風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

自民党総裁選・討論会

2021-09-20 17:37:08 | 時事放談
 総裁選は三つ巴と思っていたら、その後、石破茂さんは出馬を断念されたが、ぎりぎりのところで野田聖子さんが手を挙げて、益々、先行きが見通せなくなった。野田さんはリベラル票を奪うとする見方がある一方、高市早苗さんの人気が高まって決選投票にもつれ込む可能性を見越して、高市さんの女性支持票を奪うためだとする穿った見方もある。
 三連休という気安さもあって、2時間強にも及ぶ、総裁選への立候補者による討論会(9/18、日本記者クラブ主催)をYouTubeで見た。考えてみれば、同じ自民党の議員なのだから、政策にそれほど大きな隔たりがあるわけではない。それでも、短い時間で何を語るかによってプライオリティをどこに置くかの意識の違いが明確になるし(野田さんの子育て支援や少子化対策は印象に残った)、政策課題の認識は同じでもその対応に意見の違いを際立たせることが出来る(河野太郎さんの年金制度改革やエネルギー政策を巡る相互質疑で盛り上がった)。隠れた注目点は、安倍政権やスガ政権で課題とされたコミュニケーションのあり方ではなかろうか。どの候補者も意識されたことだろう。河野さんと高市さんはともに歯切れが良いが、パワハラでキレやすいと言われる河野さんのコミュニケーション能力は余り高くないかも知れないと思わせた。野田さんはギリギリで出馬したにしては(心の準備は以前から出来ていたのだろう)落ち着いたソフトな語り口で安定感があった。岸田文雄さんはやや滑らかさに欠け、微妙な間合いが気になった。
 もう一つ、会の運営がちょっとお粗末だったのが気になった。質問者の一人として名前があがった橋本五郎さんは、「ウェークアップ・プラス」などの番組でお馴染みで、信頼する数少ないジャーナリストの一人だが、その他の3名は読売新聞社以外の記者だろうか、候補者への質問にあたって恣意的に過ぎたという意味では場を弁えず、自民党批判でしかないような質問を繰り返したり、外相や防衛相の経験者としての河野さんと岸田さんに質問が集中したりと、公平さに欠けるように見えた。日本の「報道の自由」に関して国際NGOの評価が高くないのは、日本記者クラブのせいではないかと思って来たが、まさに大手メディアが特権に胡坐をかいて、日本の言論界を牛耳る醜さが端なくも表れていたように思う。
 冒頭でも触れたように、YouTubeを見ていると、メディアの世論調査以上に、高市さんへの支持が俄かに高まっているように感じる。女性であることを前面に出すでもなく、ニュートラルに、丁寧に話すことを心掛ける姿が共感を呼んでいるのだろうか。キャスター経験は伊達ではない。YouTubeのコメント欄に、(高市さんのことを)「どこに隠れていたんだ」というコメントがあってつい笑ってしまったが、そんな驚きに満ちているように見える。自民党議員の間でもちょっと驚くべき動きがあって、9/14の高市さんの決起集会には、実に71人(内、後援会などへの説明が済んでいないので名前を出せない者3名)が参加したそうだ(一方、9/16の河野さんの決起集会には、57人)。高市さんは各派閥から支持を集めているようで、このあたりは安倍さんの底力をも感じさせる。
 こうして高市さん人気が高まっているため、大手(左派)メディアはそれを隠そうとしているのではないかと語るジャーナリストもいて、そう言われれば、先の討論会は、そんな悪意をも感じさるものだったと言えなくもない。
 いずれにせよ、誰かが言ったように、政界は一寸先は闇である。
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