ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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フジロック・ベストアクト第5位

2008-08-03 01:01:55 | フジロック
MICHAEL FRANTI AND SPEARHEAD / ALL REBEL ROCKERS

超個人的フジロック・ベストアクト第5位、マイケル・フランティ&スピアヘッドです!

27日ヘヴンであのライヴを体験した人は、「え~! なんで1位じゃないの?」と思われるかもしれません。でも私も断腸の思いでこの順位にしたのです。察してください…。

さて、27日夕方のヘヴン、いやその前に26日深夜の場外岩盤ブースから始まります。0時から始まった彼らのアコースティックライヴ。アコースティックと言っても純粋な弾き語りではなく、アコギ2本にスネアとエレキ・ベースも入った準バンド・セット。

バンドを前に数十人が地べたに座り、最前列は手を伸ばせばマイケルに届きそうな位置。そして目の前の観客に話しかけるように「Hello Bonjour」でスタート。と同時に親密かつピースフルな空気に包まれ、さらにその暖かさは祝祭的な雰囲気に。 アコースティック主体ながらレゲエを基調にしたアッパーな曲調が続き、後ろを振り返ると立ち見の観客は楽しそうに踊りだしていました。

6曲程度の演奏でしたが最後の「Say Hey (I Love You)」あたりでマイケルに促され観客は総立ちに。まるで堰が切れたように踊りまくる群集。最後はマイケル自信がその中に割って入り握手やらボディタッチやらもみくしゃに。私もドサクサに紛れて握手してもらいました。

演奏が終わってもその後のサイン会の準備が出来るまでファンとハグしたり写真撮ったり、なんだかサイン会の意味がなくなりつつある感じ…。私はと言いますとサイン会はパスしてロドガブの様子を見にパレスへと移動。ロドガブのキャンセルに動揺しつつパレスで一遊びして帰路についたのですが、帰りに岩盤をチラッと覗いたら、マイケル兄さんはまだファンと何やら親睦していました。良い人だ…。

そしてその翌日の夕方、雨のヘヴン。やはりフルバンド仕様は音圧もノリも昨晩とは別物。やはりレゲエ色が濃厚ながら、よりミクスチャー度が増し、マイケル・フランティ&スピアヘッドならではのダンス・ミュージックに。当のマイケル兄さんはステージ狭しと動き回り、観客もそれに答え大盛り上がり。昨晩の親密さはここではもっと大きな一体感へと変貌していました。

「Rude Boys Back In Town」、「Hey Wowld」、「All I Want Is You」、「I Got Love For You」など、新作「ALL REBEL ROCKERS」からの曲のポジティヴなヴァイヴが素晴らしい。そして何より楽しい! 一緒に歌い、一緒に跳ね、一緒に手を振り、一緒にタオルを回す。マイケル兄さんは音楽の楽しみ方を伝授するがごとく笑顔で観客をリードしていきます。それもその背景にマイケルの反戦や平等を願う真摯な姿勢があるからこそ。だからこそ楽しさにも説得力があるんですよね。

タワーレコードのフリー誌「bounce」08年8月号のマイケル・フランティの記事の中で、彼は新作についてこう語っています。「アルバムのテーマは、危機に直面しているいまを、ユーモアと笑顔を忘れずに、踊って、心を大きく構えて、愛を信じて、前向きに生きること」。まさにこれですよ! ライヴはアルバム以上にこのテーマそのものでした。あの時間と空間は本当に幸福感に満たされ、一瞬「音楽は世界を救える!」と本気で思いましたよ。みんながマイケル・フランティのライヴを見れば…。

そしてステージの最後はやっぱり「Say Hey (I Love You)」。終わりを惜しむかのように“I Love You, I Love You”のリフレインが繰り返される。最後は観客の歌うそのリフレインに乗せてメンバー全員がステージ前で肩を組んでラインダンス。もう何でもやってくれ!とにかく最高の人達でした。

終演後、観客の多くはしばらくあの場を離れることが出来ず、場内に流れるボブ・マーリーに合わせて幸せそうに踊っていました。ステージ前方ではマイケル兄さんが降りてきて、端から端まで観客と握手。ライヴ後の笑顔って素敵ですよね。マイケル・フランティが居るかぎり、平和の火は消えませんよ!

そう言えばライヴ中、ホワイトステージ側の空を振り返ると、薄っすらと一筋の虹が見えていました。