ブルーシャムロック

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ミストラル

2015-06-26 13:39:35 | 信・どんど晴れ
「ミストラルか。」
徳之島の旅館で仲居を務める松本佳奈という女性は、
ケーブルテレビの番組表を見つけてふとつぶやいた。
この、フランスドラマを見る事が可能なのは、
徳之島だけではなくて、鹿児島の本土や関東地方でも、
視聴可能なチャンネルである。
「先日の韓流ドラマの後番組だね。噂ではアイムホームだか梅ちゃん先生
といった日本ドラマの再放送とか言っていたけれども、結局フランスドラマなんだ。」
佳奈の上司である旅館の女将はつぶやいた。
「どうもそうみたいです。基本的に日本以外のドラマを放映するから
韓流の後版にフランスドラマがあっても、おかしくはないですよね。」
佳奈は妙に冷静だった。
「台湾のドラマという選択肢はどうなったんだろうね。」
女将は言う。世代のせいか、基本的に外国映画といえば女将は欧米映画のほうが馴染む。
韓流は言うに不及、臺灣偶像劇だって香港映画だって苦手なようだ。
「フランスだったら私の世代はあれだ・・・。」
女将は何かを言おうとしたが、
「ですよねぇ。」
と佳奈は誤魔化した。やはり関東に赴いていた時代、そういうものが好きな人と
出会って困惑したことがあったからだ。
最も彼らとて、欧米映画しか理解せず日本以外のアジア映画やドラマを理解しない
年寄りは許せない人も一部には見受けられたが・・・。
「ああ、第一話録画しておきました。」
佳奈はいう。だって放映が早朝だからだ。
「早速休み時間に、見てみようか。」
と女将。
「はい。」
と佳奈も快く返事をした。
休み時間。
佳奈と女将はドラマを視聴した。
女将は楽しく見たようだが、
佳奈にとっては上京した時みた数多くの欧米映画みたいだと思ったようである。
まあ、頑張れ。
佳奈はそうつぶやいた。
おわり
コメント
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