ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ファンキー・ミーターズ@ビルボードライヴ東京

2014-01-19 15:15:13 | ニューオーリンズ
FUNKY METERS / LIVE FROM THE NEW ORLEANS JAZZ & HERITAGE FESTIVAL

1月18日、ビルボードライヴ東京にてファンキー・ミーターズのライヴを観てまいりました!! 私が観たのはこの日の2ndショー。今回の来日公演最終ステージです。最前列ではないものの、ド真ん中かぶり付きのテーブルで堪能してまいりました。

開演予定時刻をほんの少し過ぎた頃、大きな拍手に迎えられ、ジョージ・ポーター・ジュニア(b)、ブライアン・ストルツ(g)、ラッセル・バティスト(ds)、そして付き添いの人にサポートされながらゆっくりとアート・ネヴィル(organ)が登場。

まずおもむろにラッセル・バティストとブライアン・ストルツがジャムり始め、そこへアート・ネヴィルのオルガンがブヒャ~っと入ってくる。この瞬間に異様にテンション上がりましたね。やっぱりアートのオルガンですよ! そして満を持してジョージのベースが加わってのこれぞファンキー・ミーターズ! オープニングからいきなりジャム・セッション風に始まりましたが、それが徐々に「Funky Miracle」のリフへと形作られていく。

ミーターズの代表曲の1つ「Funky Miracle」。彼らの伝家の宝刀とも言えるユニゾンリフが炸裂した瞬間にガッツポーズですよ!つんのめるように跳ねながらも独特の粘りを見せるミーターズ・ファンク。たまりませんね~。パワフルかつキレのあるラッセルのドラム、ソリッドなリフ捌きが冴えるブライアンのギター、衰え知らずなもっちゃり感でグルーヴを支配するジョージのベース。そしてその隙間から浸透するかのようなアートのオルガン。

ブレイク部分ではジョージがビートルズの「Day Tripper」のリフを弾くなどの遊び心を見せていましたが、面白いことに、実は前日の公演がフジテレビNEXTで生中継されていたんですが、その時は同じ場面でブライアンが「Day Tripper」のリフを弾いてたんです。事前に今日は誰が弾く?みたいな打ち合わせがあるのでしょうか?それとも弾いたもん勝ちみたいな?

曲は切れ目なしに「Doodle-Oop」へと続き、徐々にバイユーの空気に染まり始める。ソウルフルなジョージのヴォーカルも良い。さらに「Chicken Strut」ではジョージによる鶏の鳴き声?が炸裂し、さらにベース・ソロも。そしてベース・ソロからアートのオルガンをフィーチャーしたクールなカヴァー曲「Hang 'Em High」へ。元は有名な映画音楽ですが、Booker T & The MG'sもやってますね。さらに「Soul Island」での至福の幸福感からドラム・ソロへなだれ込み、強烈なフィルインからの「Africa」ですよ!キター!!って感じ。ここで初めてアートがリード・ヴォーカルを聴かせてくれましたね。終盤になるとジョージがクラシカルな「They All Ask'd For You」を歌いだし、それは「Iko Iko」に姿を変える。となれば当然、これは観客みんなで歌わないとね!

楽しいコール&レスポンスの後は、畳み掛けるようにラッセルの長いフィルが次の曲を促す。そしてアートが弾き始めたのは「Big Chief」!これには大きな拍手がわき上がる。しかしヴォーカル・パートになるとアートはジョージに向かって「喉が…」みたいな表情を見せて歌わない。ジョージは呆れた笑顔を見せて、アートにお水を促したりしますが、アートは素知らぬ顔。そして歌のないままワン・コーラスが過ぎ、再び歌いだしの瞬間を迎えても、アートは一点を見つめて静止してるだけ。これに観客達が沸きに沸く。この後どうなることかと思いきや、2巡目に来てようやく、優しい声でアートが歌いだしてくれました。これが滋味溢れる良い声だったんですよ~。

さて、ここまで全く切れ目なしの演奏。永遠と続くバイユー・グルーヴ。やはりミーターズは沼でした。一度そのグルーヴにハマったら2度と出ることは出来ないのです!その沼の中心はやはりジョージのベースでしょう。時にリフを、時にラインを、時にソロを、それらを行ったり来たりしながら極上のファンク空間を作り上げていく。もちろんラッセルやブライアントとのコンビネーションも最高。そしてことあるごとにアートを気遣い、サポートする姿も印象的でした。

そしてブライアン・ストルツも流石に存在感を発揮していましたね。彼のギターというと、私は勝手なイメージで少々軽い印象を持っていましたが、マーシャル・アンプから響くその音色は、思いのほか骨太。やっぱり生で聴いてみないと分らないものですね。ファンキーなカッティングもさることながら、ジャム・セッションへ突入した際に、ジョージと差しでやり合えるその力量と経験値は流石としか言いようがありませんでしたね。「Iko Iko」ではギターでフィドルっぽいフレーズを弾いてケイジャン的な雰囲気を醸していたのも印象的でした。

ようやくの小休止の後は、ブライアン・ストルツの見せ場、彼のソロ作から「Seven Desires」。これまでとはちょっぴり雰囲気の違うアダルトな感じ。ブライアンの歌声もソウルフルで良かったです。

ラストは完全無欠のキラー・ソング「Cissy Strut」。ラッセルのニューオーリオンズなタイム感横溢なドラムが最高でしたね。もちろんジョージとブライアンによるリフや、それに絡むアートのオルガンも感無量でした。これぞミーターズ!観客達もスタンディングオベーション。

アートの体調を気遣ってか、そのままメンバーがステージに残ってのアンコール。曲は待ってましたの「Hey Pocky A-Way」。観客達も思い思いに踊りだす。もうイントロだけで至福極まりない。っていうかイントロというよりほとんどジャムと化してましたけどね。そしていよいよ歌というところで、ジョージが何やらアートに話しかけてる。おそらく「歌える?」「いや、君が歌ってよ」的なやり取りをしていたのではないでしょうか。ジョージが笑ってると、アートは難しい顔をしてやはり「喉が…」みたいなジェスチャーをする。すると歌いだしの直前に強引にキー・チェンジをしてジョージが歌いだす。なんか痺れましたね。ちなみに前日の生中継ではアートが歌っていました。まあ、どっちが歌っても「Hey Pocky A-Way」は最高ですよね!特にジョージのベース。あのグルーヴに、ただただ身を委ねました。

そして曲の終盤、またジョージとアートが何やら会話を交わすと、また強引なキー・チェンジをして今度はアートが「Get Out Of My Life, Woman」だったかな?を歌い出す。(正直、曲を崩し過ぎている上に、ワンコーラス程度の短いものだったのでよく分かりませんでした。既に記憶も曖昧ですし。間違ってましたらごめんなさいね)。それにしても何でしょう?この自由さ!この臨機応変さ!さすが百戦錬磨のライヴ・バンドですよね~。最後は「Cabbage Alley」で終了。

およそ1時間半。ジャムからリフヘ、リフから歌へ、歌からジャムへと変幻自在に形を変えながらの沼グルーヴ。もうどっぷり浸かってきました。いや、もっと浸かっていたかったけど、こればっかりはしょうがない。


この日のセットリスト。メモを取りながら観た割には不完全ですいません…。あと、とにかく切れ目がないので、1曲と見るかメドレーと見るかの判断はいい加減ですのであしからず。間違ってましたらごめんなさいね。



01. Funky Miracle
02. Doodle-Oop
03. Chicken Strut
04. Hang 'Em High
05. Soul Island
06. Africa
~They All Ask'd For You
~Iko Iko
07. Big Chief
08. Seven Desires
09. Cissy Strut
----------------------------
10. Hey Pocky A-Way
~Get Out Of My Life, Woman(だったでしょうか?)
~Cabbage Alley


そして終演後のお楽しみ。それはサイン会。私もメンバー全員からサインを頂きました。それが上の写真。これは2000年のニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴを納めたDVDです。このサイン会、当初はアートは姿を見せなかったんです。御高齢ですし、足腰も良くないことなので仕方ないな、と私も諦めていたんですが、ちょうど私がブライアンからサインを頂いている時に、なんとアートが車椅子に乗って登場したんです。私もすかさずアートからサインを頂きました。もの凄く、ゆっくりと、一字一字確かめるようにサインをされていました。これは私の宝物です!!

あと、せっかくなのでメンバーのソロ作にもサインを頂いちゃいました。皆さん、ソロ作を見せると嬉しそうにしてくれるので、こっちも嬉しくなります。ラッセルはジャケットを見るなり奇声を上げていましたし、ジョージはしげしげとジャケ裏を見て、そのクレジットを熱心にラッセルに説明していました。ブライアンは名前も入れてくれましたしね。



GEORGE PRTER JR. AND RUNNIN' PARDNERS / CAN'T BEAT FUNK!



RUSSELL BATISTE AND FRIENDS / FOLLOW YOUR DREAMS



BRIAN STOLTZ / EAST OF RAMPART STREET
ちなみにライヴでやった「Seven Desires」はこのアルバムに入っています。



*アート名義のCDも用意していたんですが、アートは1枚サインするだけでも大変そうだったので、流石に遠慮しました。演奏中は、御高齢なりに、足腰が悪いなりに、(もちろん若い頃とは違いますし、「Big Chief」で躓いたりもしていましたけど、それでも)心配していたより元気そうだな、とちょっぴり安心もしたのですが、サイン会での動きのゆっくりさを見ると、やはり心配になりましたね。でもサイン会に姿を現してくれたことはとても嬉しかったですね。 本当に遠い日本までよく来てくれました。いつまでもお元気で演奏を続けて頂きたいものです。




2 コメント

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FUNKY METERS (SOUL SISTER)
2014-01-20 03:10:37
1990年,大阪でMETERSを見てから彼らの音楽のFANになりました。ライブの様子が詳細に書いてあるので、先日みたCONCERTがまた蘇ってきましたよ。RUSSELL BATISTE& GEORGE PORTER JRと楽屋で会えたのですが、ART NEVILLE &ギターの方には会えなかったので、翌日見送りに行きまして…。CDに二人のサインを書いてもらいました。貴重なART NEVILLEのサイン。家宝かも。
またこちらのライブ感想を拝見しにきますね。
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ありがとうございます! (moccho)
2014-01-20 10:02:54
SOUL SISTERさん、コメントありがとうございます!

ブログを読んで頂きありがとうございます!RUSSELL BATISTE& GEORGE PORTER JRと楽屋でお会いされたんですね。羨ましいです。しかも見送りにも行かれたなんて。ART NEVILLEも元気に帰国されたんですね。また日本に来てもらいたいですね。
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