PATTI SMITH / BANGA
1月23日、渋谷AXにてニューヨーク・パンクの女王パティ・スミスを観てまいりました。
「ルーツな日記」的にはあれですけど、実は私、パティ・スミスの大ファンなんです。初来日からフジロックも含めて来日する度に必ず観に行っています。今回は09年のフジロック以来3年半振り、単独来日では03年以来10年振りだそうです。東京は渋谷AXとオーチャードホールの2DAYSでしたが、私はスタンディングの方が好きなのでAXを選びました。
最新作「BANGA」から開放的な「April Fool」で幕を上げ、序盤から1st作「HORSES」収録の「Redondo Beach」や「Free Money」が炸裂。和太鼓奏者を向かえたスケールの大きな「Fuji-San」やエイミー・ワインハウスに捧げた「This Is The Girl」などなど。とにかくパティの声が良い! とても66歳とは思えない艶やかさと伸びやかさ、そして芯が太くしっかりとしている。さらにあの独特の歌い回し。その容姿や仕草ももちろんですが、やはりこの歌声を聴くと、ああパティ・スミスだ!と思わず感激してしまいます。それは優し気で和やかな慈愛を感じさつつ、凛とした真っすぐな力強さに溢れてる。これぞパティ・スミスですよ!!
中でも「Beneath The Southern Cross」は圧巻でしたね。パティがアコギを弾きながら歌ったこの曲。なんて言いますか、精神の奥深いところから沸き上がるようなパンク・スピリットを感じさせられましたね。こういったスローな曲でパンクを感じさせてくれるのがパティ・スミスの凄さです。
バック・バンドはレニー・ケイ(g)とジェイ・ディー・ドゥーティー(ds)、トニー・シャナハン(b)といったお馴染みのメンバーにキーボーディスト(ジャック・ペトゥルッツェリというサポート・メンバーらしい。ギターも弾きます)を加えた4人編成。特にレニー・ケイとジェイ・ディー・ドゥーティーはパティがデビュー時から信頼を置くメンバーですからね。そんなバックに支えられたパティは終始自然体の印象。穏やかな表情でステップを踏んだり、観客とのやり取りを笑顔で楽しんだり、もちろん床にペッ!と唾を吐いたりもする。それもいたって自然体。でもその自然体がかえって神々しい崇高さを醸すようで、そんなパティに私は目が眩むようでした。
中盤に披露されたレニー・ケイをフューチャーしてのメドレーも印象的でした。パティに紹介されレニーがギターを掻き鳴らし歌い始めたのはザ・ストレンジラヴスの「Night Time」。これはまだパティがデビューする数年前、レニーの編纂によりリリースされた60年代のガレージ・ロックン・ロールを集めたオムニバス盤「NUGGETS」に収録されていた曲。これはマニアには嬉しい選曲だったんじゃないですか?さらに「NUGGETS」所縁のブルース・マグース、ザ・シーズと続きましたからね~。そしてその間に挟まれたのが「Born to Lose」ですよ! ジョニー・サンダーズの名曲ですよね。この曲はトニー・シャナハンが歌いましたが、パティ・スミスのバンドがレニー・ケイを中心にパンクのルーツとも言われる「NUGGETS」とニューヨーク・パンクの代表格ジョニー・サンダースの名曲を演奏する。これは興奮せずには居られませんでしたね~。ちなみにこのメドレーの最中、パティは舞台から引っ込んだり、出て来てコーラスを入れたり、脇役に徹しながらもなんか楽しそうでした。
正直、このメドレーをもっと聴いていたい衝動に駆られたりもしましたが、再びパティが主役に返り咲いての「Because The Night」。この展開も見事でしたね。やはりパティ・スミス。そしてこの曲は名曲ですね。サビは大合唱でした。さらに「Pissing In A River」。パンクとアートとポエトリー・リーディングが交差するようなエモーショナルこの上ないパティの歌唱が胸に突き刺さる。やはり初期の曲って言うのはパティの魔力を増幅させるようです。美しいスロー・ナンバー「Peaceable Kingdom」の終わりに朗読のような感じで「People Have The Power」の一節を加えていたのも何処かスピリチュアルな感じで印象的でした。
本編ラストは「Gloria」。待ってました!って感じ。ビート感及びそのスピードを上げていきながらアドレナリンを放出しまくるかのようなパティのパフォーマンスは圧巻の一言。そしてサビに雪崩れ込んでの「グローーーリア!!」の大合唱。観客達も大爆発ですよ! そしてそれを煽動するパティの現役感って言うのも半端無い。やはりパティ・スミス! 66歳にして「ニューヨーク・パンクの女王」という看板は伊達じゃありません。いやとっくにそれをも超越しちゃってますけどね…。
アンコールは最新作のタイトル・トラック「Banga」。アヴァンギャルドな曲調にサビを叫ぶパティのダミ声が強烈でした。バンドメンバーと観客達みんなで犬の吠え声を真似して「ワンワンワンワン」と会場中に響かせたり。ラストは「People Have The Power」。もちろんサビは大合唱。パティの上げる拳にはまるで何か特別な力が宿っているかのよう。私も拳を上げながら歌いましたよ!
People Have The Power!!!!
アンコールを含めて1時間半ぐらいだったでしょうか。「Rock N Roll Nigger」のような派手な曲をやらなかったこともあってか、観客達は私も含めて終始落ち着いていた印象でしたが、流石に 「Gloria」からは盛り上がりました! ですが大騒ぎするよりも、パティのスピリットをしっかりと受け止めるようなライヴだったかもしれません。それと、パティ・スミスは会場で福島の児童養護施設への募金を募っていまして、募金すると抽選会に参加出来て、その抽選をライヴ中にステージでやったりと、パティの暖かさとアット・ホームな雰囲気が色濃く感じられたステージでもありました。私も恥ずかしい程ほんの僅かですが募金させて頂きました。もちろん抽選にはハズレましたけど…。
この日のセットリスト↓
01. April Fool
02. Redondo Beach
03. Free Money
04. Fuji-San
05. Ghost Dance
06. This Is The Girl
07. Dancing Barefoot
08. Beneath The Southern Cross
09. Medley
Night Time (The Strangeloves)
We Ain't Got Nothin' Yet (Blues Magoos)
Born to Lose (Johnny Thunders & Heartbreakers)
Pushin' Too Hard (The Seeds)
10. Because The Night
11 Pissing In A River
12.Peaceable Kingdom
13. Gloria
------------------------
14. Banga
15. People Have The Power
1月23日、渋谷AXにてニューヨーク・パンクの女王パティ・スミスを観てまいりました。
「ルーツな日記」的にはあれですけど、実は私、パティ・スミスの大ファンなんです。初来日からフジロックも含めて来日する度に必ず観に行っています。今回は09年のフジロック以来3年半振り、単独来日では03年以来10年振りだそうです。東京は渋谷AXとオーチャードホールの2DAYSでしたが、私はスタンディングの方が好きなのでAXを選びました。
最新作「BANGA」から開放的な「April Fool」で幕を上げ、序盤から1st作「HORSES」収録の「Redondo Beach」や「Free Money」が炸裂。和太鼓奏者を向かえたスケールの大きな「Fuji-San」やエイミー・ワインハウスに捧げた「This Is The Girl」などなど。とにかくパティの声が良い! とても66歳とは思えない艶やかさと伸びやかさ、そして芯が太くしっかりとしている。さらにあの独特の歌い回し。その容姿や仕草ももちろんですが、やはりこの歌声を聴くと、ああパティ・スミスだ!と思わず感激してしまいます。それは優し気で和やかな慈愛を感じさつつ、凛とした真っすぐな力強さに溢れてる。これぞパティ・スミスですよ!!
中でも「Beneath The Southern Cross」は圧巻でしたね。パティがアコギを弾きながら歌ったこの曲。なんて言いますか、精神の奥深いところから沸き上がるようなパンク・スピリットを感じさせられましたね。こういったスローな曲でパンクを感じさせてくれるのがパティ・スミスの凄さです。
バック・バンドはレニー・ケイ(g)とジェイ・ディー・ドゥーティー(ds)、トニー・シャナハン(b)といったお馴染みのメンバーにキーボーディスト(ジャック・ペトゥルッツェリというサポート・メンバーらしい。ギターも弾きます)を加えた4人編成。特にレニー・ケイとジェイ・ディー・ドゥーティーはパティがデビュー時から信頼を置くメンバーですからね。そんなバックに支えられたパティは終始自然体の印象。穏やかな表情でステップを踏んだり、観客とのやり取りを笑顔で楽しんだり、もちろん床にペッ!と唾を吐いたりもする。それもいたって自然体。でもその自然体がかえって神々しい崇高さを醸すようで、そんなパティに私は目が眩むようでした。
中盤に披露されたレニー・ケイをフューチャーしてのメドレーも印象的でした。パティに紹介されレニーがギターを掻き鳴らし歌い始めたのはザ・ストレンジラヴスの「Night Time」。これはまだパティがデビューする数年前、レニーの編纂によりリリースされた60年代のガレージ・ロックン・ロールを集めたオムニバス盤「NUGGETS」に収録されていた曲。これはマニアには嬉しい選曲だったんじゃないですか?さらに「NUGGETS」所縁のブルース・マグース、ザ・シーズと続きましたからね~。そしてその間に挟まれたのが「Born to Lose」ですよ! ジョニー・サンダーズの名曲ですよね。この曲はトニー・シャナハンが歌いましたが、パティ・スミスのバンドがレニー・ケイを中心にパンクのルーツとも言われる「NUGGETS」とニューヨーク・パンクの代表格ジョニー・サンダースの名曲を演奏する。これは興奮せずには居られませんでしたね~。ちなみにこのメドレーの最中、パティは舞台から引っ込んだり、出て来てコーラスを入れたり、脇役に徹しながらもなんか楽しそうでした。
正直、このメドレーをもっと聴いていたい衝動に駆られたりもしましたが、再びパティが主役に返り咲いての「Because The Night」。この展開も見事でしたね。やはりパティ・スミス。そしてこの曲は名曲ですね。サビは大合唱でした。さらに「Pissing In A River」。パンクとアートとポエトリー・リーディングが交差するようなエモーショナルこの上ないパティの歌唱が胸に突き刺さる。やはり初期の曲って言うのはパティの魔力を増幅させるようです。美しいスロー・ナンバー「Peaceable Kingdom」の終わりに朗読のような感じで「People Have The Power」の一節を加えていたのも何処かスピリチュアルな感じで印象的でした。
本編ラストは「Gloria」。待ってました!って感じ。ビート感及びそのスピードを上げていきながらアドレナリンを放出しまくるかのようなパティのパフォーマンスは圧巻の一言。そしてサビに雪崩れ込んでの「グローーーリア!!」の大合唱。観客達も大爆発ですよ! そしてそれを煽動するパティの現役感って言うのも半端無い。やはりパティ・スミス! 66歳にして「ニューヨーク・パンクの女王」という看板は伊達じゃありません。いやとっくにそれをも超越しちゃってますけどね…。
アンコールは最新作のタイトル・トラック「Banga」。アヴァンギャルドな曲調にサビを叫ぶパティのダミ声が強烈でした。バンドメンバーと観客達みんなで犬の吠え声を真似して「ワンワンワンワン」と会場中に響かせたり。ラストは「People Have The Power」。もちろんサビは大合唱。パティの上げる拳にはまるで何か特別な力が宿っているかのよう。私も拳を上げながら歌いましたよ!
People Have The Power!!!!
アンコールを含めて1時間半ぐらいだったでしょうか。「Rock N Roll Nigger」のような派手な曲をやらなかったこともあってか、観客達は私も含めて終始落ち着いていた印象でしたが、流石に 「Gloria」からは盛り上がりました! ですが大騒ぎするよりも、パティのスピリットをしっかりと受け止めるようなライヴだったかもしれません。それと、パティ・スミスは会場で福島の児童養護施設への募金を募っていまして、募金すると抽選会に参加出来て、その抽選をライヴ中にステージでやったりと、パティの暖かさとアット・ホームな雰囲気が色濃く感じられたステージでもありました。私も恥ずかしい程ほんの僅かですが募金させて頂きました。もちろん抽選にはハズレましたけど…。
この日のセットリスト↓
01. April Fool
02. Redondo Beach
03. Free Money
04. Fuji-San
05. Ghost Dance
06. This Is The Girl
07. Dancing Barefoot
08. Beneath The Southern Cross
09. Medley
Night Time (The Strangeloves)
We Ain't Got Nothin' Yet (Blues Magoos)
Born to Lose (Johnny Thunders & Heartbreakers)
Pushin' Too Hard (The Seeds)
10. Because The Night
11 Pissing In A River
12.Peaceable Kingdom
13. Gloria
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14. Banga
15. People Have The Power