風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政争(4)究極の選択

2010-09-14 02:35:35 | 時事放談
 いよいよ明日に迫った民主党代表選ですが、わが国の首相が決まると言うのに、どうしてこんなに投げやりな気持ちになるのでしょうか。
 ワシントンポスト紙の社説は、小沢さんの「アメリカ人=単細胞」発言を根に持っているのか、代表選について「日本は三ヶ月前に選んだ新首相を放り出す可能性がある」と、トゲのある言い方で小沢さん有利を伝えているようです。共同通信が実施した電話世論調査でも、菅内閣支持率は54.7%と、前回から6.6ポイント上昇したそうですが(不支持率は4.7ポイント減の31.5%)、この時期に際立った手柄があったわけではありませんので、首相を頻繁に変えるなという声か、あるいは小沢さんへの反発か、いずれにせよ消極的ながらも支持が増え続けているのは、一部で広がる小沢さん待望論への警戒感が強まっているものと言えそうです。
 いずれが勝つにせよ、どうも奇妙な感じを拭えません。民主党という一政党の代表選挙でありながら、実質的に一国の首相を決める戦いなわけですが、立会演説を聞くことは出来ても、投票の局面で、私たち国民の大多数は置き去りです。そのくせ、外国人でも年会費わずか2000円でサポーター、6000円で党員になることができ、代表選挙に参加できるというのですから、民主党は一体誰のための政治をやろうとしているのか、どう考えても妙です。また、同じ政党内でありながら、まるで擬似・政権交代であるかのような戦いを、コップの中でもない、それこそお猪口の中で繰り広げている、その実態は、現職の総理大臣に対して、同じ党から内閣不信任案を突きつけているようなものであるのも、なんだか妙です。それならばいっそのこと解散をしてあらためて国民の信を問えばよいと思うのですが、そこまではしない。飽くまで昨年夏の政権交代を是として、そこを基点にリセットしようとしているだけです。さらに実際にそれぞれの政策を比べてみると、個別には多少の食い違いはあるにせよ、足を引っ張り合うほどのものなのかどうか疑問であるという点からも、妙です。政策の違い、ひいては日本をどう立て直すか、日本はどんな国を目指すべきかといった哲学の違いは見えて来なくて、一体何のために争っているのか、ただ今後の政局を巡って仲間内で争っているとしか思えません。
 こうして冒頭の疑問に戻るのですが、きっと日本の政治の選択肢が余りに乏しくなったからではないでしょうか。
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