「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

鯨の解体

2005年07月24日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
こないだ安房方面に旅行に行ったとき、泊まった民宿で、
「明日は朝から鯨の解体があるので一生に一度は見に行くといいですよ」
と薦められた。

和田浦は日本でも指折りの捕鯨基地。これが見たくて房総半島の先端まで来ても、漁の具合によっていつも見られると限らないのでこれはラッキー。早速朝4時半に起きて見に行った。

鯨は、やわらかくするために海水に17時間漬けた後、朝5時から2時間で1頭を裁かれ、業者の冷凍庫に運ばれたり地元の人に売られたりするようで、魚市場近くのには朝5時前から人だかりができていた。

実際の作業は、ぶつぎりにした肉片を包丁で次々と裁く人、大鉈をモーター巻上げのチェーンで骨と肉を切り離す人、など職人技でてきぱきと進んでいく。紫色の腸、皮をはがれて飛び散る肉片など、強烈なインパクトにも拘らず作業に見入ってしまう。このような残酷な風景の反面、「命をいただく」ということが実感できる。

でも、てきぱきと裁いていく職人の人たちにとっては、命をいただくという儀礼や感傷はあるのか、ちょっと複雑。まあ、生業としてやっているのでいちいち感傷に浸ってはやっていられないんでしょうが。。。

鴨川自然王国、大山千枚田、がんこ山、三芳村自然塾

2005年07月08日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
自然王国、大山千枚田などがある鴨川に行く機会があったので、気になる箇所をいくつか見てきました。

三芳村自然塾
-元々は千葉大の学生が農業体験などをしに来ていたのを母体に、地域の世話人が中心になって運営している素朴な合宿所のようなところ。管理人が一人常駐し、居候や訪問者の受け入れなどの世話をしたり、自給用の畑と会員に米を販売する田んぼの手入れをしているとのこと。「自然派の宿」などでも紹介されている。ここを機に三芳村で就農したり田舎暮らししたりする人も多いらしい。のんびりとした自然の中で農作業したり、世話人の畑などに行って地域の農家との関わりを持ちながら夜は語り明かす、というのが定番のよう。

がんこ山
自然体験教室や自然エネルギー活用などを通じて、自然の中での生活技術を体感しようという施設で、ツリーハウス3棟とログハウス風のセミナーハウスで最大50人ほどが泊まれる。平賀さんのエネルギッシュなお話(自然エネルギー、建築、林業、自然と人間との関わりなど多岐に渡る!)をネタにいろいろと盛り上がれそう。ツリーハウスからの房総の山並みの景色もなかなか。

大山千枚田
東京から一番近い棚田百選。田んぼを作ったときの苦労はたいへんなものだったはずだが、穏やかな曲線を描きながら緑のうねりを作る千枚田の眺めは見事の一言で、見ている方も和やかな気分になれる。まさに自然と人間との協調による、暮らしの中の芸術品。

鴨川自然王国
細い途を上りきったところ、房総の山並みと物語に出てくるような里山の風景が見渡せる斜面に自然王国はあった。いつまでも眺めていたくなるようなのどかな風景の中、会員用の無農薬米とある程度の野菜を生産している。生産者と消費者をつなぎ、イベント等を通じて都会の消費者も生産の現場に関わるという理念を早くから体現していたことをうかがわせる。イベントにも来てみたい。

魚住さんを訪ねて

2005年07月04日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
6/25 茨城県八郷町で35年有機農業を営む魚住さんのところに伺いました。

炎天下の中、鶏小屋作業、ナスとピーマンの支柱たて、ねぎの植え付け、雑草取りと汗だくの作業でした。でも、お昼にいただいた、七輪での鶏と野菜の炭火焼はサイコー。
これを目当てに2年連続で来てしまいました・・・。

圧巻は魚住さんのお話。
「農業なんて簡単だよ。」
「仕事だか遊びだか分からないのがいいんだ」
「こんな話を聞いたり現場を体験したりして、いつか皆さんの何かの足しになればいい」
と穏やかに話されるお姿は、懐の広さを感じさせます。

でもその裏には、日本の有機農業の草分けとして奥さんと二人三脚で自分の信じる途を切り拓いてきた、という静かな自負があるから言えるのだと思います。

「学生紛争の時代に自分の進むべき途を考えた結果、一次産業で生きていきたかった」
「一次産業という底辺で見ていると時代が良く分かる」
「百姓は自分で全て判断しないといけないのでバカでは勤まらない。他人任せで何とかなる仕事ではない」
という言葉は、それを裏付けていると思います。

また、「自然は本来きちんと育ててくれるもので、人間がヘンに欲を出したり効率を追求したりするからおかしくなる」という言葉には、自然そのものや自然に対峙する農業という仕事への愛着が感じられます。

奥さんと二人で、自分なりの途を切り拓いてきた人生を心から愉しんでいる、そして周りにもさりげなくそのことを伝えている魚住さんの生き方は素敵だと思いました。

古代米の田植え&オーガニックフードツアー

2005年07月04日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
6/11-12 国際自然大学校日野春校での古代米の田植え&オーガニックフードツアーに参加しました。

・古代米の田植えは、苗取りなどを地元の農家の方に教えてもらいながら、
 5畝の田んぼに15人ほどが一列に並んで手植えしました。
 3時間ほどで終えましたが、その後、腰と腿の筋肉痛に悩まされるほどの作業でした。
 みんなとの共同作業だから、また収穫への希望があるから頑張れるんだナと思いました。
 昔の人はエライ!

・夜は、東京から20年前に移住して農業を営む足立さんのお話を伺いました。
新規就農者など殆どなく、行政の支援も受けられない中で、地元の人に教えてもらったり、
遊休農地を借り受けたりしながら自分の道を切り拓いて来た足立さんのお話を伺いながら、
「農業なんて金にならずバカらしい」と耕作者がいなくなり荒れていく日本の農村事情や、
 低い食糧自給率に危機感を抱かず飽食を続ける私たちの生活について考えてしまいました。

・次の日は朝から、富士山を遠めに眺めながらたわわに実った桑の実(写真)を摘み、それを
煮てジャムを作りました。今回のツアーの中で、「いただきます」という言葉を口にする際、
自然の恵みと人々の労力に思いをはせ、自分がそれに見合うかどうか考える、というお話を
聞いたのですが、「食」や「農作業・加工体験」を通じて、農や自然との関わりや、自分の
ライフスタイルについて改めて考える機会となりました。