かたつむり・つれづれ

アズワンコミュニテイ暮らし みやちまさゆき

似たもの同士

2012-07-10 07:43:28 | わがうちなるつれづれの記

 われながら、けな気だった。

 6月24日、妻は自転車で転倒し、左膝の激痛をうったえて、歩けなく

なった。

 それから、10日あまり、小浪の身の回りのことをやってきた。

 といったって、自慢できるようなものではない。

 「〇〇取って」とか「〇〇を持ってきて」とか、「あっ、そう〇〇やっといて」とか、

妻の手足になるだけのことだ。

 それが、なかなかはじめての体験だった。

ごはんでも、なんとかかんとか、料理して、食卓にやっとこさ座る。

息をつく間に、「ああ、〇〇がほしいなあ」

「えっ、ちょっと休ませてくれ」とお願いする。妻はにこにこ・・・?

 

 

 ごはんづくりといっても、なかなか手ごわい。

 台所に立ったことなんてない。何がどこにあるかもわからない。

 だいいち、なんと何を組み合わせたら、だいたいこんな味になる、

そういう蓄積もない。

 いまある材料、ジャガイモ・キャベツ・小松菜・大根・ニラなどを

見て、料理の本やインターネットを開いて、献立をつくる。

 逐一、見ながらやるんだから、まどろっこしいこと、このうえない。

 

 一日の組み立ても、ご飯準備を昼と夜、二回組み入れると、ふり

かえってみると、朝から晩まで、食べること考えていた感じのときも

あった。

 メニューを考えて、やっと出来た!とよろこんだら、「あっ、ご飯炊いて

いなかった」ときもあった。

 

 あああ、つくづく、妻のありがたさがみに滲みた。

 

 と、滲みはじめたころ、7月4日ぐらいから、左足の甲あたりが、

歩いていると、軽い痛みのような違和感が起こりはじめた。

 次の日、歩くのが少しエライなあと感じはじめた。

 その日は、妻を子どもサポートの仕事で、養護施設の送迎したり、

晩ごはん用に、がらスープをつくったり、ちょとこまめに動いた。

 その夜、左足が痛くなった。

 翌日は、歩こうとして、左足を床に着けると、激痛が走る。

 

 ついに、病院に行く。

 左足が晴れている。原因はわからない。

 心臓の病気でかかっている担当医に、最近の血液検査の値を

電話で聞いたら、尿酸値が8.6だった。

 整形のお医者さんは、「もしかしたら痛風かもしれませんね。

こちらでも検査しましょう」

 

 こんどは、じぶんが安静の身になってしまった。

 似たような恰好の爺さんとばあさんが、一つ屋根の下で、同じ

ような歩き方をすることになった。

 幸い、妻は大分、痛みが取れてきて、そろそろ足を曲げる練習も

したほうがいいと言われていた。

 

 その夜から、ごはんは妻がつくることに、なんとなく、なっていった。

 「ごはん、できたよ」と言われたら、食卓にすわればいい。

 こんな楽で、豊かなことがあるだろうか?

 こんなすごいことを、じぶんはそれであたりまとばかり、無知で暮らして

きたんだなあとつくづく思った。

 それにしても、似たもの同士。似たもの夫婦。