風土改革の本「なぜ会社は変われないのか」を書いた
柴田昌治さんの久しぶりの書下ろしです。
全体を通して重複する部分もあると感じましたが
組織だけでなく、日本の社会に蔓延する根深い問題を
今こそ何とかしなくては!という熱い思いが伝わる本でした。
●一生懸命やっているのに、次々と問題が起こるのは、
私たちが ”こんなもんだ” と思う当たり前の考え方や価値観に
社会の免疫力を低下させる本質的な問題が隠されているから。
●「問題がある」という事実と向き合うのではなく、
表ざたにしないことで、建前上は「問題がない」とする姿勢に
組織を停滞、退化、腐敗させる病原菌が潜む。
●会社には、本当の意味での機密事項はそうはない。
本来はかなりのことがオープンにできるはずなのに
その区別がつかないから、何でも隠す。
●衰退した「親父文化」には、「対話の源泉」という側面があった。
緊密な人間関係と豊かな情報の共有は
日本の経営になくてはならないもの。
●対話で伝わる情報は、質と量の両面でメールや文書に勝る。
「非データ系の情報」が知恵の創造という面で果たす役割は
非常に大きい。
●組織に壊滅的な被害をもたらすようになったのが、
対話のできない上司の存在。
マネジメントスタイルが一方通行で、
なおかつ、人の話に耳を傾けようとしない。
●身体と同じく、組織もなまらないようにするには
適切な負荷をかけることが必要。
新陳代謝 ”適切なゆらぎ” (見える化による混乱)を避ける組織は
腐敗が進行し、やがて崩壊する。
●”リーダーシップ” から ”スポンサーシップ” へ。
上司が答えを作るのが、リーダーシップ(狭義)で
部下と一緒に答えを作っていくのが、スポンサーシップ。
●一人ひとりが自分で考え、問題を見つけ解決していくことが
当然の価値観として共有されている組織は
環境の変化に対応して変革を続けることができる。
(ここで働く人は仕事を通じて幸せになれる。)
●「仲がいい=チームワークがいい」ではない。
質の高いチームワークの条件は、
メンバー同士で「仲のいいけんか」ができること。