きょうの夕方テレビで、在宅で亡くなっていった95歳の男の方の
記録が報道されていた。
90歳を過ぎて、ガンが発見され、奥さんや娘さん、看護の方に
看取られながら、静かに息を引き取った。
あきらかに余命いくばくももない状態でも、「頭、洗おうか?」と
問うと首を「うん」と振った。
身だしなみのよい人だったらしい。
部屋には、彼が好きだった音楽が流れ、壁には歳をとってからの
手習いの絵が貼ってある。
娘さんが「お父さんの美術館よね」と言っていた。
彼は板前さんであり、バンドのメンバーで横須賀のキャバレーなどでも
演奏していたとか。
ベットで寝ている彼は若いときの面影はないけど、その顔の色艶は
これから命を終える人とは見えない。生き生きと血色がいい。
つやつやしている。
ハッとする。
命を終えると、思っている・・・
最近、理想の暮らしを語る会で、死を終末とみるか、完成とみるか、
自分はどうとらえているんだろう?
テレビのタイトルも「在宅で終末期をむかえる」みたいなタイトルだ。
その老人は、みんなに看取られて、静かに息を引き取った。
あれは、終末だったのか、完成だったのか。
命を終えたのか、命を全うしたのか?