風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

日本選手権・男子100m決勝

2021-06-26 21:01:25 | スポーツ・芸能好き
 陸上の日本選手権・男子100メートル決勝で、多田修平選手が10秒15で優勝し、五輪代表に内定した。3位の山県亮太と4位の小池祐貴との差は僅か1000分の1秒で、明暗を分け、山縣が二人目の五輪代表に内定した。
 五輪参加標準記録を突破した5人が顔を揃え、自己ベスト9秒台の4人を含む史上最高の舞台は、3位から6位までの4人が100分の2秒差の中に並ぶ大混戦で、見ごたえがあった。結果として、今、最も調子がよさげな二人が五輪代表を勝ち得た形で、一発勝負の怖さを感じる。
 気の毒だったのは桐生祥秀で、どうもいつもの彼らしい切れがなかった。「歩いていても痛い」という右アキレスけんに不安を抱え、前日のレース後には足を引きずるような仕草も見せていたという。ケガを防ぎながら如何に体調をピークに合わせるかも勝負の内とは言え、2013年秋に東京五輪開催が決定したとき、京都・洛南高校3年生だった彼は、「(年齢的に)自分の一番いい時。陸上をする中で最高峰の大会が日本で行われたらどうなるのか」と夢を語り、その後、日本人初の9秒台を出して日本の短距離界を牽引して来ただけに、代表漏れの悔しさは如何ばかりかと慮る。4x100mリレー(所謂4継)に選ばれる可能性は残るが、本番まで一ヶ月を切る中で、この体調で大丈夫だろうか。
 もう一人、アメリカで練習に専念してきたサニブラウン・ハキームは、結局、レース勘を取り戻すことが出来なかったのか、本人曰く、準備不足がたたって、敗退した。彼にも、小池祐貴ともども4x100mリレーに期待したい。
 意外だったのは、そんな歴戦のツワモノどもに交じって2位に食い込んだデーデー・ブルーノだ。現在、東海大学4年生の21歳、もともとサッカー少年で、高校2年から陸上を始めて、6月上旬の日本学生陸上競技個人選手権では優勝を果たしたという。五輪参加標準記録には及ばなかったが、これからが楽しみな選手だ。
 なお、どうでもいいことだが・・・会場となった大阪・ヤンマースタジアム長居は、大阪国際女子マラソン開催で知られ、かれこれ40年前、私が高校生のみぎりに、インターハイ予選の大阪大会が開催された競技場でもある。1964年にオープンし、1997年の「なみはや国体」開催に向けて全面改修工事が行われて、すっかり近代的な佇まいに衣替えしたので、もはや私が走った頃の素朴な競技場の面影はないが、「長居」と聞くたびに、胸がきゅんとなる(笑)。私は決勝に残れないような凡百の競技者に過ぎなかったが、若いエネルギーを持て余し、後先のことは考えず、ひたすら練習に明け暮れていたあの頃が、無性に懐かしい。
 多田・山県両選手(+もう一人は小池?)には、敗れた桐生などの一流選手ばかりでなく、現在、また過去の名もない陸上少年たちの夢を乗せて、五輪の晴れ舞台で活躍されることをお祈りしたい。
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