かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

ボケ老人が集まるお弁当屋さん(2)

2013-03-09 05:48:41 | アズワンコミュニテイ暮らし

 おふくろさん弁当は、ボケ老人ばかりではない。

 若いお母さんも独身女性もおばさん、おばあさんもいる。

 

 おふくろさん弁当の”売り”は、一個からでも無料配達である。

 あのショッキングピンクの軽四のバンが鈴鹿の市内を走り

回る。

 

  配達は、おふくろさん弁当にとって、生命線である。

 毎回、薄氷の上を踏むような物語が繰りひろげられている。

 それが、暗い落ち込んだ空気にならないのは、なぜ?

 

 どこの高校も卒業式。

 そんな、この前の日曜日、四日市のA女学園へ特別弁当の配達に

行っての事・・・。

 1000円×68個かな? 10:00おふくろさん弁当発、下道通って

11:00着予定のはずであった・・・のだが、10:00・弁当が出来て

こない!・・・ 

 出来上がって出発が10:30!・・「えぇっ」調理も・詰めも「アウト」って

思っている暇無く、大急ぎでお届けへと出発。
 

 龍君が、「高速使って30分かな」ってんで、鈴鹿インターから四日市

インターまで高速走行、飛ばして飛ばして自分なりに時速100km走行、

いつもなら時速80km位なのだが・・・頑張りましたよ!
 

 A女学園の事務員さんに、高速道路から電話。

 「ぼけ老人の集う弁当屋・・おっと、と、違った。おふくろさん弁当ですが、

今、高速で向っているんですけど、どうも、5分か10分遅れそうです。

大丈夫でか?」

 「大丈夫じゃありません」 

 「えっ・・・」

 「でも、しょうがないから、待っているから早く来て・・」

 初めての道だし、一発間違えたらアウトだな、って思いながら牛丸さんに

電話して行く道聞きながらどうにか着いたら、10:10分。 

 龍くん~メールが「ぎりだな」・・・「えっ、それってアウト?セーフ?それとも

微妙?」
 

 着くなり「早く早く」ってべっぴんの事務員さんに、せかされるまま事務所に

28個おろした・・・のだが、「残り講堂へ40個持っていって」ってべっぴんさんに

言われながらも、「事務所にいくつおろしたか、数かぞえてください」って言っても

パニクリまくりのべっぴんさん「数えられない、分かりません」って・・・

 そこでべっぴんさん何を思ったのか「落ち着きましょう・落ち着きましょう」って。

 私も一緒に「落ち着きましょう・落着きましょう」と二人で深呼吸・・・

 落着いて確認した・・・はず、だったのだが!

 

 車で講堂へ回ると、別のべっぴんさんが「卒業生の親が食べるんだけれど、

今、校歌を歌っていて、歌い終わったら卒業生がどっと出て来るから、こんな所に

車止めないで」って・・・バック・バックと誘導されるままに裏の方へ。

 そこから最初のべっぴんさんと二人で、段ボウルに入った特別弁当えっこら

えっこらと抱えて講堂横入り口まで・・・

 中へ入ろうとしたべっぴんさん「うわっ、鍵がかかってる!」「もう、ここでいいわ。

お金、事務所で貰っていって」って別れた・・・のだが。また、会うことになろうとは!

 11:00って注文ぎりぎりすぎやろ、もう少し余裕持って注文して欲しいわ。 

注文の仕方、もう「アウト」やぞって思いながら、こりゃ2度と注文無いかもなぁ・・・

こっちもぎりぎり「アウト」かなぁ・・・。


 帰って空箱おろすと・・・ハッポースチロール少し重たい。

 「えっ、3個残っている」・・・あらぁぁぁ!」


 「あのぉ、べっぴんさんいますか? いない、なに、はしりまわっている?」

・・「あのぉ、帰ったら3っつ車にあるんですけど。届けるやつ、3個持って

帰ってきてしまいました」

 「えっ、まぁ・・本当ぅ!どうしましょ卒業式に・・・」

 「今からでも、よかったら届けに行きますが!」

 「3っつだったら、身内が食べる分だから、まぁいいか、持ってきて、遅れても

いいから」

 「はい、飛んで行きます、高速で行っても30分はかかかりますが・・・」

  高速飛ばして12:40、事務所のべっぴんさんニコニコ顔で「ごくろうさま」って・・

共に確認しあった仲だからねぇ・・・

 「飛んで来ました」

 こっちも笑顔で「どうもすいません、お茶も飲んでください」って途中で買った

ペットボトル差し出すと、満円の笑みで「お茶も貰えるんですか・・・」

癒される程の笑顔だね・・

 もしかしたら、又、注文してくるかもしれないぞこれは・・・

 「ギリギリ・セーフ」かな?

 


 近所のお店、お酒でも飲めるトコか?なにするトコか? 怪しげなお店「K」

 だいぶ前、昼にLサイズ届けに行ったのだが・・・

 「ありがとうございました」と帰ろうとした時、小さな声で「月曜いつものように」

声小さすぎ・・・お兄さんアウト・・・

 「えっ、月曜?、Lサイズですか?」

 「なにッ、帰って聞けや!」と怒られそう。 怖い怖い!

 翌週の土曜日、Lサイズと領収書渡した・・・はずだったのだが。

 「なんやこれ」

 「えっ、あッ、間違えました、違うところへ届ける納品書です」

 「んッ」

 顔が歪んできそうな・・・

 「領収書要りますよねぇ・・」

 「決まってるやろ」怖ッ「すいません、すぐ持って来ます」

 階段下りて、車へ。 あッ、領収書、車にあった。 落ちてたんだ、良かった、

とすぐ階段上がって行ったのだが・・・これが間違い。  

 「すいません、領収書、車に有りました」

 渡そうとすると、奥から出てきたお兄さん

 「一回でコイヤっ、このやろう」って大っきな声で怒鳴られた・・・怖い怖い・・・

 「すいませんでした」とドアを閉めようとすると「おんどりゃぁぁ・・」て大きな声で

怒鳴りながら、おもいっきしドアを蹴ってきた。  

 怖・怖・・・こっちも怖いが、お兄さんそんなに怖がらなくてもいいんじゃない、

アウトだよ・・・

 

 帰ると龍くんが「K店、なんか大変だったね」

 「えっ、何で、そうよ、怒った怒ったお兄さん・・・領収書間違えたら・・」

 「怒って電話かかってきたわ、何言っているかわからなかったけど」

 「俺が帰るまでに、電話かけてきたの、そう、そんなに怒ってたの!」
 

 今度行ったら殴られるかな、怖いな、殴られたら殴り返してやるかな、

って思ったり。 オッと反発心が出てきてきたな、ぼけぶりが中途半端で

「アウト」やな?・・俺って!。

 嫌やな行くのって思って、どうしようかなって思ったりしていたのだが・・・。
 

 ぼけぶり一級あの人に、頼んじゃぉ!

次の土曜日「泉田さんK店に行ける?」って聞くと、「間違えるからだよ」って、

簡単に行ってくれる。 

 泉田さんや玲子ちゃんが届けるとセーフなんだよな。 

 俺ってアウトやな? ボケが足りない・・・


                         (つづく?)