かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

どしゃぶりの日に

2018-05-13 16:41:37 | アズワンネットワークのある暮らし

 

日曜日の午後はどしゃぶりの雨だった。

午前、散歩できなかったので、「出かけるよ」というと妻は「結構

降ってるよ」といった。

マンションの部屋から外を見ても、雨音は聞こえないし、

雨粒もよく見えなかった。

いったん外に出たけど、引き返し、妻に助けを求めた。

屋根のある広いスペースの本屋に車で送ってもらった。

 

車に雨音。悪くない。帰り、水田の早苗を眺めていたら、何か

水のなかで早苗がよろこんで小躍りしているようにみえた。

 

昨日は、三重県の保健所から「特定疾患医療費支給申請書」が

とどいたので、読んで、書き入れるところに書き入れた。

かかっている病院の欄では、4つ病院のうち3つが大学病院など

大病院で、地域で見てもらえる病院は一つだった。

これから、大きな病院だけで事足りるかな、チラッとおもった。

 

とき同じく、三重大学病院から心臓リハビリの様子を聞くアンケート

が送られてきた。

退院後、14ヶ月の身体の状態をいくつかの答えから選ぶのである。

だんだんやれる運動が減っている。「速足で20分歩けますか、30分歩け

ますか」負荷をかけたときの身体の状態を聞いている。

「10分歩くのも、しんどい」に丸を入れた。

14ヶ月の間の体力の衰えを知った。

食事やトイレも自分で行けるし、部屋では立ちくらみや息切れが

酷いときもあるけど、何とか暮らしている。

介護保険のランク認定では要支援1である。

 

 

自分の疾患がどんな経過を辿るのか。

心臓の細胞は負荷がかかるたび壊死していく。よくなる見込みは

ない。どれだけ、長く生きられるか、それであらん限りの

薬と腹膜透析で、心臓の心室頻脈をおこさないよう、心不全の

悪化を和らげている。

 

ネットで「末期心不全」で検索してみた。

ガン患者とは違い、どんな亡くなり方をするか、合併症か肺炎とか

で亡くなるケースも多いと言う。

「非ガン患者の病態の悪化は、それまでの療養生活の延長上に

死がある」と書かれていた。

緩和ケアーも確立しているとはいえないらしい。

 

今日(5/13)の午前中は雨は降っていなかった。

年来の友人佐々木夫妻とヤマギシの建築士の後藤さんが、顔を見に

きてくれた。

一見、顔色は悪くなく、坐って話をしていたら、病気もちには見えない

らしい。

そうこうするうちに、スイスからパトリックさんが現れた。

午後から、サイエンズスクール「自分を知るためのコース」に

参加する。

ちょっと、ミスマッチかとも感じたけど、佐々木さんたちに

は申し訳なかったけど、スイスからわざわざやってきたパトリックさん

についての話題を話した。

先日来た恵共同体での物語りは、昨夜親しい仲間からずいぶん

聞いているみたいだ。

韓国の人たちは、中心的な牧師さんが居なくなったらどうなる

かという課題をもっていた。

それが、3泊4日の見学、スタデイツアでのふれあいでとても

深い示唆をうけとったみたいでした。

「サイエンズメソッド」というものにどうも核心があるようだ、

もっと知りたいになっていったらしい。

ここで「サイエンズメソッド」を話題にした。

「スイスにもサイエンズメソッド」の種がパトリックさんに

宿ればいいなあ、と湧いてきて話した。

「争いのない、幸せな世界」を実現する方式を・・・

(じぶんでも、よく分かっていないのに、よく話した)

 

佐々木さんたちも黙って聞いていてくれた。

多少の息切れもした。

パトリックさんは、微笑みながら、その場の人たち溶け込んでいた。

 

いつどんな感じで死と向き合うのか、今ともいえるし、直前とも

いえる。

以前、「耄碌寸前」というエッセイを読んだことがある。

森於菟さん(70歳ごろの作品、森鴎外の長男、医者だった)

 

  「人は完全なる暗闇に入る前に薄明かりのなかに身をおく

  必要があるのだ。そこでは、現実と夢がないまぜになり、

  現実はその特徴であるあくどさとなまぐささを失い、一切

  の忘却である死をなつかしみ愛撫しはじめる」

 

もしかしたら、これは耄碌寸前というより、「サイエンズメソッド」

の探究ともつながるかなと思った。

夢が実際になる。

「あくどさとなまぐささを一切失い・・・」

内面の世界の人知革命なるかもしれないと、書きながらおもった。

(これが耄碌そのものかも?))

 

夕方、どしゃ降り雨は止む様子がない。

部屋はシーンとしている。

雨音がわずかに聞こえてくる。

パトリックさんのことをどこかで思っている。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿