風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

政争(3)トロイカ

2010-09-01 02:52:18 | 時事放談
 今日、ようやく菅さんと小沢さんの単独会見が実現しましたが、結局、代表選での二人の対決を回避することは出来なかった模様です。一説では、しばらく静かにして頂いた方がいい、といった放言を、菅さんは小沢さんに謝罪したところまでは妥協したと見られますが、人事をトロイカ・プラスワンに諮る提案までは呑めなかったということらしい。そういう意味では、党の存立と国民の支持の間で、ぎりぎりのところで菅さんは党としての理性を保ったようです。結果としてどちらが勝つにせよ、党の結束を約したそうですが、果たしてどうでしょうか。小沢さんが勝てば、小沢党代表、菅総理という生き残りの方策もあり得ますが、菅さんが勝った場合、人事がネックになります。仮に党としての分裂を回避できても、小沢さん、鳩山さんの協力なしに、ねじれ国会をうまく運営できるとは思えません。
 それにしても、二人の確執はともかくとして、理解できないのは仲介の労をとった鳩山さんの思惑です。仲介の労をとるだけなら分かりますが、クリーンな民主党という大義のために表舞台から引き、既に引退すら仄めかして、それでもなおトロイカとして一枚かむというのは、どういう了見か。この方は20年先を見て行動するタチのようですから、常人の理解を超越しています。
 こうして見ていると、一体、民主党は日本国をどういう方向に導こうとしているのか、相変わらずさっぱり分かりません。いまどき、右も左もないのですが、仙谷さん肝いりの日韓併合100年での菅さん談話といい、輿石さんという日教組のドンを絡めるトロイカ・プラスワンの体制(今回は実現しませんでしたが)といい、反日的な主張が政権与党の一角を担うという俄かに信じられない状況のもと、代表選での票読みに余念がなく、来年度予算編成では一律10%削減という縦割り行政そのままの旧態依然では、自民党時代と何ら変っていないように見えます。しかも財源の裏づけがないことがはっきりした衆院選マニフェストがいまだに葬り去られておらず、一般会計の概算要求総額は96兆7千億円と過去最高レベルに達する見通しと聞くと、自民党時代以上に漂流していて覚束ない。小沢さんには、どうもびっくりするような秘策があるようですが、代表選の中でこそ、民主党の方向性についての議論が進むと良いですね。
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