村屋東亭
2009-07-01 | 県南
日本の難点 (幻冬舎新書) 価格:¥ 840(税込) 発売日:2009-04 |
前著である「14歳からの社会学」から
さらに踏み込んだ一冊。
抽象的な表現が多くて、大学の講義のような感じ。
かなりの難易度だったので、2回めは、ゆっくり読みました。
経済・政治・宗教・性愛・教育など、
私なら一つでさえ理解できない日本の問題を
一人の著者が「串刺し」にして解説しているので
ちょっとですが、全体が見渡せた気がしました。
●日本における国土や農村の荒廃を見るにつけ、
長いものに巻かれて「土木漬け」に対抗できなかった
「共同体的」な諸個人が、共同体をないがしろにしてきた
というのが、圧倒的な事実。
●秋葉原殺傷事件は、「格差社会が悪い問題」ではなく
「誰かなんとか言ってやれよ問題」。
格差程度で行き詰る“社会的包摂性”のなさが悪い。
●日本の学生たちの就職活動を見ると
一般消費者向けの偏った企業イメージに大きく左右されている。
商売上のイメージ戦略が、企業の実態とは異なることなどは、
中学生でもわかる。
●移ろいやすい庶民感覚や生活感覚を当てにしてはいけない領域、
中立的な長い歴史の蓄積を参照できる専門家を当てにすべき領域が、
社会には、確実に存在する。
●周囲に「感染」を繰り広げる本当にスゴイ奴は
なぜか必ず「利他的」。
人間は、理由は分からないけど、そういう人間にしか
「感染」を起こさない。
最後になりますが、「エニグモ」のブックフェアを紹介。
(昨年、一緒にお仕事をした会社です。)
読むんじゃなかった! ~人生を変えた1ページ~
(私は、夏休みに読んでみようと思います。)