトラー共演によるライヴ録音2曲!! なかなか全てを追いかけるのは大変なオージー・シーンですが、こうやって纏めて聴くとやはり侮れないですよね~。これを入口に掘り進めていくのも良いかも。



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