THE METERS / FUNKIFY YOUR LIFE
7月22日、”パパ・ファンク”ことネヴィル・ブラザーズの長兄、アート・ネヴィルが亡くなられました。ミーターズの中心人物として、ニューオーリンズ・ファンクの礎を築き上げた、まさにニューオーリンズ・ファンクの生みの親であったアート・ネヴィル。レオ・ノッセンテリ(g)、ジギー・モデリステ(ds)、ジョージ・ポーター・ジュニア(b)と共にミーターズが作り上げた、唯一無比の土着型ファンクは、まさにニューオーリンズの伝説です。
そのミーターズのオリジナル・ベーシストであり、ミーターズからファンキー・ミーターズへと、最後までアートと活動を共にしたベーシスト、ジョージ・ポーター・ジュニアがフジロックにやってきます!!
今年のフジロック、「ルーツな日記」的な目玉と言えば、この人、ニューオーリンズ・ファンクのレジェンド、ジョージ・ポーター・ジュニアなのです。
アート・ネヴィルと共にミーターズの黄金時代を築いたジョージ・ポーター・ジュニア。ジガブーことジキー・モデリステ(ds)と鉄壁のリズム隊を組み、「Cissy Strut 」、「Funky Miracle」など、数々のニューオリンズ・ファンクの古典を生み出しました。1975年には、ローリング・ストーンズのツアーに同行するなど、その名声はロック界にも轟きました。またアラン・トゥーサンのプロデュースの元、リー・ドーシー、ドクター・ジョン、アール・キング、ラベル、ZZ・ヒルなど、ニューオリンズ内外の数多のセッションに貢献し、ニューオリンズ・ファンク黄金時代の屋台骨を担いました。
ザ・ミーターズの生み出す、キレと緩さを併せ持つ独特のファンクネスは、解散後もネヴィル・ブラザーズを筆頭に、その後続達に多大な影響を及ぼし、現在まで、ニューオリンズで活躍する全てのバンドに、多かれ少なかれその遺伝子が受け継がれていると言っても過言ではありません。
もちろん、その遺伝子はニューオリンズ内に留まりません。2000年代に入って、ニューマスターサウンズやスピードメーターがデビューし、ディープファンクのムーヴメントが興りますが、それはミーターズへのリスペクトを色濃く表すものであり、JB'sと並んでインストファンクの金字塔バンドとしての再評価を印象付けました。
さて、オリジナル・ミーターズの解散後のジョージ・ポーター・ジュニアはと言いますと、ファンキー・ミーターズとして活躍する一方で、ランニングパードナーズ、ポーター・バティステ・ストルツ、ザ・ミーター・メンなど、その変幻自在のライヴ活動から、ジャムバンド界隈でもレジェンドな存在感を発揮しいきます。オリジナル・ミーターズの再結成も度々果たし、大きな話題となりました。
日本には、ファンキー・ミーターズとしてはもちろん、エディ・ボ、スヌークス・イーグリン、アール・キングのサポートなど、何度も来日しています。私も何度観たかった分かりません。フジロックにも2009年にファンキーミーターズで、ヘヴンのトリを務めています。
何度も来ているんでしょ?いえいえ、ジョージ・ポーター・ジュニアのライヴは、何度見ても最高なのです。それに、アート・ネヴィルより若いとはいえ、もう70歳を超えてますからね。もちろん、これが最後の来日になるかも?なんて思いは過らないほど元気ですが。とは言え、伝説的なミュージシャンは、見れる時に見ておかないと…。
しかも今回は、引き連れてくるバンドが凄いんです。現代のミーターズといった風情のダンプスタファンクから、アイヴァン・ネヴィル(org)、イアン・ネヴィル(g)、トニー・ホール(g)の3人。イアン・ネヴィルは、ミーターズの生みの親でもあるアート・ネヴィルの息子で、一時期ファンキー・ミーターズの一員でもありました。アイヴァンは言わずと知れたニューオリンズが誇るゴールデン・ヴォイスのアーロン・ネヴィルの息子で、現行ニューオリンズのファンクシーンを背負って立つ漢。トニー・ホールは、元ネヴィル・ブラザーズのベーシストで、名作「YELLOW MOON」でベースを弾いていた人。そして、ジョージが近年組んでいるトリオから、Mick Lemmle(p)、テレンス・ヒューストン(ds)の2人。テレンス・ヒューストンは、トリオだけではなく、ランニングパードナーズやファンキー・ミーターズでもジョージの相棒を務めて来たドラマーなので、そのリズムの熟練度は折り紙付きです。
ただし、アート・ネヴィルが亡くなられたので、息子のイアンと、甥のアイヴァンの来日はどうなるか分かりませんけどね。
THE METERS / THE METERS
69年の記念すべきデビュー・アルバム。大名曲「Cissy Strut」から始まる全曲インスト・アルバム。ギターとベースがユニゾンでリフを引くスタイルも斬新な、独等の間とキレ、そして緩さが、ジワジワと寄せてくるようなファンクネス。これぞニューオーリンズという土壌が成せる技。セカンドライン・ファンクの原点。
THE METERS / REJUVENATION
74年の5作目。初期のシンプルなサウンドから徐々にハードさを増した演奏と、インディアン・フレイヴァーや聴き易い歌物志向が奇跡的に結実した大傑作。「People Say」、「Just Kissed My Baby」、「Jungle Man」、「Hey Pocky A-way」、「Africa」など、ほとんど古典と言ってよい代表曲を多く収録。特に「Hey Pocky A-way」のジョージのベース・ラインは至高。セカンドライン・ファンクの到達点。
SNOOKS EAGLIN / SOUL EDGE
90年代における、ジョージ・ポーター・ジュニアのブラックトップへの貢献度も忘れてはなりません。アール・キング、キャロル・フラン&クラレンス・ホリマン、ロバート・ウォード、フィリップ・ウォーカーなどの諸作に貢献していますが、中でも印象深いのはスヌークス・イーグリンでしょう。この「SOUL EDGE」はスヌークスにとってブラック・トップ最後の作品。95年作。これは傑作ですね。ハーマン・アーネスト&ジョージ・ポーター・ジュニアのリズム隊が素晴らしい!そこにスヌークスのギターのエグい切れ味が絡んだ極上のニューオーリンズ・ファンク。
GEORGE PORTER JR. / IT'S LIFE
ジョージの07年のソロ作。豪華ゲストが多数参加している中、ラッセル・バティステが約半分の曲でドラムスを叩いています。ジョージらしい丸みを帯びたファンクももちろん良いですけど、意外と渋いメロウ・チューンが秀逸だったり。素朴な歌声がまた良いんです!
PORTER BATISTE STOLTZ FEATURING PAGE McCONNELL / MOODOO
アート・ネヴィルの居ないファンキー・ミーターズ?なんて言われそうなポーター・バティステ・ストルツ。彼らが元フィッシュの鍵盤奏者ペイジ・マッコーネルを迎えた08年のライヴ盤。ミーターズがジャム・バンドにも影響を与え、リスペクトされていることが伺える激熱なライヴ!
FUNKY METERS / LIVE IN JAPAN
ファンキー・ミーターズによる09年の夏に行われた渋谷クワトロ公演の実況録音盤。2枚組で2時間越え。これは沼です。底なし沼です。肩までどっぷりな感じです。これぞバイユー・ファンクの真骨頂です。その中心となるのはジョージ・ポーター・ジュニアのベースです。彼のベースこそ、ファンキー・ミーターズの骨格です。ギターはイアン・ネヴィル。 そしてアート・ネヴィルのオルガンが良い音しています。
さて、フィールド・オブ・ヘヴンのジョージ・ポーター・ジュニア、楽しみですね!!早く彼らのファンクに浸かりたい。そしてあの場所でアーティ兄さんに思いを馳せたい。しかもジョージの前には、ミーターズ愛の顕著なニュー・マスターサウンズのエディ・ロバーツと、ソウライヴのアラン・エヴァンス率いるマタドール!ソウル・サウンズが出ますからね。こういうリレーも嬉しい。
7月22日、”パパ・ファンク”ことネヴィル・ブラザーズの長兄、アート・ネヴィルが亡くなられました。ミーターズの中心人物として、ニューオーリンズ・ファンクの礎を築き上げた、まさにニューオーリンズ・ファンクの生みの親であったアート・ネヴィル。レオ・ノッセンテリ(g)、ジギー・モデリステ(ds)、ジョージ・ポーター・ジュニア(b)と共にミーターズが作り上げた、唯一無比の土着型ファンクは、まさにニューオーリンズの伝説です。
そのミーターズのオリジナル・ベーシストであり、ミーターズからファンキー・ミーターズへと、最後までアートと活動を共にしたベーシスト、ジョージ・ポーター・ジュニアがフジロックにやってきます!!
今年のフジロック、「ルーツな日記」的な目玉と言えば、この人、ニューオーリンズ・ファンクのレジェンド、ジョージ・ポーター・ジュニアなのです。
アート・ネヴィルと共にミーターズの黄金時代を築いたジョージ・ポーター・ジュニア。ジガブーことジキー・モデリステ(ds)と鉄壁のリズム隊を組み、「Cissy Strut 」、「Funky Miracle」など、数々のニューオリンズ・ファンクの古典を生み出しました。1975年には、ローリング・ストーンズのツアーに同行するなど、その名声はロック界にも轟きました。またアラン・トゥーサンのプロデュースの元、リー・ドーシー、ドクター・ジョン、アール・キング、ラベル、ZZ・ヒルなど、ニューオリンズ内外の数多のセッションに貢献し、ニューオリンズ・ファンク黄金時代の屋台骨を担いました。
ザ・ミーターズの生み出す、キレと緩さを併せ持つ独特のファンクネスは、解散後もネヴィル・ブラザーズを筆頭に、その後続達に多大な影響を及ぼし、現在まで、ニューオリンズで活躍する全てのバンドに、多かれ少なかれその遺伝子が受け継がれていると言っても過言ではありません。
もちろん、その遺伝子はニューオリンズ内に留まりません。2000年代に入って、ニューマスターサウンズやスピードメーターがデビューし、ディープファンクのムーヴメントが興りますが、それはミーターズへのリスペクトを色濃く表すものであり、JB'sと並んでインストファンクの金字塔バンドとしての再評価を印象付けました。
さて、オリジナル・ミーターズの解散後のジョージ・ポーター・ジュニアはと言いますと、ファンキー・ミーターズとして活躍する一方で、ランニングパードナーズ、ポーター・バティステ・ストルツ、ザ・ミーター・メンなど、その変幻自在のライヴ活動から、ジャムバンド界隈でもレジェンドな存在感を発揮しいきます。オリジナル・ミーターズの再結成も度々果たし、大きな話題となりました。
日本には、ファンキー・ミーターズとしてはもちろん、エディ・ボ、スヌークス・イーグリン、アール・キングのサポートなど、何度も来日しています。私も何度観たかった分かりません。フジロックにも2009年にファンキーミーターズで、ヘヴンのトリを務めています。
何度も来ているんでしょ?いえいえ、ジョージ・ポーター・ジュニアのライヴは、何度見ても最高なのです。それに、アート・ネヴィルより若いとはいえ、もう70歳を超えてますからね。もちろん、これが最後の来日になるかも?なんて思いは過らないほど元気ですが。とは言え、伝説的なミュージシャンは、見れる時に見ておかないと…。
しかも今回は、引き連れてくるバンドが凄いんです。現代のミーターズといった風情のダンプスタファンクから、アイヴァン・ネヴィル(org)、イアン・ネヴィル(g)、トニー・ホール(g)の3人。イアン・ネヴィルは、ミーターズの生みの親でもあるアート・ネヴィルの息子で、一時期ファンキー・ミーターズの一員でもありました。アイヴァンは言わずと知れたニューオリンズが誇るゴールデン・ヴォイスのアーロン・ネヴィルの息子で、現行ニューオリンズのファンクシーンを背負って立つ漢。トニー・ホールは、元ネヴィル・ブラザーズのベーシストで、名作「YELLOW MOON」でベースを弾いていた人。そして、ジョージが近年組んでいるトリオから、Mick Lemmle(p)、テレンス・ヒューストン(ds)の2人。テレンス・ヒューストンは、トリオだけではなく、ランニングパードナーズやファンキー・ミーターズでもジョージの相棒を務めて来たドラマーなので、そのリズムの熟練度は折り紙付きです。
ただし、アート・ネヴィルが亡くなられたので、息子のイアンと、甥のアイヴァンの来日はどうなるか分かりませんけどね。
THE METERS / THE METERS
69年の記念すべきデビュー・アルバム。大名曲「Cissy Strut」から始まる全曲インスト・アルバム。ギターとベースがユニゾンでリフを引くスタイルも斬新な、独等の間とキレ、そして緩さが、ジワジワと寄せてくるようなファンクネス。これぞニューオーリンズという土壌が成せる技。セカンドライン・ファンクの原点。
THE METERS / REJUVENATION
74年の5作目。初期のシンプルなサウンドから徐々にハードさを増した演奏と、インディアン・フレイヴァーや聴き易い歌物志向が奇跡的に結実した大傑作。「People Say」、「Just Kissed My Baby」、「Jungle Man」、「Hey Pocky A-way」、「Africa」など、ほとんど古典と言ってよい代表曲を多く収録。特に「Hey Pocky A-way」のジョージのベース・ラインは至高。セカンドライン・ファンクの到達点。
SNOOKS EAGLIN / SOUL EDGE
90年代における、ジョージ・ポーター・ジュニアのブラックトップへの貢献度も忘れてはなりません。アール・キング、キャロル・フラン&クラレンス・ホリマン、ロバート・ウォード、フィリップ・ウォーカーなどの諸作に貢献していますが、中でも印象深いのはスヌークス・イーグリンでしょう。この「SOUL EDGE」はスヌークスにとってブラック・トップ最後の作品。95年作。これは傑作ですね。ハーマン・アーネスト&ジョージ・ポーター・ジュニアのリズム隊が素晴らしい!そこにスヌークスのギターのエグい切れ味が絡んだ極上のニューオーリンズ・ファンク。
GEORGE PORTER JR. / IT'S LIFE
ジョージの07年のソロ作。豪華ゲストが多数参加している中、ラッセル・バティステが約半分の曲でドラムスを叩いています。ジョージらしい丸みを帯びたファンクももちろん良いですけど、意外と渋いメロウ・チューンが秀逸だったり。素朴な歌声がまた良いんです!
PORTER BATISTE STOLTZ FEATURING PAGE McCONNELL / MOODOO
アート・ネヴィルの居ないファンキー・ミーターズ?なんて言われそうなポーター・バティステ・ストルツ。彼らが元フィッシュの鍵盤奏者ペイジ・マッコーネルを迎えた08年のライヴ盤。ミーターズがジャム・バンドにも影響を与え、リスペクトされていることが伺える激熱なライヴ!
FUNKY METERS / LIVE IN JAPAN
ファンキー・ミーターズによる09年の夏に行われた渋谷クワトロ公演の実況録音盤。2枚組で2時間越え。これは沼です。底なし沼です。肩までどっぷりな感じです。これぞバイユー・ファンクの真骨頂です。その中心となるのはジョージ・ポーター・ジュニアのベースです。彼のベースこそ、ファンキー・ミーターズの骨格です。ギターはイアン・ネヴィル。 そしてアート・ネヴィルのオルガンが良い音しています。
さて、フィールド・オブ・ヘヴンのジョージ・ポーター・ジュニア、楽しみですね!!早く彼らのファンクに浸かりたい。そしてあの場所でアーティ兄さんに思いを馳せたい。しかもジョージの前には、ミーターズ愛の顕著なニュー・マスターサウンズのエディ・ロバーツと、ソウライヴのアラン・エヴァンス率いるマタドール!ソウル・サウンズが出ますからね。こういうリレーも嬉しい。