風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

亡国の悲劇

2011-03-09 00:44:55 | 時事放談
 今の日本の政治に関して、何か喋るとボヤキになってしまうので、もう何も言うまいと思っていましたが、やはり一言、言いたいと思います。
 前原外相が、子供の頃からお世話になっていたとかいう在日韓国人から献金を受けていたことが発覚し、それが政治資金規正法が禁止している外国人からの献金にあたるというので、問題の責任を取って、あっさり辞任しました。昨年9月に外相に就任して僅かに半年、ポスト菅としても期待され、実際に菅内閣の中では最も(殆ど唯一)好感が持てる閣僚だと思っていただけに、民主党を支持しない私でも残念に思います。それはおよそ諸外国に対する日本の顔としての外相が、そう頻繁に交替するような不安定な状況では、誰もまともに相手にしてくれないであろうからですが、「政治と金」の問題を自ら厳しく追及してきた手前、本人の一本気な性格と、イラ菅さんが野党に対して譲ることなく、与・野党の関係を冷え込ませたため、今後の国会運営を気遣わざるを得なかった結果であり、民主党としては大いなる損失ですが、身から出た錆と言えそうです。
 人材はそれほど多いとは思えない今の日本の政界で、これほど人材を使い捨てにして、いったいどうする気でしょうか。年に一巻ずつ15年間に亘って「ローマ人の物語」を刊行し続けた塩野七生さんは、ローマの歴史を振り返りつつ、「亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起こるのではなく、人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから起こるのだ」と言われます。何を隠そう私の会社も業績悪化して人事が硬直化しており、塩野さんの言葉は、腹に落ちます。
コメント
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