ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

2012年 ベスト・アルバム 5位~10位

2013-03-17 01:13:33 | 2012年総括
第5位

RUTHIE FOSTER / LET IT BURN
リズム隊にラッセル・バティステ(ds)&ジョージ・ポーター・ジュニア(b)を向かえたニューオーリンズ録音。かの地の空気を吸いつつ南部のソウル/ゴスペル/フォーク/ブルースを彼女流にブレンドさせたようなルーツ・サウンドがことの外心地良い。土っぽくも昂揚感のあるデイヴ・イーズリーのペダル・スティール・ギターが特に印象的。ルーシーの歌声もジワジワとブラック・フィーリングが染み出るようで素晴らしい。ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマをゲストに招いた「The Titanic」でのスピリチュアルなゴスペル・フィーリングはまさに本領発揮の味わい。黒人シンガーとしてはユニークな立ち位置に居るように感じる彼女ですが、このソウルフルな歌声はまさに本物! 聴けば聴く程コクが深まります。



第6位

OLD CROW MEDICINE SHOW / CARRY ME BACK
これは格好良い!! オルタナ・ブルーグラス!こういうのを待っていたんです。やはりドン・ウォズがプロデュースした前作は奇麗に纏まり過ぎでした。今作は1曲目「Carry Me Back To Virginia」から血湧き肉踊るリズムに思わず踊り出したくなってしまいます。やはりメディシン・ショウを名乗るからにはこういった猥雑な空気がないとね。この曲のようなアップテンポ曲における、プリミティヴなオールド・スタイルに現代的なエッジを効かせたようなグルーヴはある意味パンキッシュと言えるかも。それもそのはず、プロデュースを務めたのはフロッギング・モリーの元ギタリスト、テッド・ハット。彼はフロッギング・モリーはもちろんドロップキック・マーフィーズなんかも手掛けてますからね。とは言え、スロー・ナンバーも味わい深く秀逸で、ひなびたカントリー/ブルーグラスなフィーリング豊かな作品です。


第7位

THE LITTLE WILLIES / FOR THE GOOD TIMES
なんだかんだ言って、カントリーを歌うノラ・ジョーンズが大好きなんです!! 私が彼女の新作「LITTLE BROKEN HEARTS」を好意的に受け入れられたのも、その直前にこのアルバムがリリースされていたからかもしれません。特にハンク・ウィリアムス曲「Lovesick Blues」の味わいは格別。もちろんジム・カンピロンゴのギターも相変わらず強力。気心知れた仲間が寄り集まって大好きなカントリーを演る。そんな肩の力の抜けた楽しげな親密感も素敵。それでも単なる趣味で終わらないのは、やはりノラ・ジョーンズの歌声が醸すマジックなのかもしれません。


第8位

ALICIA KEYS / GIRL ON FIRE
私がビヨンセと並んで大好きなアリシア・キーズですが、どうしても前作「THE ELEMENT OF FREEDOM」は好きになれませんでした。なので今作もさほど期待はしていなかったんですけどね。そんな気持ちで聴いたこの作品、第1印象は前作の延長線上というイメージであまり良くなかったのですが、何故か後を引く。そしてまた聴きたくなってしまう。また聴くとさらにもう一度聴きたくなって、結局毎日のように聴き続けてしまうと言う始末。しかも聴けば聴く程、好きになっていくというスルメ作品。アリシア・キーズならではのしっとりした昂揚感が素晴らしい!! 前作には希薄だったねっとりとした黒さが感じられる。特に後半に固められた「Tears Always Win」、「Not Even The King」、「That's When I Knew」、「One Thing」辺りのミドル/スローは至福。


第9位

HIROMI THE TORIO PROJECT FEATURING ANTHONY JACKSON & SIMON PHILLIPS / MOVE
いや~、上原ひろみは素晴らしい!! もちろんアンソニー・ジャクソンもサイモン・フィリップスも凄い訳ですけど、これの青写真を描いた上原ひろみの凄まじさっていうのは筆舌に尽くし難いものがあります。トリオというスタイルでのこの密度!! 堪りませんね~! 朝起きてからの1日の流れを表現した作品だそうですが、目覚めの曲である1曲目「Move」からもの凄いテンションで駆け巡っていく。これが目覚めの曲ですか?っていうねじれ具合に上原ひろみの脳の中っていったいどうなってんの?と、ちょっと覗いてみたい気分に。


第10位

THE LIFE & TIMES OF ... / HOT 8 BRASS BAND
07年のデビュー・アルバム「ROCK WITH THE HOT 8」も最高だったニューオーリンズのブラス・バンド、ホット8ブラス・バンドによる待望の2作目。スネア、バスドラ、スーザフォンが絡み合う、ストリート/パレード仕様のリズムはこれぞブラス・バンド!! ギラついた音色で切れ込んでくるホーン隊は若さに溢れる瑞々しさですが、そのアンサンブルには独特のルーズさがあり、それこそニューオーリンズそのもの。しかもそんな伝統的なスタイルを踏襲しつつも、現代に響くヒップな感覚に溢れてる。ベースメント・ジャックスの「Bingo Bango」をカヴァーするセンスにもやられます。