ああ、めっきり冷え込んできた。
ついに長いパッチもはきだした。
11月は今年最後の岩魚句会。28日10:25分、集合。
もうかれこれ13回。よくぞ、ここまで来たもんだ。
今日の参加者16人。
三浦順子さん、句会に飛び入り。
自己紹介、三重県環境学習センターで地球環境をすすめる人を
養成している。蔓で籠をつくる人。
一人3句、各自書いて、提出。敏子さんが、一句一句台紙に貼る。
康子さんが、近くのコンビにで、プリントしてくる。
その間に、お弁当。おふくろさん弁当特製。
敏子さんがゆずの香りする大根の酢の物、佳子さんがお味噌汁。
カラダが温もる。
めいめい選句。
「今日は、人数が多いし、点がかたまららないように、7句選び
ましょう」と敏子さん。
どんな句会だったかなあ。
やっぱり、一人ひとりの句を紹介したい。
句だけで、本人が参加しなかった郡山さん、深田さんの句も。
点がたくさん入った人だけでなく。
選者の評が面白かった句。
作者の話を聞いて、「へえ、そうだったの」とその人が身近に
なったり。
句のなかから、その人の暮らしが垣間見えたり。
○ 我が職場株式なれどおでん味 中井正信
1点句。敏子選。おでんというのは、同じダシのなかにあっても、
具の一つひとつは、そのもの味を出している。
「長い竹輪は、長いままだもんね」(なーる!)
○かくれんぼ雲の間に間に冬の月 辻屋哲男
雲に隠れたり、出てくる様子を”かくれんぼ”と捉えたんだね。
○満月のハッと目が合う秋の暮れ 今井亜子
残念ながら点は入らなかったけど、満月とそのとき、どう付き合ったか
「満月に」がいいか「満月の」にするか、推敲したという。他の句では
サツマイモや大根など身の回りのものを題材にしている。
○魚市場声たかだかにのどぐろと 郡山恒久
「活気がある」郡山さんの句と分かって、「魚、食べるのすきなんだよな」
2点。
○目が笑うせつなのときを冬の道 栗屋 章
栗屋さんは、読んだだけでは意味不明の句をけっこう作る。
分からないけど、つい好奇心か選んでしまう。
今回は、音楽を聴きながら、笑ったりして、自分の世界に
浸っている人とすれ違ったときのことを詠ったらしい。
○満月や手のひら乗せて撫でてみる 深田哲男
7点句。「満月を撫でてみる、という気持ちに共感した」
「自分の人生も、撫でてやりたくなった」(爆笑)
○秋晴れへ吸い込まれゆく赤トンボ 金治
1点。選者中井さん「澄み渡った青い空に、赤のとんぼが
飛んでいる。いいなあ、と」余川さん「秋と赤トンボ、季語が
二つだなあ」(なーる!)
○焼き芋に舌鼓して夢談義 宮地小浪
「焼芋に、夢と取り合わせたところ、面白いね」「サツマイモ、
息子がつくったの、えーと、品種は夢はるか!」「・・・・?」
「ああ、ゴメン。紅はるか、だったわ」(笑い)
○秋焼けの庭先映える落ち葉かな 森原としこ
この句に2点。ほかに、「露天風呂アニオセオが豊かさを」という句。
??であった。作者の解説。「旅先で、いっしょの温泉
になった人から、”アンニョンハセヨ”(アニオセヨ、と聞こえた)
声かけられた」おそらく湯気の中で、心温まる体験をしのでしょう。
○お日さまの温もり包む熟柿かな 余川彬夫
「温もり包むというとらえかた、いいなあ」余川弁「熟柿のところ、
ずいぶん推敲した」(それで、熟柿になっちゃったのかな)
ほかに、「くるくると枯葉のおちてからからと」の句。
余川弁「擬音語を二つ入れた句にチャレンジしている」
今回は、1点も入らなかった。乞う、次回。
○人はみな夢追いかけて悟道 三浦順子
初参加の句。4点入った。「夢追いかけて、若々しい」「悟道って、
どんなイメージ?」「最終章?」(笑い)「諦めじゃない感じがしている」
「ところで、この句、季語がないんだよね」あとで、そうかということ、
あるよね。
○時運び最速背負えぬ軽き母 鈴木英二
7点句。受け取り方に諸説。「母が軽かったら、なぜ背負えない?」
「母はすでに亡くなって、骨になっている」
作者の弁「母と墓参に行った、自分が腰椎損傷があり、背負う
ことが出来なかった。ポイントは、時はゆったり進むが、母について
は。時は待ってくれない、そんな気持ち」あれ、これも季語なし。
○七五三幼きわが子今は母 伊藤敏正
5点句。「”幼きわが子”は”幼かりし”ということだよね」と敏子さん
ポツリ。「ああ、でもその時の父の気持ちなんだよね」と共感へ。
他に「孫生まれ逆単身の夜長し」と言う句。これにも、敏子さん、
「仕方ないもんね」と一言。「生まれしがあって、夜長し、とあるから
仕方ないだけじゃないかも」(大笑い)
○舞う落葉狂気の沙汰も地に還れ 宮地昌幸
「フランスの詩人、アル中のランボーを思い出した」
「いまのフランスで起きた事件を詠っているのかなと思った」
「切実な気持ちがあるけど、言葉にならなかったけど・・・」
○沖縄に春の来る日を願わんや 大平達男
「ずばり、その気持ち、そのまま」2点入った。
他に「パテシエや栗を練り込み街つくる」がある。菰野に
美味しいケーキ屋さんがあるという。「練り込む」に力が
感じられる、熱血男のうた。
○母が着し晴れ着愛おし七五三 辻屋康子
7点句。「晴れ着というのは、母のものか、祖母のものか」
「ここでは、祖母じゃないか」
「三代ものの句はみんな良いになっちゃうな」
作者弁「そうなのよね。ここでは、孫のことより、晴れ着のこと
うたっているかも」
○冬日なた老いた背に聴く長き日々 大平照子
7点句。「日なたの情景と背中を見せた老い人に思いを馳せて、
現われてくる世界いいなあ」
「きくも、ただ聞くというより、聴くだもんね」
余川さん。「冬日なた、の冬っているかなあ」「うーん」「日向ぼっこ」
「冬の外気の冷たさのなかの、日向という趣もいいんじゃない」
○冬帽子壁に残して父の逝く 伊藤敏子
7点句。「壁に残っている、冬帽子。そこから、さまざまな情感が浮かんで
くる。金治さんは23年前、父がなくなた時の光景が蘇ってきた。
「壁に残して、というところ、まだ父の温もりが残っているのかな」
作者弁。「そうなんですね。11月のことでした」
○幻想か茜に染まる秋漁港 上野
上野さん、句会の途中で現われた。
敏子さんが、それとなく声かけて、句会へ参加しやすいようにして
くれていた。
最後、上野さんの句についての話題、聞きそびれている。
覚えている人、足してください。
とっても、盛りだくさんな句会だった。余韻がいつまでも続く。
上野さんが届けてくれたお土産は、来年の正月の新年会の
会場の情報。
志摩町にある上野さんが以前勤めてた会社の保養所のホテル。
1月24,25日、土日です、
どんな年になるのか。
でも、今はあと一ヶ月、今年、どんなに締めくくっていくのかなあ・・・
外気は、ぐっと冬になる。
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