風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

坊主憎けりゃ・・・

2018-04-24 22:55:28 | 時事放談
 ロイターが、資本金10億円以上の中堅・大企業542社を対象に実施(回答社数220社程度)した企業調査によると、「安倍さんが自民党総裁に三選されることが望ましい」との回答が73%、「次の政権も安倍首相続投による与党政権継続が望ましい」との回答が60%(安倍さん以外の首相による与党政権34%、併せて与党政権が望ましいとするのは実に94%)に達し、企業人にとって「政策が大きく変わらないことが経済の安定をもたらす」という意見に集約できるような結果には、私もつい納得するが、一般市民との間には随分、意識のギャップがあるものだと思う。評価するポイントが異なるのはまあ分からなくもない。中堅・大企業ならば、事業環境としての国際情勢にも関心が高いはずで、安倍政権の外交・安全保障面での堅実な運営は間違いなく好感されているはずだ(折しも、米誌タイムが毎年発表する「世界で最も影響力のある100人」の一人に安倍首相は選ばれた)。他方、一つウソをついたがためにウソを重ねるが如き印象を与えることに、一般市民は敏感に反応するであろうことも、想像に難くない。
 最近、このブログで内政をぼやくのを止めたのは、もはや呆れ果てて言葉にしたくないからに他ならない。ここ一年以上、モリ・カケ、最近はニッポーやセクハラの大合唱で、安倍降ろしにうつつを抜かしていると、さぞ中堅・大企業は恨めしく思っていることだろう。企業人にとって時間は最も大切な資産であり、おまけに最も税金を取られている層でもあって、国会を空転させるとは言語道断で罪深い。次も「与党政権」を望むのは94%と言ったが、さらに「与野党大連立政権」が4%と続くので、「野党中心の連立政権」に期待するのは僅か1%でしかない(その他1%で計100%)。如実に野党への不信感が表れているではないか(対して一般市民は、安倍政権への不信感を募らせている)。
 そもそもモリ・カケ問題は国会で国政に与かる高給取りの議員さんたちが寄ってたかって時間をかけて議論するような(というのは極めて穏当な言い回しで、端的に揚げ足取りの嫌がらせにしか見えないのだが)テーマとは思えないし(まあ嫌がらせをするから、安倍首相がイラついて墓穴を掘るという意味では、成果を挙げていると言えなくもない)、最近では「首相案件」という何でもない表現を過大評価しているし、所謂“忖度”が犯罪のように扱われ、その原因として内閣官房に幹部人事権が握られていることを匂わせることにも違和感を禁じ得ない(政治主導は与野党を問わず政治家のコンセンサスではなかったか)。ニッポー問題も、シビリアン・コントロールの問題にすり替える人がいるが、的外れで、知り合いの元・自衛隊幹部は、自衛隊を悪者にして・・・と激怒されている(因みに知り合いの元・防衛省幹部は、自衛隊から逐一報告を受けていたと明言されている)。セクハラ問題で、麻生副総理兼財務相の辞任要求が通らなかったことなどに反発して審議拒否とは、筋違いだ。野党議員は国会で議論もしないで、かつては安保法制反対デモに参加し、今は女性議員が黒服で“#Me Too”のデモンストレーションをするのも、どうにも筋違いだ。
 それもこれも、安倍首相の保守的な性格、とりわけ憲法改正を使命とすることに反発し、絶対阻止を決め込んでいるからとしか思えない。この点でサヨク・メディアと思惑が一致するようで、連携している。「安倍憎けりゃ麻生も憎い」、「麻生憎けりゃ(袈裟ならぬ)スーツも憎い」ってなわけで、アサ芸プラスは、「アッコにおまかせ!」(TBS系)が、G20に出席するため4月19日に成田空港から出発した麻生大臣のファッションに関して、「麻生大臣のスーツに隠された秘密を知る人物」として、大臣行きつけのテーラーに直撃取材し、3カ月に一度のペースで来店していると紹介した上、その取材内容を説明するパネルで「35万円ほどのオーダーメードスーツを2〜3着」という箇所を黄色地に赤い文字で強調して、高過ぎる(?)ことにどうやらケチをつけたかったらしいと、嘆いている。アサ芸プラスの記事は、当のTBSの経営陣はおいくらのスーツを着ているのか、包み隠すことなく明かしてみれば、視聴者も納得するのではないだろうか、と結んでいるが、いやまあ余計なお世話で大人げなくて、どう反応してよいのやら二の句が継げない。
 緊迫する朝鮮半島情勢といい増長する中国といい、日本を取り巻く戦略環境は激変の時代だ。中堅・大企業ならば、野党議員が平然とプライオリティを間違えていることに、我慢ならないことだろう。
コメント
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