「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

観光地域づくりの講演を聴いて

2015年02月25日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

観光カリスマの山田桂一郎氏の「観光地域づくり」の講演を拝聴しました。備忘録を兼ねて印象に残った点を。

・人口減少社会では、何もしない=下りのエスカレーターに乗っていること。地域を持続的に経営・自立できるようにするには、地域内での循環を増やし、雇用を増やし、人口を維持することが大事。そのためには、地元で高い値段で買ってもらえるような良いものを地域で生産する「地消地産」が大切。

・旅は、特別な場所に行く「非日常体験」と、地元の人には当然でも訪問者には新鮮な「異日常体験」。地元の人が誇りに思う豊かな自然環境と上質のライフスタイルの体験は、旅行者にとっても飽きられない。これこそ、「住んでよし、訪れてよし」。

・交通が便利になり、グローバル化が進む中で、ある地域が選ばれるためには、そこに来ないと得られない必然性、目的、地域独自の付加価値が重要。例えば日本やスイスの「健康長寿」。来る必然性が高ければ、多少交通の便が悪くても来る。そのうえで、地域としてどのターゲットを狙うか。

・訪日外国人が増えるとともに、訪日客の宿泊数も伸び、リピーターも増えている。これはゴールデンルート以外のマイナーな地方にも訪日外客が来るチャンス。日本の歴史・文化を好み、カネも使う欧米豪の旅行者は格好のターゲット。

・「勝ち残る」より大切なのは「価値残る」こと。そのためには、地域らしさにこだわり、「どんな地域を目指すのか」という理念やビジョン、ミッション(訪れる人にどんな価値を提供するか)を地域で共有し、それに基づいたテーマやコンセプトを一貫して持ち、実現のための事業目標、戦略、行動計画を持つべき。ただし、ビジョンやテーマは、共感・感動を生むものでないと飽きられる。

・結局、自分たちの地域の質を高める努力が、結果的に人を呼び寄せることになる。そのためには、「(今、ここ、あなた)ならでは」のモノをいかに提供できるか。

・ハイエンド(最上級クラス)を引き上げれば、シャワー効果で市場は広がる。

・ミシュランのガイドブックに選ばれる基準で大切なのは、第一印象、本物の質の高さとともに、受け入れの質が高いかどうか。


「このままではもったいない!」(二瓶長記)

2014年03月29日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

首記の本を読んでの印象に残った点の自分なりのまとめです。

・観光振興、観光資源整備といっても、肝心なのは「人づくり」。「人」は最大の観光資源。一方、いくら魅力的な人がいても、相手に魅力を伝えられないと、その価値はないに等しい。⇒「おもてなし」

・観光振興を謳うなら、まずは、観光まちづくりのコンセプトや、観光客受け入れのルールづくりから。自分たちの地域は何を最大の売り物にしていくのか=観光地としてのコンセプトづくりと誘客戦略の構築から始めるべきで、それも行政も地場企業も旅館も、さらに地域住民も、地域全体の合意形成のもとに一緒になって取り組むべき。

・賑わいの場づくりが肝心…たとえ一角でもよいから、地域文化を漂わせる個性的なまちが表出されているかどうか、賑わいの場がつくりだされているかどうか…地域の人々が自分たちの地域に誇りがもて、住んで良く、訪れて良いまちづくりを実践している様子をちょっぴりでもいいから表現できているかどうかが大切。

 ・これからの観光まちづくりは地域内に存在するあらゆる機能との連携を考えていくべき。地域を支えるあらゆる職種の分業化こそが地域活性化につながる。

 ・これからの地域ブランドづくりや観光まちづくりは、地域が主体となって多様な地域資源を発掘し、それを有効活用することで地域を支える産業を活気づかせ、歴史・文化的資源、美しい景観や自然環境などを含めた「住んでよく、訪れたくなるような地域づくり」を進めることにある。


北陸新幹線金沢開業を見据えたまちづくり

2014年03月23日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

今日は、あわら市で、北陸新幹線金沢開業を見据えたまちづくりについてのフォーラムがありました。

その中で、立教大学兼任講師で、内閣府の地域活性化伝道師である清水慎一先生から、以下のような基調講演がありました。

 ・新幹線ができると、観光地間の競争が厳しくなる。宿泊地として選ばれるためには、あわらにしかない「あわらブランド」を、観光客が地元の人と一緒に楽しめるようにすることが重要。

・旅行者は、旅館に泊まるだけでなく、まち歩きや地場産業など、地元の魅力をいろいろ楽しみたい。そのため、一部の観光事業者のみが関わるのではなく、農林業者や商店街など、多様な人が連携して、様々な地域資源を活かした魅力あるまちを作ることが大切。

・まちづくりのポイントは、以下の3点。
①美しく、生き生きとしているまち…商店街、市場、オープンカフェ等があり、歩いて楽しめること
②個性的で地域の誇りを大事にするまち…歴史・伝統文化を大事にし、その誇りを語る住民がいる
③公共交通など、地域と地域を結ぶ仕組み、仕掛けがあるまち
 
・結局「人と人が出会えるか」、即ち、まち歩きしたくなるような市民ぐるみのおもてなしができるかどうかがポイント。まずは地元の人々が、「自分のまちをどう活かすか」考えて行動すべし。
 
 
また、その後のパネルディスカッションでも、登壇者より、以下のような発言がありました。
 
・コシヒカリが福井発祥というのが県外で知られていないのと同じで、新幹線ができても、地域の良さをPRしないと自己満足で終わってしまう。様々なコラボレーションを活かせば効果的にPRできるのでは。
 
・農商工連携や、市内外の拠点との広域連携、ハード整備とソフト整備の連携、市民一人一人の「おもてなし」を活かしたまちづくりの取り組みと行政のサポートなど、様々な「つながり」が重要。
 
パネルディスカッションのコーディネーターを務めた福井県立大学の江川先生による、
「結局は『人』がポイント。金沢開業というチャンスは活かさないとピンチになる。そのために、一人一人の積極的な取り組みが必要。」
という言葉が印象的です。
福井県全体に当てはまりますね…。 
 

日常空間を活かした観光まちづくり

2014年03月16日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

「日常空間を活かした観光まちづくり」(戸所 隆著、古今書院)という本から、印象に残った点。

---------------------以下、引用---------------------

○次世代の観光資源は、従来型の集客を目的とした特別な観光地・観光施設にも増して、地域の人々が地域資源を活かして創り上げた日常の「暮らしぶり」や「生活空間」が観光吸引力の中心になると考えられる。こうした流れにおいて、観光地化の成否は、いかに地域の人々が住み良くて魅力的な生活空間を創造できるかにかかっている。

○その地域の人々にとっては何でもないことでも、外国人や域外の日本人には、非日常的な地域における固有の文化や人間活動として興味深いものがある。また、地域の人々は、観光客(交流人口)を意識することで、地域資源の大切さや地域アイデンティティを再認識し、地域への愛着を深めることにもなる。

○成熟社会での息の長い観光資源は、従来型観光資源ではない。ビジターに持続的に刺激を与えるものの多くは、その地域の人々が日常生活の中で常に磨きをかけ、新陳代謝しているものである。地域の人々にとっての日常性がビジターには非日常性を感じさせるものが、観光における地域資源であり、成熟社会における息の長い観光資源となる。

○今日の知識情報化社会では、地域の個性が売り物になる。それぞれの地域における自然・人文環境から生まれる日常性と地域資源を活かしたまちづくりこそ、情報革命時代のまちづくりであり、新たなビジター産業創出の鍵を握っているといえよう。日常性と地域資源を活かしてビジターを吸引できる都市への再生が地方都市には求められている。

○人々が住みたい・行きたい街…①安全で美しい街並みを持つ街 ②特色ある美味しい料理・酒を提供する街 ③魅力的な商品をそろえ、楽しくショッピングできる商店街のある街 ④もてなしの心で満ち溢れた人と街の存在 ⑤思い出に残る地域性豊かな芸術・エンターテインメントのある街

------------------引用ここまで-----------------

以前からよく言われていることですが、整理されていてわかりやすいですね。


地域のブランディング

2012年05月10日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
マーケティング・コミュニケーションを通じて、観光振興や地域活性化をコーディネートする方のお話を聞く機会があった。聞いたお話を自分なりにまとめると、

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●ブランドとは、その地域の価値を明快に伝え、かつ品質を保証する「差別化」であり、
 その手段として、CI(コーポレート・アイデンティティ)戦略やシンボルマークやキャッチコピーなどを
 用いた、マーケティング・コミュニケーション戦略がある。

●問題解決のために、ブランディングの視点で、商品の魅力を高める。そのように考えれば、マーケティ 
  ング戦略も明確になる。
 
●CIとは、うわべだけ良くするのではなく、中身をしっかりとして、品質を保証できる仕組みを整えること。
 
●行政の場合、そのためには、縦割りや前例主義にとらわれない斬新な発想や、何を目指し、民間に何を求めるかという明快さが必要。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などなど。


これを聞いて思ったのは、自分の生き方やファッション、ブログやツイッターの発信についても、「ブランディング」や、目的を明確にした「マーケティングコミュニケーション戦略」が必要では、ということ。

例えば、自らの振る舞いや、自らの書いた文章は、人・地域・自然との「つながり」の重要性を示すに十分だろうか。

随時見直してみたい。


田舎体験ツアー隆盛

2012年04月03日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

これまで何回か、群馬や長野での田舎体験ツアー、飯田市のワーキングホリデーなどに参加しています。

 

一度参加すると、そのあともご案内を送って来てくれることが多いのですが、一昨年参加した群馬のふるさと体験ツアー、以前は色紙にコピーしただけといういわゆる「チラシ」でしたが、今年はツルツルの紙にパンフレットのように印刷されたきれいなチラシが送られてきました。

 

このツアーがきっかけとなって移住してくれる人などを求めているはずなので、それだけ自治体のこのツアーに掛ける意気込みが年々高まっているのか、利用者からの好評に応えてこうなったのか、はたまた放射能の風評被害を軽減するためにも広報に力を入れているのか・・・ちょっと考えてしまいました。

 

ただ、年々これらの注目度が増していることは確かに言えるのではないかと思います。

 

 


秋田と沖縄をつなげてくれました

2012年03月20日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

昨日、アサザ基金のイベントの事を日記に書きました。人と自然との「つながり」が回のでーマの一つでしたし、個人的にも、沖縄で住んでいる時にお会いした方々などに会えて、いろんな「つながり」を感じました。

さて、その際にもらったチラシを見てまたびっくりしました。来週、アサザ基金の飯島さんが対談するイベントでは、昨年私が秋田での地域活性化プロジェクトでお世話になった、草木谷を守る会の石川さんとトークをされるとのこと。

 

昨年の私の活動の様子はこちら

石川さんは、八郎潟の再生活動に関わっているほか、郷土の偉人(=実は石川さんの祖先で、秋田の農業の発展に貢献した石川理紀之助)にゆかりのある八郎潟の近くの谷津田を、小学生たちと再生させながら、できたお米で日本酒「草木谷のしぶき」をつくるなどの活動をされています。

今年度は子どもが生まれたりもあって、秋田の方々と交流する機会はありませんでしたが、東日本大震災後のコメ不足の時、こういう時に農家の知り合いがいると安心と思い、昨年プロジェクトで交流のあった秋田の方から、美味しいお米を購入させていただいたことを思い出しました。

しかし、私が4年前に関わっていた沖縄での活動と、昨年の秋田での活動が、意外なところでつながった気がします。(笑)

 


都会の真ん中で、人と自然と沖縄とのつながりを感じた

2012年03月19日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
霞ヶ浦再生事業をはじめ、全国各地で環境活動を行うNPOアサザ基金のイベントに行ってきました。
明治神宮の森を中心とする東京・原宿での環境教育の一環として、同じように環境教育プロジェクトを行っている、宮古島、池間島、多良間島などからゲストを呼んでのトークイベントでした。
 
アサザ基金の飯島さんのお話しで、
・東京などの大都市にも、昔の水の流れが刻んだ地形などが残り、風の通り道があり、地域の自然に根差した生物がいる
・ウスバキトンボなどは、東京から1500Km以上離れた多良間島にも共通して見られる
というのは、目からウロコでした。
 
また、東京と沖縄の自然について、共通項も見つけつつ、その違いを解き明かしてくれたことで、「東京にもそんな一面があるんだ」と、都会の自然を立体的に感じることができた気がします。
 
さらに、環境教育活動を通して、
・「つながりをみつける」や「物語を語れる」人を育成したい
・自然の中で豊かな感性をはぐくむ
・子どものころに宝探しの方法を教えれば、人は地元に残る
・「心の泉」でつながることが「絆」
というお話しも印象的でした。
 
最近、仕事や子育てに余裕がなかった私としては、自分が何をやりたいのか、何をすべきなのか、改めて考えていました。
しかし、今日のイベントで、「人と自然とのつながり」について新ためて考えたり、自分が沖縄で活動していた時に知り合った方々と久々に再開したことで、これまで各地で「点」のようにやってきた持続可能な地域を作る活動が、一つの線でつながった気がしました。

これまで得られた経験や人との出会いを基に、どれだけこのような「つながり」を紡いでいけるのでしょうか
改めて、そんなことを追いかけてみたいと思いました。

地域活性化の事例を見ていたら

2012年02月16日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

「平成23年度過疎地域自立活性化優良事例」として表彰された、北海道厚沢部(あっさぶ)町という自治体の「素敵な過疎づくり株式会社」があるそうです。

北海道をチャリでかつて回った私も耳にしたことがない自治体ですが、渡島半島の日本海側という、失礼ながら北海道で最も地味な印象のの地域にあるようです。

ここは、開き直って「世界一素敵な過疎の町を目指す!」とホームページでも謳っており、教育旅行や子どもの田舎体験などによる都市との交流事業や、お試し移住体験などに力を入れているようです。

http://www.sutekinakaso.com/index.php

中でも面白いのが、「ちょっと暮らし専用住宅」というのをわざわざ4棟も新築し、1週間から6カ月まで、長期滞在してみたいとい人に有料で貸している事業です。空き家を移住体験施設として貸し出す例はありますが、わざわざ新しく整備し、しかもシェア利用の別荘みたいに、翌年度の予約を、1月中に前もって受け付ける、というのが本格的です。

利用案内を見ると、2LDKから3LDKの部屋で、1週間6万円~1ヶ月12万円とあります。(食費なし、建物と備え付け備品、電気・水道・駐車場利用料こみ)

広い新築一軒家、家具つきとはいえ、過疎の町と滞在費用としては、決して安い金額ではないと思いますが・・・昨年の空き状況を見ると、やはり気候のよい8月は空きがなし、7,9月も結構うまっていて、それ以外は空きもある、というのが4月時点での申込状況のようです。

なかなか興味深い取り組みですね!

 

 

 

 

 

進めてい
  きたいと思います。


田舎暮らしの成功の秘訣

2012年02月06日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり

田舎暮らしに関心を持っていろいろと調べている。

都会から移住してきた人が多い地域というのは、やはり特色があると思う。もちろん、場所自体のブランドや地の利(東京からアクセスが良くて人気の八ヶ岳とか安曇野とか)というのはあるけれど、それ以外にも、

1.他にも移住者が多く情報交換できること

2.行政(もしくは自治会組織)のバックアップがあること

3.地域住民が前向きまたは前向きに引っ張っていこうとしている地元の方がいて、その方と結びつきやすいこと

などが挙げられると思う。

 

では、それを頭に入れて、どうやって移住候補地を選ぶかといえば、やはり「田舎暮らしをして何がしたいのか」「どういう生活をイメージしているのか」ということに尽きるだろう。

まずは足元から見つめ直すことが大事・・・。