PRIMAL SCREAM / SCREAMADELICA
スクリーマデリカ完全再現ライヴで話題になっているプライマルスクリーム。「スクリーマデリカ」とは91年に発売されたプライマル・スクリームの大名盤。この頃のプライマル・スクリームは私のフェイヴァリット・バンドでした。ホント格好良かった! という訳で、今回はソニックマニア及びサマソニ大阪でそのスクリーマデリカ再現ライヴが披露されることもあり、私の頼りない記憶の彼方からあの当時の衝撃と興奮をたぐり寄せてみたいと思います。
その当時、私はロックン・ロールという音楽にハマっていました。つまりローリング・ストーンズ、フェイセズから、エアロスミス、ハノイ・ロックス、そしてジョニー・サンダースやラモーンズなどのパンク勢、さらにグレアム・パーカー、イアン・デューリーなどのパブ・ロック などなど。ですが比較的新しいバンドでロックン・ロールを感じさせてくれるものになかなか巡り会えませんでした。ストーン・ローゼスしかり、ガンズ&ローゼスしかり…。そんな時にCDショップで偶然目に入ったのがプライマル・スクリームの2nd作「PRIMAL SCREAM」でした。もうロックン・ロール以外にあり得ないジャケ写に、こんなバンドいたの?と半信半疑ながら即買いでしたね。
そして聴いたそのアルバム、あまりにふにゃふにゃとした頼りないヴォーカルがことのほか印象的ながら、それは間違いなくロックン・ロールでした! そしてそれは、あの頃の私にとって唯一と言っても良い現在進行形のロックン・ロールとなりました。 そしてやって来た初来日。90年7月4日渋谷クアトロ。このライヴは本当に衝撃的でした。私は、純粋にロックン・ロールを期待していたというか、あの2nd作そのまんまのサウンドになると思い込んでいた訳です。まあ、それはほぼ90%当たっていたのですが、残りの10%がとんでもなかったんです。まさに青天の霹靂。それはいきなり1曲目に訪れました。
SEのようなサウンドが会場中に鳴り響き、ヴォーカリストのボビー・ギレスピーをはじめバンド・メンバーが登場。観客の大声援の中、ボビーはマイクを持つ。それを私はそこそこ後ろの方から観ていたのですが、ちょうど私の隣にいた男子グループが、「え?やるの?このままやるの?歌うの~!?」とか言って盛り上がってる訳です。私は内心で「いやいやまだSEだから…。」とか思いつつ、その雰囲気に訳が分からない感じに。会場にはいまだそのSEが流れている。そしてあろう事かボビーはそのSEに合わせて本当に歌い始めてしまったんです!あのふにゃふにゃの声で。体を揺らしながら。もう会場中大盛り上がり。バンド・メンバー達もおもむろに楽器を持ち始め、その SEに合わせて弾き始める。不思議な恍惚感に会場が包まれていく。しかしこの期になっても私は訳が分からない。異様な盛り上がりの中、私一人取り残されてる感じ。何?SEじゃないの?始まってるの?
おそらく、この1曲目は「Come Together」だったと思うんです。この初来日時、もちろんまだ3rd作「SCREAMADELICA」は発売されてません。ですがシングルで「Loaded」「Come Together」は既に発売されていたんです。ところが私はシングルを追いかけるほど熱心ではなかったですし、当時のロック事情にもまったく疎かったんです。ただストーンズやジョニー・サンダースに通じるロックン・ロールをやる現行バンドを観に行っただけだったんです。
そんな私ですから、この1曲目にはホントぶったまげましたね。冒頭部分などSE的な要素は含んでいるものの、曲としてはハウス的な打ち込みだった訳です。当時の私にとって、ロックン・ロールと打ち込みは両極のような存在でした。正直、打ち込みのような音楽を忌み嫌ってました。だってロックン・ロールですよ! バンドがルーズなノリでもって一発勝負でやるもんでしょ? ですがこの「Come Together」はそんな私の価値観を180度ひっくり返すほど格好良かったんです。ハウス・ビートとロックン・ロール的な退廃美の融合。それはこれまでに感じたことのない恍惚感を生み出し、まるで昇天していくが如くの高揚感でした。私は訳が分からない状況の中、ただただ衝撃を受けまくっていたのです。
この先、どうなるんだろう?と思いながらも、2曲目以降は私が望んだ「PRIMAL SCREAM」の世界が展開され、純粋にロックン・ロールの世界に浸りました。何かに憑かれたように歌うボビーの格好良さに心底やられました。でも私の頭の中では、常にどこかで1曲目の美学がぐるぐると回っていた感じ。そして最後の曲。ここでまたしてもハウス・ビート。場内の空気が一気に新しい何かを見せつけられるようなゾクゾクとした雰囲気に包まれる。おそらく「Loaded」だったと思うのですが、まあ、とにかく驚異的に格好良かったのです。そしてアンコールでジョン・レノンの「Cold Turkey」(この辺の曲順なんかも既にかなり曖昧な記憶…)。さらにピストルズのカヴァーも演ったかな? 全てが最高でしたが、とにかく最初と最後のハウス2曲が圧倒的に輝いてましたね。まさに新しい扉を開けた感じでした。しかもその先には桁外れの高揚感と共に毒と妖気がたっぷり。
もう私は放心状態でした。帰宅後もそのハウス曲の興奮が忘れられず、結局「Come Together」と「Loaded」のシングルを即購入。繰り返し繰り返し聴きまくりました。当時の私が組んでいたバンド・メンバーにも「Come Together」を聴かせては「この曲どう?凄いでしょ?」みたいな。しかし「お前の好きそうな曲じゃないじゃん。どうした?」みたいな反応で、「いやいや、今、ロックン・ロールはこれなんだって!!」と説明しても分かって貰えず…。
そして翌年、いよいよ3rd作「SCREAMADELICA」(写真)発売。これがさらに衝撃作。キーワードはアシッド・ハウス、エクスタシー、アンディー・ウェザウォール、デニース・ジョンソン、ジミー・ミラー。あの当時、古いロックン・ロールしか知らない私にとって、これはまさに未知なる魅力。プライマル・スクリームこそ時代を映す、いや時代を変えるロックン・ロール・バンドだったのです。
そしてこの「SCREAMADELICA」を引っさげての再来日。91年10月7日川崎クラブチッタ。ちょっとはハウスをかじった私が臨んだ2度目の生プライマル。曲目等はまったく覚えていません。ですがほぼ全編ハウス仕様の強力ステージでした。もう私は脳の中がクラクラする感じでしたね。しかも単なるハウスではありませんから。爆音ハウス・ビートが会場中に轟くなか、それに絡むギターはストーンズ流のルーズな感じですし、ボビーは相変わらずヘロヘロで、とても尋常とは思えない妖しさをプンプンまき散らすという、まさにロックン・ロール特有の怠い妖気とハウスの享楽的な高揚感が混じり合ってとんでもない次元に達した瞬間を体験させられた感じ。そしてアンコールはまたしても「Cold Turkey」。前回はレノンにほぼ忠実なロック・ヴァージョンでしたが、この日はしっかりハウス流のアレンジに変換されてたのにも痺れましたね。とにかくプライマル凄いぞ!と。今、ロックン・ロールに何が起きているのか?何か異様なものが押し寄せてくるような興奮を肌で感じさせられた一夜でした。
『俺たちはクラブとロックン・ロールのライヴを組み合わせて、両方が持つ快楽主義を一つにして、もっともっと高いところへ飛んでいこうとしたんだ。』(rockin'on誌2000年4月号のプライマル・スクリーム特集における、あの頃を振り返ったボビーの言葉。)
さて、ソニマニでのスクリーマデリカ再現ライヴ、どんなステージになるんでしょうね?もちろん、あの頃のプライマルを再現するのではなく、現在のプライマルが「スクリーマデリカ」を再現する訳ですけどね。それでも気になりますよね~。残念ながら私は行けないんですけど~。
*なにぶん昔の話ですので、記憶違いや誇張があるであろうことは御勘弁してください。
PRIMAL SCREAM / PRIMAL SCREAM
スクリーマデリカ完全再現ライヴで話題になっているプライマルスクリーム。「スクリーマデリカ」とは91年に発売されたプライマル・スクリームの大名盤。この頃のプライマル・スクリームは私のフェイヴァリット・バンドでした。ホント格好良かった! という訳で、今回はソニックマニア及びサマソニ大阪でそのスクリーマデリカ再現ライヴが披露されることもあり、私の頼りない記憶の彼方からあの当時の衝撃と興奮をたぐり寄せてみたいと思います。
その当時、私はロックン・ロールという音楽にハマっていました。つまりローリング・ストーンズ、フェイセズから、エアロスミス、ハノイ・ロックス、そしてジョニー・サンダースやラモーンズなどのパンク勢、さらにグレアム・パーカー、イアン・デューリーなどのパブ・ロック などなど。ですが比較的新しいバンドでロックン・ロールを感じさせてくれるものになかなか巡り会えませんでした。ストーン・ローゼスしかり、ガンズ&ローゼスしかり…。そんな時にCDショップで偶然目に入ったのがプライマル・スクリームの2nd作「PRIMAL SCREAM」でした。もうロックン・ロール以外にあり得ないジャケ写に、こんなバンドいたの?と半信半疑ながら即買いでしたね。
そして聴いたそのアルバム、あまりにふにゃふにゃとした頼りないヴォーカルがことのほか印象的ながら、それは間違いなくロックン・ロールでした! そしてそれは、あの頃の私にとって唯一と言っても良い現在進行形のロックン・ロールとなりました。 そしてやって来た初来日。90年7月4日渋谷クアトロ。このライヴは本当に衝撃的でした。私は、純粋にロックン・ロールを期待していたというか、あの2nd作そのまんまのサウンドになると思い込んでいた訳です。まあ、それはほぼ90%当たっていたのですが、残りの10%がとんでもなかったんです。まさに青天の霹靂。それはいきなり1曲目に訪れました。
SEのようなサウンドが会場中に鳴り響き、ヴォーカリストのボビー・ギレスピーをはじめバンド・メンバーが登場。観客の大声援の中、ボビーはマイクを持つ。それを私はそこそこ後ろの方から観ていたのですが、ちょうど私の隣にいた男子グループが、「え?やるの?このままやるの?歌うの~!?」とか言って盛り上がってる訳です。私は内心で「いやいやまだSEだから…。」とか思いつつ、その雰囲気に訳が分からない感じに。会場にはいまだそのSEが流れている。そしてあろう事かボビーはそのSEに合わせて本当に歌い始めてしまったんです!あのふにゃふにゃの声で。体を揺らしながら。もう会場中大盛り上がり。バンド・メンバー達もおもむろに楽器を持ち始め、その SEに合わせて弾き始める。不思議な恍惚感に会場が包まれていく。しかしこの期になっても私は訳が分からない。異様な盛り上がりの中、私一人取り残されてる感じ。何?SEじゃないの?始まってるの?
おそらく、この1曲目は「Come Together」だったと思うんです。この初来日時、もちろんまだ3rd作「SCREAMADELICA」は発売されてません。ですがシングルで「Loaded」「Come Together」は既に発売されていたんです。ところが私はシングルを追いかけるほど熱心ではなかったですし、当時のロック事情にもまったく疎かったんです。ただストーンズやジョニー・サンダースに通じるロックン・ロールをやる現行バンドを観に行っただけだったんです。
そんな私ですから、この1曲目にはホントぶったまげましたね。冒頭部分などSE的な要素は含んでいるものの、曲としてはハウス的な打ち込みだった訳です。当時の私にとって、ロックン・ロールと打ち込みは両極のような存在でした。正直、打ち込みのような音楽を忌み嫌ってました。だってロックン・ロールですよ! バンドがルーズなノリでもって一発勝負でやるもんでしょ? ですがこの「Come Together」はそんな私の価値観を180度ひっくり返すほど格好良かったんです。ハウス・ビートとロックン・ロール的な退廃美の融合。それはこれまでに感じたことのない恍惚感を生み出し、まるで昇天していくが如くの高揚感でした。私は訳が分からない状況の中、ただただ衝撃を受けまくっていたのです。
この先、どうなるんだろう?と思いながらも、2曲目以降は私が望んだ「PRIMAL SCREAM」の世界が展開され、純粋にロックン・ロールの世界に浸りました。何かに憑かれたように歌うボビーの格好良さに心底やられました。でも私の頭の中では、常にどこかで1曲目の美学がぐるぐると回っていた感じ。そして最後の曲。ここでまたしてもハウス・ビート。場内の空気が一気に新しい何かを見せつけられるようなゾクゾクとした雰囲気に包まれる。おそらく「Loaded」だったと思うのですが、まあ、とにかく驚異的に格好良かったのです。そしてアンコールでジョン・レノンの「Cold Turkey」(この辺の曲順なんかも既にかなり曖昧な記憶…)。さらにピストルズのカヴァーも演ったかな? 全てが最高でしたが、とにかく最初と最後のハウス2曲が圧倒的に輝いてましたね。まさに新しい扉を開けた感じでした。しかもその先には桁外れの高揚感と共に毒と妖気がたっぷり。
もう私は放心状態でした。帰宅後もそのハウス曲の興奮が忘れられず、結局「Come Together」と「Loaded」のシングルを即購入。繰り返し繰り返し聴きまくりました。当時の私が組んでいたバンド・メンバーにも「Come Together」を聴かせては「この曲どう?凄いでしょ?」みたいな。しかし「お前の好きそうな曲じゃないじゃん。どうした?」みたいな反応で、「いやいや、今、ロックン・ロールはこれなんだって!!」と説明しても分かって貰えず…。
そして翌年、いよいよ3rd作「SCREAMADELICA」(写真)発売。これがさらに衝撃作。キーワードはアシッド・ハウス、エクスタシー、アンディー・ウェザウォール、デニース・ジョンソン、ジミー・ミラー。あの当時、古いロックン・ロールしか知らない私にとって、これはまさに未知なる魅力。プライマル・スクリームこそ時代を映す、いや時代を変えるロックン・ロール・バンドだったのです。
そしてこの「SCREAMADELICA」を引っさげての再来日。91年10月7日川崎クラブチッタ。ちょっとはハウスをかじった私が臨んだ2度目の生プライマル。曲目等はまったく覚えていません。ですがほぼ全編ハウス仕様の強力ステージでした。もう私は脳の中がクラクラする感じでしたね。しかも単なるハウスではありませんから。爆音ハウス・ビートが会場中に轟くなか、それに絡むギターはストーンズ流のルーズな感じですし、ボビーは相変わらずヘロヘロで、とても尋常とは思えない妖しさをプンプンまき散らすという、まさにロックン・ロール特有の怠い妖気とハウスの享楽的な高揚感が混じり合ってとんでもない次元に達した瞬間を体験させられた感じ。そしてアンコールはまたしても「Cold Turkey」。前回はレノンにほぼ忠実なロック・ヴァージョンでしたが、この日はしっかりハウス流のアレンジに変換されてたのにも痺れましたね。とにかくプライマル凄いぞ!と。今、ロックン・ロールに何が起きているのか?何か異様なものが押し寄せてくるような興奮を肌で感じさせられた一夜でした。
『俺たちはクラブとロックン・ロールのライヴを組み合わせて、両方が持つ快楽主義を一つにして、もっともっと高いところへ飛んでいこうとしたんだ。』(rockin'on誌2000年4月号のプライマル・スクリーム特集における、あの頃を振り返ったボビーの言葉。)
さて、ソニマニでのスクリーマデリカ再現ライヴ、どんなステージになるんでしょうね?もちろん、あの頃のプライマルを再現するのではなく、現在のプライマルが「スクリーマデリカ」を再現する訳ですけどね。それでも気になりますよね~。残念ながら私は行けないんですけど~。
*なにぶん昔の話ですので、記憶違いや誇張があるであろうことは御勘弁してください。
PRIMAL SCREAM / PRIMAL SCREAM
お返事が遅くなりまして申し訳ありません。
ご質問のブンブンサテライツが前座のライヴの件ですが、残念ながら、私は覚えておりません。私もプライマルスクリームのライヴは行ったり行かなかったりなので、おそらく私が行ったライヴでは、ブンブンサテライツが前座というのは無かったと思います。お力になれず、申し訳ありません…。