ケン太とのprecious days

3度の不登校を経て、なんとか高校を卒業し、社会人になったケン太。社会での成長&安定を見守る母のブログです。

『若者たちの新しい生き方』N高校、山奥ニート・・・

2020-07-12 23:51:28 | 感名を受けた話
昨日の『世界一受けたい授業!!』をご覧になった方もいらっしゃると思います。

『若者たちの新しい生き方』スペシャルでして、
新しい教育を目指す『N高等学校』と、限界集落で集団生活を送っている『山奥ニート』を取り上げていました。

どちらも、今現在、不登校状態。もしくは不登校経験者にとって、とても興味深い内容だったのではないかと思います。
私の備忘録として、また番組を見ていない方にご紹介できればと、書き留めることにします。



『N高等学校』・・・

私はその高校の存在だけは知っていました。
オンライン授業が中心で、通信制のような学校という印象でしたが、
今回詳しいカリキュラムを知って、これは注目されるだけのことはあるなと思いましたよ。

「ネットコース」と「通学コース」があるらしいですが、授業はどちらもオンライン授業。
オンライン授業は、高校の必修授業だけでなく、プログラミングとか、
小説とか、webデザインとか、生徒が学びたいことを学ぶことができる。
その講師というのが、また凄く、各界で活躍している一流の先生が指導されているんです。
声優さんとか、アニメのデザインを担当されているプロの方です。
文科省のカリキュラムは教科書を使い、動画を早送りできなくなっているらしいですよ。

オンライン授業はアプリでして、部外者も、月1,000円で見ることができるとのこと。
それも画期的ですね。

高校卒業資格には、対面授業が必要なので、2年次に4泊5日の沖縄で、一緒に授業を受け、
そこで、イカ釣り、マタギ、刀鍛治、船大工・・・などの体験ができる。

部活も最先端でして、株の運用をする投資部というのがあり、元村上ファンドの村上さんが顧問?
生徒には、20万円提供され、東京証券取引所 上場銘柄の株を運用。
利益が上がったら、部員のものになる。
損失が出てしまっても、部員が補填しなくていいそうです。

そこで、お金に対する恐怖心、お金とは何か?を学ぶそうです。

あと、起業部、というのがあり、部の活動資金が、年間最大、1000万円!
実際に会社設立した部員もいるとのこと。

大人になって失敗して、取り返しがつかなくなる前に、早めの挑戦、失敗が大事とのことでした。

この学校に向いているのは・・・

「意欲のある子」・・・と言ってました。

私が思うに、最初はそこまででなくても
入ってみて刺激されて意欲が芽生えてくるということは十分にあるなと思いました。



そして『山奥ニート』・・・

和歌山県田辺市。
平均年齢80歳以上の高齢者が5名住んでいる限界集落。
そこで、今、20~40代の男女が12人、共同生活をしているらしいです。

山奥ニートの生き方・・・
予定立てしているわけではなく、起きてから考える。
インターネット、テレビ、川遊びをしたり、野菜をつくったり、ニワトリと遊ぶなど、
好きなことをして自由に暮らしている。

なぜニートを始めたのか・・・
山奥ニート、ひとりめの男性の場合。

きっかけは被災地でのボランティア活動。
ニート生活をしていた時に起きた、東日本大震災。
被災地の惨状を見て、ボランティアに参加。
来てくれる人はニートが多かった。

普段なにもしていない、部屋にこもっている人は
いざという時にエネルギーが出る。
ニートのエネルギーも必要になる・・・漠然と考えていた2014年。

「ニートや引きこもりの方、和歌山の山奥に住んでみませんか?」

過疎化が進む自分の故郷にニートやひきこもりなど、
社会に居場所がない人を集め、共同生活をさせたいという思いに触れ、移住を決意したそうです。

5人の高齢者とは全員、顔馴染み。
挨拶するととても喜んでくれる。

ここに住んでいる人は皆、楽しそう。
山奥に住んで、老後どうするの?とか思うけど、
ああいうのを見ていると、楽しく生きていけそうな感じがする。

受け入れてくれたお礼に、高齢者には出来ない力仕事など手伝っているそうです。

共同生活の様子・・・

「友達」では絶対ないし「家族」ほどベタベタしているわけではない。
「群れ」って感じ。
本名は使わない。お互いに本名を知らない人の方が多い。
他人に興味がない人たちなので。
微妙な距離感を保つため、山奥ネームで呼び合っている。
ニートになった経緯、お互いの過去は探らない。
それは暗黙の了解だそうです。

食事はお腹が空いた人が全員分、作る。
誰もやらなかったら、やらなかったで、みんな勝手に作る。
料理を作ったことがない人たちだったが、今では皆、得意料理がある。

チームワークなどという便利な言葉は存在しない。

生活費はひとり月2万円くらい。
食費も光熱費も生活に必要なもの全て。
全然、貧乏だと思っていないし、節約しているつもりもあまりない。
健康保険料と年金は納めている。

現金は、山奥の仕事を手伝って稼ぐ。
山奥は365日通して稼ぐ仕事はあまりないが、期間限定のものは結構ある。
若い人が全然いないので人手不足。
林業、梅農家、キャンプ場、温泉旅館・・・仕事には困らない。
それと「山奥ニート」を応援してくれる方の支援物資も届けられている。

元々引きこもりだからといって、仕事はきつく感じない。
向こうもニートだとわかっている。
求められることもない。
半人前だと見られていると思う。

それは「ニートではないのでは?」という声も。

いかにもニートで働きたくなくて母親にものをねだるようなニートは
全体からしたらすごく少ない。
ニートにはいろんなニートがいて、その中のニートのほとんどは、
ちょっとくらいお金を稼いでいる。
その延長という感じ。

見学者は200人以上きた。
仕事をやめようかなとか、学校をやめようかなと思っている人が、
選択肢の一つとして見にくることが多い。
住むことになったのは、約20%。

山奥ニートに向いている人は・・・

動きがゆっくりしている人。
目が死んでいる人。

パキパキした人。仕切っていく人は向いていない。

入居したら、平均、2~3年で出て行く。
仕事が決まった。やりたいことが決まったなど、
ポジティブな理由が多い。
山奥の生活が生かされている。

卒業して就職してもいいし、この過疎集落に住んでも村の人は喜ぶ。
どっちでもいい。

全然、人と喋らなかったけど、ここに来て、打ち解けるようになってきて、
実家に帰ったあと、親と仲良くなった人もいる。

追放もあり、その条件が二つ。
2万円の滞納と、暴力。
古参3人で決める。

ひとりだったら不安でこれから先どうなるんだろうと思う。
でも、いい大人が10人集まったら、大体のことはできる。

ひきこもり、ニート・・・
会社からいらないと言われた側の人間、
いらないというなら山奥の何もない場所に
「自分たちで新しい社会を作ってやる」という思い。


今回の先生の、古市さんの締めの言葉・・・

生き方が1個じゃない社会になっていけばいい。
N高でも山奥ニートでもいいと思うけど、
理屈じゃなくて、違う選択肢が見えるようになったら、
もっと楽に生きられるようになるのかな?


~~~~~~~~~~~~~~~

『若者たちの新しい生き方』として取り上げられているけれど、
N高と山奥ニートと、向いている人がまったく逆というのが面白い。
それだけ人生の選択肢の幅が広がっているのだろうと感じました。

こんなに村の人が皆、受けいれてくれて、自分でも役に立つ。必要とされているという実感が持てることは貴重な体験だと思います。心が元気になっていくのも納得です。

逆を言えば、自分が求められていない。否定され続けてきたという環境に身を起き、自分で自分をも否定するようになってしまっていたのではないのかなと想像します。

だからこそ、誰も過去を詮索する人がいないという環境がありがたい。
出ていっても、残ってもよし!
どっちに転んでも大丈夫。
働くにしても、期待に応えなければという緊張がない。

そう実感できることで、心を取り戻せるのだと思います。


びっくりしたのは、山奥ニートの中に既婚者がいたということです。

奥様とは別居中。単身ニート。
奥様はご主人が、そういう生活を続けられるというのは、ある意味凄いことだ。良いんじゃないかと。
奥様自身も、1カ月の山奥ニートの経験あるようです。
そして後に結婚。住まいは別々だけれど、
ご主人は山奥で山奥の経験値を溜めて、
奥さんは街で会社員の経験値を溜めて、
それが合流したら、2倍の経験値で高いレベルになるんじゃないかと。
奥様もご主人のそばで暮らせたらいいなと思っているそうです。

この夫婦の形も凄いなと思いました。
どれだけの人が、2倍の経験値と捉えられるでしょうか。
いや~私はそこまでの境地にはいけないなぁ
尊敬します!


ケン太はN高タイプと山奥ニートと、
どっちのタイプだろうねぇ~
なんか、どっちでもないような気がしますが。

でも、常に、また万が一というのは消えないので、
こういった生き方もあるということを知れて、ちょっと気持ちが明るくなったように思います。



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