ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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チャーリー・ハンター

2009-01-19 10:24:12 | ジャムバンド/オーガニック
CHARLIE HUNTER / BABOON STRENGTH

ニューヨークの先鋭的ジャズ/ジャム・バンド・シーンの立役者の一人、チャーリー・ハンター。彼の最新作が写真の「BABOON STRENGTH」。トリオ編成で、チャーリー・ハンターが7弦ギター、キーボードにErik Deutsch、ドラムスがTony Masonの3人。ベースが居ません。でもしっかりベースが聴こえてきます?

実は、チャーリー・ハンターの操る7弦ギターは、たぶん上2本の弦がベースになっているのです。さらにこの人、その上をいく8弦ギターも操るとか。もともとオルガン・ジャズのようなプレイをギターで出来ないものかと、自らのアイデアで特注したギターだそう。そして彼はこのギターを操り、ベース、バッキング、リードと、一人3役をこなしているとか。

で、先日渋谷タワー・レコードでチャーリー・ハンターのインストア・イベントがあったので行って来ました。今回はコットンクラブでのトリオ編成によるライヴのための来日でしたが、この日はインストアなのでチャーリーただ一人による演奏でした。ですが、彼のギターを堪能するにはもってこいかと。

噂の7弦ギター。ちゃんとピック・アップもギター用とベース用がそれぞれ付けられ、アンプもギター・アンプとベース・アンプそれぞれにつながれています。上2本の弦でベース・ラインを弾きながら、バッキングやリード・ギターを歯切れ良くこなしていきます。しかもこのベースがいい音してるんですよ!

店内のポップに書かれている言葉を見つけては、「ブルース!」「カントリー!」「ジャズ!」「ワールド!」と楽しそうに叫び、それぞれのスタイルをハンター流に弾きこなしていきます。別にアクロバティックな弾き方をする訳ではなく、奏法自体はオーソドックスなものなのですが、バラエティに富んだリズムを表現するベースラインと、それに絡むファンキーなソロ・フレーズを一手に繰り出すフィンガリングに目が釘付けでした。

そしてその驚異のテクニック以上に印象に残ったのは、彼の演奏そのものに野性味が溢れていたこと。案外、感情が先に行くタイプというか、結構強引なフレーズを連発していた印象。でも私なんかはそういうところにファンク・スピリッツやブルース魂のようなものを感じちゃうんですよね。天晴れなギタリストでした。

ちなみに私がチャーリー・ハンターを初めて知ったのは、彼の01年のアルバム「SONGS FROM THE ANALOGUE PLAYGROUND」。ここにノラ・ジョーンズが参加していて、ノラの歌が聴きたくて手にしたのが始まりでした。この時ノラはまだデビュー作の「COME AWAY WITH ME」を発表する前だったんですよね。

で、チャーリー・ハンターの最新作「BABOON STRENGTH」には7曲のライヴ音源が入ったボーナス・ディスクが付いていたんですけど、なんとノラ・ジョーンズをゲストに招いた「Tennessee Waltz」が入ってるんです。これが良いんですよ! ノラの歌と鍵盤も素晴らしいですし、後半のハンターによるジャズ/ブルージーなギターソロも良いです。もちろん他の曲も刺激的ですよ! わりと緩めな本編スタジオ作より、ボーナスのライヴCDの方が断然燃えます!



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