「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

水俣

2006年04月17日 | Slow Life
水俣病の惨禍を後世に伝える水俣フォーラムから、水俣病発見から50年を知らせるリーフレットが届いた。

水俣病は、現在の様々な環境問題の原点とも言われており、
環境や開発のNGOの先頭に立つ多くの人々が、水俣病の事件から多くの刺激を受けている。

また、現代の水俣は、過去を省みて、自然風土や地域の文化を活かした無農薬栽培や地元学を進めることなどで知られ、
エコツーリズムや環境を活かした街づくりという点でも耳目を引く街となっている。
そのような点から、また現代に生きる一人として、私も水俣と水俣病を学びたいと考えている。

水俣フォーラムの趣意書は、
高度経済成長がもたらし、企業と行政の癒着、患者の差別・補償問題など様々な現代の問題点を露呈させた水俣病について、
1994年にこう記している。
「・・・こと水俣病から目を転じても、この『近代科学技術による工業生産を基盤と民主主義国家システム』がもたらす多くの矛盾や危機の具体例は、枚挙にいとまがありません。しかし、それを乗り越えるための具体的な方法については、誰一人回答を持っていないという状況の下、社会の病状は静かに進行しています。・・・結果として多くの現代人の内に、人としての存在の希薄化と関係性の腐食をもたらし始めています。」

それから、12年。事態は改善に向かっているだろうか。我々一人一人の意識はどう変わったのか。
多くの犠牲を出しておいて、我々はこの間何を学んできたのか。

現代に生きるものの一人として、その問いを自分なりに受け止めたいと思う。

「知恵の三つ編み」を読んだ

2006年04月06日 | Slow Life
ネイティブ・インディアン一族に伝わる
三つの示唆に富む物語の記録とその解説をまとめた
「知恵の三つ編み」(ポーラ・アンダーウッド著、星川淳訳)
を読んだ。

ユーラシア大陸からの祖先の壮大な移動の口承物語を記した
「一万年の旅路」同様、著者が一族に伝わる物語を多くの人に伝え、
学びの機会を提供するために書かれたものだ。

アメリカ合衆国憲法にも多くの要素が採り入れられた、
ネイティブ・インディアンのイロコイ連邦の掟に通ずる本書は、
全編に渡って「学ぶ」ことの重要性を記している。
-老いも若きも互いに
-直感と論理のバランスからも
どんなことからも学ぶ心があれば学ぶことができる。
そして、他人の学ぶ環境を整えることも。

そうやって進化を遂げてきた彼らの祖先の遺してきたものは、
人類の本質とも言うべきものかもしれない。

なんとなく、日々を過ごしてしまいがちな中にあって、
僕達がそこから学べるものは限りなく多い気がする。

半農半Xのイベント@カフェスロー

2006年04月05日 | 農のある暮らし
半農半Xというテーマに惹かれるのか、農的生活に興味があるのか、100人もの人が集まっている。これほどまでに関心のある人が多いとはちょっとおどろき。

自給的な農的暮らしをしながら、あと半分は自分の好きなことや得意なこと(X)を活かして社会に関わっていこうという「半農半Xという生き方」を提唱する塩見さんは、思ったよりもふつーそうな人。

これほどまで(私の周りには?)広まっている新しいコンセプトを提唱するほどの人なので、もっと自己主張の強い感じの人かと思っていたが、本人が「普通の代表でありたい」というとおり、穏やかに実直に話をしてくれ、親しみやすさや安心感を覚える。

さて、農のある暮らしはやりたいけど、それだけでは金銭的にも社会的にも物足りない、とエコツーリズムにも関わりたいし・・・と漠然と考えていた私には、「半農半X」は正にこれ!、というコンセプトだったので、一度塩見さんの話を生で聞きたいと思っていた。

お話を通して、本以上にいろいろな気付きをいただいた。
・自分のやりたいこと、伝えたいことを、わかりやすく「コンセプト」や「屋号」にまとめて人に発信する
・「人生があと1年しかないと思ったら・・・」と常に締切を意識して生きる
・ミッション(使命)多様性=様々なものとのコラボレーション  etc.

お話を伺い、「自分もやりたいことをきっと実現できるはず」と思った。そのためには、夢に締め切りを設定し、様々なものからオープンに学びながら積極的に動いていかないと。
そういえば、33歳はいろんな意味で転機の歳だとよく聞くし。。。

沖縄映画「ナミィと唄えば」を観た

2006年04月03日 | 沖縄の旅案内
沖縄映画「ナミィと唄えば」を観た。

石垣島の85歳の浪オバアは、9歳で料亭に売られ、芸妓として仕込まれたサンシンをずーっと弾いてきた。毎朝起きると、先立った遊び人の旦那と神様に話しかけ、お参りするオバアは、いろんなものに感動したり感謝したりして元気に生きている。そして、その感動や感謝を、サンシンの演奏つきの歌と踊りで表現してしまう。

戦前の貧困期から戦中の南洋諸島の混乱期、戦後の台湾など、時代に流されるままに生きてきたオバアだが、どんなときも、感謝の気持ちと底抜けの明るさを忘れない。そんな生き方に刺激を受ける、ヒューマンドラマだった。